保育園の開業にはさまざまな準備が必要ですが、開業するタイミングも大切になります。
そのタイミングを見極めるためには、開業に適した時期に関係する要素について理解しておくことが重要です。
今回は、保育園を開業するのに最適なタイミングがいつなのか、ということについてお話していきたいと思います。
開業に適した時期を見極めることも大切
保育園を開業しようと思うと、開業場所や開業資金、どんな種類の保育園にするのかなど、さまざまなことを考えるでしょう。それと同時に、開業する時期についても見極めることが大切です。
保育園経営をビジネスとして考える場合、大切になるのは「売上」と「人材(=保育士)確保」となります。そのため、その両方のことを考え、一番良いタイミングで開業することで、安定した保育園経営を目指すことができます。
では、「売上」と「人材確保」それぞれの視点で考えた場合、保育園開業にとって最良のタイミングとはどういった時でしょうか。
売上の視点から見る保育園開業の最良のタイミング
まずは、売上の視点から見てみましょう。
一般的な保育園などの場合、一番売上が伸びる時期というのは2~3月となります。これは、4月以降の保育園入園に備えるための慣らし保育が行われるためです。
逆に、売上が一番伸び悩むのは4月となります。これは、認可保育園に通うことができるようになった園児が、認可外保育園を卒園するケースが多くなるためです。
そのため、売上が伸びやすい2~3月を逃さないほうが、保育園経営に関しては得策であるといえるのです。
では、2~3月に開業するのが一番良いのかというと、それは違います。売上が伸びるということは、言い換えれば「1年で一番忙しい時期である」ということです。つまり、その時期には、安定した保育サービスを提供できる体制を整えておかなければならない、ということになるのです。
このように考えた場合、保育園開業に適している時期は9~10月ということになります。
その理由は、夏休みが明けた後であるということ。夏休みは保育士とっても休暇の時期にあたり、保育体制を整えるための稼働日数が少なくなってしまうのです。同じように、年末年始休暇があって稼働日数が減る冬の時期も、避けたほうがいいといえます。
また、夏休み以降は一般企業や中小企業などの求人が増える傾向にあります。つまり、母親が新しい就職先やパート先などを探しやすくなり、働き始める時期でもあるのです。そのため、9月以降に子どもを預けたいというニーズが高まる傾向にあります。
9~10月の秋口であれば保育園を稼働しやすく、2~3月までに時間があるため、一年のピークに合わせてしっかりと体制を整えることができるでしょう。
人材確保の視点から見る保育園開業の最良のタイミング
次に、人材確保の視点から、保育園開業のタイミングを探ってみましょう。
保育士の場合、新年度開始の4月から働くことを希望するケースが最も多いといわれています。これは、ほとんどの保育園で担任制を採用しているためで、3月までは退職がしにくいためです。また、新卒の保育士の場合も同様に4月から入園するのが一般的でしょう。
また、夏休み明けに転職をするパターンも多いとされています。
これは4月に新年度が開始した後、前期を終える夏休みを境に保育士が退職して、別の園を探すといった背景があります。
また、園側としても保育士の力量不足で現場が回らなかったりして、年間を通じてイベントや行事が多い秋に向けて体制を再度整えたいと考え、採用活動をすることが考えられます。
どちらの場合でも、7月8月の夏頃から求人情報が増え始めるため、その時期には保育園の情報を公開できるようにしておくことが、保育士を確保するためには重要です。
このように考えた場合、新年度開始の4月、もしくは夏休み明けの9月に開業するのがタイミングとしてはよいといえます。
先述した売上のことから考えると、どちらもいわゆる繁忙期にあたる時期となりますので、バタついたり、現場が多少混乱したりしてしまう可能性もあります。しかし、時期を逃すと人材の確保が難しくなる側面もありますので、優先順位を付けて判断することが求められるでしょう。
保育園を開業し安定して経営をしていくためには、売上が増減する時期や保育士を確保しやすい時期を把握しておくことが重要です。
そして、資金の準備や設備を整えるための時間、人員確保、園児募集など、保育園を開業するためには、さまざまな準備が必要となりますので、事前にしっかりと計画を練ったうえで、逆算して進めていくことが大切です。
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