玄関のない住宅を作ってみました | ||
最近、住宅にとって玄関は必要かな?と考えることがあります。
F邸;食卓が置かれた土間、 |
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玄関はコミュニケーションのバリア? |
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逆に、私の知人(70歳代のご夫婦)は玄関の無い家から、有る家に建て替えました。お施主様は職人さんの親方で、以前は、1階に食堂兼土間があり、ここで仲間の職人さんと食事をし、客ともこの土間で話をしていました。仕事をリタイアされたのを期に、新しい玄関付の家に建て替えられました。 この土地で長くお住まいだったために、たとえば「おすそ分け」などで、近所の人が気軽に立ちよられますが、最近は玄関先で「ここでいいから」といって帰る方がいらっしゃいます。皆あがりこむのを遠慮しているのです。靴を脱ぐ、あがるという一連の行動が、遠慮という心理的なバリアになっているのです。 そもそも、玄関は、格式を表現したり、客をあげる人とあげない人に選別するなど、住宅の「受付機能」を持っています。それに比べ「気軽な交流場所」としては、作業と暮らしが一体化した民家などの土間空間や町家の縁側等が思い浮かびます。 |
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自分らしい玄関の作り方を考えてみてはいかがでしょうか? | ||
玄関のつくりは個々人、家庭によって違ってくると思います。たとえば、セールスの人を玄関で対応したい方、玄関より奥は出来るだけ人に見せたくない方、いっそのこと無くてもよい方などさまざまです。ぜひ、漠然と玄関を付けるのではなく、自分らしい大きさやしつらえや機能を考えてみてはいかがでしょうか。そのときに、玄関は住まいのなかで外の世界とつながる場所、コミュニティーの場所、と考えてみてはいかがでしょう。 昨日提案したお宅では、この考えをより発展させ、土間の空間を家族のホームライブラリーと位置付けて、いろいろな活動ができるものにして提案しました。ただ通り過ぎるだけの玄関の面積で、素敵な暮らしが生まれるといいなと、考えています。 |