100分de名著 『戦争論』ロジェ・カイヨワ
第三回 内的体験としての戦争
戦争を支えているのはシステムだけではない。
カイヨワは人類学的な視点から「戦争に惹きつけられてしまう人間本性」にメスを入れる。兵士の一人ひとりが一個の砲弾や機械部品と同じように消費される戦争。
しかしその状況を積極的に引き受けることで新たな人間の価値を見出そうとする思想が現れる。
過酷な塹壕戦を戦い抜いたエルンスト・ユンガーは「人間自身が一種の武器となり一種の精密機械となって、
壮大な秩序の支配する全体の中で決められた地位を占めること」を戦争は要求するという。
その要求を受け入れるとき人間は自己を超えた真の偉大さを獲得し自らの運命に合致した自由を見出すというのだ。
その「恍惚」や「陶酔」は、人間が古来惹かれ続けてきた「聖なるものの顕現」としての「祭り」の体験と酷似する。
第三回は、戦争自体に人類が惹かれ続けてきたというカイヨワの恐るべき洞察を通して、その本性とどう向き合い統御していくかを考える
映像の世紀OPテーマ:パリは燃えているか
100分de名著 ロジェ・カイヨワ 『戦争論』第四回 「24」
100分de名著 索引
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます