「常識を疑え」で思い出した話です。
このニュースが話題になったときのこと。
当時小6の息子が、新聞を見て
「すげー!圧倒的だね!」と言っていました。
おお。
これは先日習った「割合」の実践編として
ぴったりの例じゃありませんか!
と思った私は、
ここぞとばかりに問題を出しました。
72%!すごい!って思うよね。
まるで全体の72%が反対しているみたいだねぇ。
でも、これってホントにホント?
「すげー!」の前に、ちょっと考えよう。
ここで問題です!
反対は72%。投票率は52%。
では、反対表明した人は、
実際には有権者の何%?
答え。
52%のうちの72%だから、
52×0.72=37.44
約37%。
・・・ね、算数、役立つでしょ?^^
37%だと、なんか少ない感じするよね。
72%と受ける印象が全然違う。
しかも。
この投票は、
「どちらでもない」とか、
賛成じゃないけど、単純な反対票は投じたくないとか、
そもそも投票自体に反対って人は
投票していない可能性が高い。
ということは、37%の方が、
「反対!(かつ知事に賛同)」って人の
実際の割合に近い数字かもしれない。
・・・小学生でも分かるんだから、
新聞社だって気付かない訳ないよねぇ。
じゃあ、なぜ新聞は「72%」だけを
デカデカと書いていると思う?
そう、「圧倒的に反対が多い」
と印象づけたいからだろうね。
これで、この新聞社が
「反対」かつ知事を支持している
ってことが分かるね。
もし、逆の立場なら、
違う表現をしていたかもね。
読者は、新聞社と同じ意見なら
「よしよし、うまいこと書いてるな」
と思うだろうし、
違う立場なら
「けっ!何言ってやがる」
と思うだろうね(笑)
どちらにせよ、
そういうカラクリに気付くことが大切なんだよ。
同じ資料をもとにしても、
導き出したい結論によって言い方が変わる。
客観的なはずの数字だって、
扱い方次第。
ってことを理解した上で、
ニュースを見られるようになったらいいね。
・・・あ、この新聞社が
インチキって訳じゃないんだよ。
ほら、子どもがお母さんに
なにかアピールしたい時、
嘘は言わないにしても、
言い方を工夫したり
言う部分と言わない部分を選別したり、
まあ、いろいろするじゃない?
ケンカの報告だったら、
たとえ公正に伝えているつもりでも
「自分の真実」と「相手の真実」は
違うかも知れない。
お母さんは、それを承知の上で、
「実のところ」を推理しながら
聞くわけなんだけどさ(笑)
そんな子どもと同じような事を
ニュースを発信する側はやってるの。
「私、中立ですけど?」「これが真実です!」
みたいな顔してるけど、
実は紙面にめっちゃ主張を盛り込んでて、
常に読者を誘導してるわけ。
もともとの主義主張によって
書き方が違うからさ、
図書館で各紙を読み比べたら面白いよ。
テロなんか特に!!
だからニュースは必ず
だからニュースは必ず
3つの言語、それぞれで発信された記事を読んで
比較しながら考える
って言ってたんだよねー。
って言ってたんだよねー。
日本の各紙を比べるのとは規模が違って、
すごく面白そうだよね!
こういうのって、勉強する意味の一つかもね。
勉強すればいろいろ分かってくるから、
出されたものを単純に受け取るだけじゃなくて、
自分の頭で組み立て直して
考える人間になれるよ。
それができた方が、
世の中、絶対面白いよ。
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そんな話を小6の息子にしました。
どこまで理解したか分からないし、
今となっては忘れてるかもしれないけど。
それにしても
私から伝えられることなんて
ごくごく限られているのが残念。
子どもが、軽々と親を超えてくれることを願います。
いつか、私の知らないことを
教えてくれるようになったら嬉しいなあ。