ロジェ・カイヨワ 『戦争論』 索引
映像の世紀OPテーマ:パリは燃えているか
「人間にとって戦争とは何か?」という根源的な問いに対して、人類学の視点から答えを出そうとした一冊の本があります。「戦争論」。
「ユネスコ国際平和文学賞」を受賞し、国際的に大きな反響を巻き起こしたこの著作は、
フランスの高名な社会学者・人類学者ロジェ・カイヨワが(1913 - 1978)が「人類は戦争という現象とどう向き合うべきか」を世に問うた戦争論の名著です。
終戦記念日を迎える8月、この本をあらためて読み解きます。
「戦争論」が書かれた1950~60年代は、米ソの冷戦が激化。第二次世界大戦の惨禍を味わった多くの人々が恒久平和を希求する一方で、国家間のエゴが対立しあい、軍備拡張や戦費の増大がとめどなく進んでいました。
巨大な歴史の流れの中では、戦争を回避し平和を維持することは不可能なのかという絶望感も漂っていました。
そんな中、戦争の歴史に新たな光をあて、これまでなぜ人類が戦争を避けることができなかったかを徹底的に分析したのが「戦争論」です。
そこには、「なぜ戦争が国民全体を巻き込むような存在になったのか」「戦争と国家と産業はどのようにしてつながるようになったのか」といった多岐にわたる考察がなされており、
単なる理想論を超えたカイヨワの深い洞察がうかがわれます。
それは時代を超えた卓見であり、現代の状況すら予言的に言い当てています。
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