ハイオトギリが花邑を見せています。
エゾシオガマが、三角形の葉を重ねた先へ、慎み深く白花を掲げています。
ハイオトギリ エゾシオガマ
ミヤマホツツジが小象の鼻のような形に、雌しべを曲げていました。
次々と現れる花にレンズを向けながら登って行くと、八合目の標識を目にしました。
周囲には既に、ハイマツ林が広がっています。
標高1000mを少し過ぎた辺りなのに、周囲は高山帯の景観を見せ始めています。
日本アルプスであれば、重い荷を背負って、何時間も登り続けなければ出会えない光景です。
雲に包まれた夏山で、ミノボロスゲが風のない一時、緑の葉を休めていました。
エゾカンゾウの鮮やかなジョンブリアンが緑に映えます。
九合目を過ぎると、登山路は再び岩の中へと進んで行きます。
ハイマツの翠の下に、ミヤマホツツジが薄紅色の花をちりばめていました。
登り始めて凡そ1時間40分後、雲に包まれた目国内岳の頂きに辿り着きました。
頂上直下には、岩内岳への分岐点がありました。
この場所から岩内岳へは3時間程で往復できるそうですが、デジカメで現在時間を確認すると、既に15時18分でした。
この辺は熊さん達のお庭ですから、無理をせずに下山することにしました。
下山路でも、様々な花に巡り会いました。
イヌツゲかアカミノイヌツゲでしょう。
イヌツゲ ないし アカミノイヌツゲ
今朝登った大千軒岳では、実を付けたアカミノイヌツゲを見ています。
大千軒岳と目国内岳は標高が似た様なものですから、直線距離で200km程度南北に離れた場所では、植物の開花にそれ程の差がでることになります。
オオバギボウシやノリウツギも十分に花を開ききっていませんでした。
オオバギボウシ ノリウツギ
当初は、同一日に200km程も南北に離れた山に登ることは想定していませんでしたが、同一植物の開花日の差を観察するという、得難い経験を積むことができました。
花の百名山 目国内岳ピークまで往復し、無事に登山口へ戻って来たのは16時40分頃でした。
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