井上しんごブログ

北九州市議の井上真吾です。何かあったらいつでもどうぞ、私の携帯電話は070-5690-1423です。😄

令和6年2月議会本会議質問原稿 朝鮮学校助成金削減はひどいじゃないか 子どもや少数者の予算を削るでない

2025年03月06日 | 枝光地域

私は議案第一号令和6年度北九州市一般会計予算案について質問します。

 

成長への再起動予算として、稼げる街など3つの重点戦略の実現、次世代投資枠として3年間で330億円を目途に、来年度は111億円の予算を確保しています。一方で、令和6年度予算における事務事業の棚卸しとして、全ての予算事務事業約3000事業のうち、1288事業、151億円の見直しを行っています。

 

この中には9割を超える予算が削減されるものもあり、これで事業が行えるのかと危惧しています。

 

この151億円もの予算の削減という棚卸しによって、市民の暮らしに一体どういう影響が出て、高齢者の生きがいや、子供達の成長が阻害されるか、非常に心配です。

 

今回の棚卸しでは、決算実績等を踏まえた、予算執行残が削減される提案になっています。通常、予算は予測を上回るニーズや利用者の増にも対応できるよう、若干の余裕を持って組んでいるものです。例年実績の必要額だけのギチギチの予算で、必要な市民サービスがちゃんと公平に行き渡るのか心配です。

 

今回の棚卸しで削減された1288事業で、本当に市民ニーズがなくなったのか、これまで市が長年続け、多くの方が関わってきた事業において、どこまで当事者の意見を聞いていたのか、過去例を見ないような削減を提案する以上、その経緯についての説明責任があります。

 

予算は机の上で電卓弾いて、はいカット、はい廃止とできるものではありません。その事業に予算が付けられるまでに多くの方の要望があり、また例え僅かな予算であっても、その事業の関係者の方の思いが、その予算の一円、一円に、込められています。

 

いくら子育て支援を進めたと言っても、誰かの痛みを前提にした幸せなど、喜べるでしょうか。市長は成長の果実を「彩りあるまち、安らぐまち」へ還元すると言っています。まだ果実の「カ」すらないのに、市民から「彩りある生活と、安らぐ気持ち」を奪っているだけではないでしょうか。

 

特に私がこれは酷いと思っているのが、福岡朝鮮学園助成の削減です。

朝鮮学校で学ぶ子ども達を支援しようと、施設や備品などの整備に当てられています。とは言っても額として年間285万円と僅かでしたが、今回更にそれを全体の4割近い約110万円を削減するというものです。

 

他の私学助成も同じ基準で減らしていると言っていますが、朝鮮学校は他の私立学校が受け取っている私学助成もなく、政局の関係で高校無償化の対象からも外れており、その学校運営は厳しいものがあります。

 

同じ北九州市で学ぶ子ども達への貴重な予算を大幅に削る。これまでこの予算を確保するために、どれだけの汗が流されてきたのか。党派を超えた様々な議員さん、支援してきた市内の学校関係者や弁護士さん、そして、その苦しい事情を知る市の職員さん。これまで何度となく行われてきた学校と行政との懇談や改善を求める意見書など、市長は、こうした市民の熱意に思いを巡らせるべきです。

 

元々、この助成は一番多い年が平成22年度で、450万円ありました。削減される時も、それは大変な議論がありました。その中でも、本市と歴史的な関係のある朝鮮学校への予算については、引き続き精一杯支援する旨が話されました。

 

今回、私は、いとも簡単に長年の学校を巡る歴史と、人々の想いを切り捨てられたことに、とてもショックを受けています。

 

削られた1288事業のうち、朝鮮学校の助成を一つとってもこれだけの問題があります。だったら、残りの1287事業にも同じような問題があるのではないかと危惧しています。

 

いくら稼げるまちづくりと言って、様々、新規事業を並べてみても、私には虚しく聞こえ、空虚感しか残りません。なぜならば、その華々しく見える新規事業の裏には、この朝鮮学校の助成見直しのように、どこかの子ども達が泣いていると思うと、全く喜べません。

 

今回の予算事務事業の棚卸しや予算編成上での内部管理経費1割削減などについて、市はそれらの説明の中で、「当然必要な事業を機械的にカットや廃止するものではなく、現場の実情に応じて、丁寧に原局に聞き取りをし、削減ありきではない」と言っています。

 

では、この朝鮮学校への助成の見直しについて、削減の結論に至るまでの経緯について答弁願います。



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