反対討論 井上しんご
私は議案第1号、30号に反対して討論します。
まず、第一号・令和6年一般会計予算についてです。
予算特別委員会で大きな争点になったのが、1288事業、151億円にも上る棚卸しです。市が目指そうとしている「子ども真ん中」にも真っ向から反する内容で、言ってることと、やってることが全く違うのではないかと感じました。
小学生が市立美術館に行き、鑑賞することができる「ミュージアムツアー」の廃止。また、平和のまちミュージアムや、本市ゆかりの作家の松本清張記念館、未来の主権者による議会棟での模擬投票などが体験できた、「スタディーツアー」の廃止です。
どれも子ども達が学校から飛び出して、ワイワイ、ガヤガヤと、いつもの先生とは違う大人から色々話を聞いたり、質問したり、それは有意義な時間でした。
私達も子ども頃、社会科見学など、校外での体験活動は非常に楽しみでした。
今残っている体験活動は、プラネタリウムの学習投影ぐらいです。科学館がシリウス号という自前のバスを持ってたこともあり、プラネタリウム鑑賞は守られました。
これらは小学生の体験活動ですが、中学生にとっても多感な時期の体験活動は大切です。今二十歳になる息子が中一の頃は、入学してすぐに「ふれあい合宿」というものがありました。二つの小学校から、同じ中学になるために、まだ互いを知らず、沈黙の教室の中、この合宿を通じて、それこそ「ふれあい」が生まれたようです。
中学2年の農業体験合宿は、大分の農家さんの所で農作業の手伝いをするものです。そして3年生の、関西方面の修学旅行。中学生になっても毎年何らかの体験活動がありました。しかし今は、農泊は廃止、ふれあい合宿もバス代の補助がなくなり、ほとんどなくなりました。
そして武内市長初の本格予算によって、小学生の体験学習が削られました。
我が市は、全国初の「子ども真ん中シティ宣言」をしたんじゃなかったですか。
子ども真ん中社会の推進というなら、今回のスタディーツアーなどの廃止について、事前に子ども達の意見を、市長や教育委員会はちゃんと聞いたんでしょうか。
少なくとも、スタディーツアーで議会に来られた子ども達からは、楽しかった、勉強になったとの意見を聞いています。
行政が子ども達を前にして、「子ども真ん中」だと言うんだったら、それを行動で示すべきです。
市は「彩りある人を育む」としています。それは行政や教育委員会が、はい、あなたは赤、あなたは黄色と決めるものではありません。それぞれが学校や地域、家庭での体験を通して、何色になりたいか、一つでなくても何色でもと、それぞれが自ら色づくものです。
行政の役割は子ども達が選択し、幅広く学べるように、その環境を整えることではないでしょうか。体験活動の充実を強く求めるものです。
また、朝鮮学校助成の削減については、これまで学校の実情を踏まえて、本市で助成していたものを、議会直前に連絡し、議会請願・陳情へと続いています。市の答弁は機械的であり、この予算を削減することへの行政の逡巡も、苦悩も全く伝わりませんでした。子どもの教育に関する部署として、現場の声を元に、市長に物申してほしかったと残念でなりません。
次に、議案第30号北九州市事務分掌条例の一部改正についてです。
本会議で、総務局長は、財政変革局の変革を広く一般的に使われているとおっしゃいましたが、そうは思いません。市長がよく使われる言葉なら、ポテンシャルで、ポテンシャル財政局の方がまだいいです。
行革というなら局の統合で、局の数を減らしてスリム化ならまだしも、数は変わらずに、歴史ある建設局の名前を変えて、いくつか見慣れない名前に変更しています。あんまり他の政令市から、これなん?って思われるような名前はやめるべきです。
以上で討論を終わります。