蒼穹

SOU建築設計室の徒然なるブログ

保育園経営をはじめるまえに知っておきたい設置基準 NO5

2019年08月21日 11時16分45秒 | 保育園
保育園を開業するためには、設置基準をクリアすることが条件となります。
そこで今回は、「保育園の設置基準」について紹介します。
保育園の種類によって設置基準も異なりますので、しっかり理解しておきましょう。
 
 
設置基準とは何か
保育園を開業するためには、保育園の種類に応じた設置基準を満たしていることが条件となります。
 
設置基準の基本的な内容としては、子ども1人あたりに対しての保育士の数や、設備の面積が決められており、2歳未満の子どもと2歳以上の子どもで大きく異なります。
 
その他にも、保育室以外のトイレや調理室など、生活をしていくにあたって必要となる設備について定められています。
 
設置基準規制の緩和
認可保育園を開業するためには、設置基準が細かく定められています。
ただ、慢性的に保育所が不足している現状に加え、すべての設置基準を満たすことが難しいこともあることから、
設置基準を緩めて新たに保育園が開業しやすくなるような対応が検討されています。
 
また、厚生労働省から、「国または地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて季節法人が通所施設を設置する場合の要件緩和」
について通知を出しており、一部の地方自治体では保育園を建設するための用地基準の緩和政策が始まっています。
 
保育園の種類によって設置基準は異なる
設置基準については、運営する保育園によって異なります。
 
ここでは、いわゆる認可保育所の例をとって、それぞれどのような設置基準が設けられているのか紹介していきます。
 
認可保育所の設置基準とは?
認可保育所とは、児童福祉法という法律に基づき設置されている児童福祉施設のことで、国によって設置基準が定められています。
 
定められた基準をクリアし、自治体の審査に通過することで認可保育所として認められることになります。
 
【認可保育所の設置基準】
 
<入所対象> 
0歳~小学校入学前の児童(2歳未満が1割以上、3歳未満が2割以上)
 
<児童の定員>
60人以上
 
<職員数>
・0歳児おおむね3人につき1人以上
・1歳児及び2歳児おおむね6人につき1人以上
・3歳児おおむね20人につき1人以上
・4歳以上児おおむね30人につき1人以上
 
<資格>
保育士(保健師または看護師の特例あり・1名まで)
 
<保育室等の設備>
・乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3平方メートル
・保育室等:2歳児以上1人あたり1.98平方メートル以上
・屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3平方メートル以上
(保育所外の公園等を含む)
 
<給食>
自園調理または委託
 
小規模認可保育園の設置基準とは?
小規模認可保育園とは、2015年度より開始された「子ども・子育て支援新制度」によって新たに認可事業として認められた保育園です。
少人数での保育サービスを提供する、地域型保育であることが特徴です。
 
小規模認可保育園には、以下の3つの種類が存在します。
 
・小規模保育園A型(認可保育所の分園型)
・小規模保育園B型(中間型)
・小規模保育園C型(家庭的保育者のグループ型)
 
 
これら3種類の小規模認保育園にも設置基準が定められています。それぞれの違いは定員数と保育士の数です。
その点に注目しながら、各タイプの設置基準を見ていきましょう。
 
【小規模認可保育園A型の設置基準】
 
<入所対象>
0歳児~2歳児
 
<児童の定員>
6人~19人
 
<職員数>
・0歳児おおむね3人につき2人以上
・1歳児及び2歳児おおむね6人につき2人以上
(認可保育園の職員配置基準+1名の計算)
 
<資格>
保育士(保健師または看護師の特例あり)
 
<保育室等の設備>
・乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3平方メートル
・保育室等:2歳児以上1人あたり1.98平方メートル以上
・屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3平方メートル以上
(保育所外の公園等を含む)
 
<給食>
自園調理(連携施設からの搬入可)
 
 
【小規模認可保育園B型の設置基準】
 
<入所対象>
0歳児~2歳児
 
<児童の定員>
6人~19人
 
 
<職員数>・0歳児おおむね3人につき2人以上
・1歳児及び2歳児おおむね6人につき2人以上
(認可保育園の職員配置基準+1名の計算)
 
<資格>
職員の1/2以上が保育士
(保健師または看護師の特例あり・研修あり)
 
□保育室等の設備
・乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3平方メートル
・保育室等:2歳児以上1人あたり1.98平方メートル以上
・屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3平方メートル以上
(保育所外の公園等を含む)
 
<給食>
自園調理(連携施設からの搬入可)
 
 
【小規模認可保育園C型の設置基準】
 
<入所対象>
0歳児~2歳児
 
□児童の定員
6人~10人
 
<職員数>
・0歳児おおむね3人につき2人以上
・1歳児及び2歳児おおむね6人につき2人以上
(認可保育園の職員配置基準+1名の計算) 
<資格>
家庭的保育者(市町村の研修を受けた保育士、保育士と同等の知識・経験を有すると認められた者)
 
<保育室等の設備>
・乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3平方メートル
・屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3平方メートル以上
(保育所外の公園等を含む)
 
<給食>
自園調理(連携施設からの搬入可)
 
 
 
保育園の設置基準は、保育園の種類によって異なります。
保育園の開業へは避けて通ることはできませんので、必ず確認しておくようにしてください。
 

 

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清水義文 (株)SOU建築設計室
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コメント (6)
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