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目国内岳 同じ日に二つの名山

2016-09-06 18:16:41 | 花の山

 

 ハイオトギリが花邑を見せています。


 エゾシオガマが、三角形の葉を重ねた先へ、慎み深く白花を掲げています。


 

ハイオトギリ  エゾシオガマ

 
 ミヤマホツツジが小象の鼻のような形に、雌しべを曲げていました。

 



 次々と現れる花にレンズを向けながら登って行くと、八合目の標識を目にしました。


 周囲には既に、ハイマツ林が広がっています。

 



 標高1000mを少し過ぎた辺りなのに、周囲は高山帯の景観を見せ始めています。


 日本アルプスであれば、重い荷を背負って、何時間も登り続けなければ出会えない光景です。

 



 雲に包まれた夏山で、ミノボロスゲが風のない一時、緑の葉を休めていました。




 エゾカンゾウの鮮やかなジョンブリアンが緑に映えます。

 


 九合目を過ぎると、登山路は再び岩の中へと進んで行きます。


 ハイマツの翠の下に、ミヤマホツツジが薄紅色の花をちりばめていました。

 

 


 
 登り始めて凡そ1時間40分後、雲に包まれた目国内岳の頂きに辿り着きました。

 



 頂上直下には、岩内岳への分岐点がありました。


 この場所から岩内岳へは3時間程で往復できるそうですが、デジカメで現在時間を確認すると、既に15時18分でした。


 この辺は熊さん達のお庭ですから、無理をせずに下山することにしました。

 



 下山路でも、様々な花に巡り会いました。


 イヌツゲかアカミノイヌツゲでしょう。


 

イヌツゲ ないし アカミノイヌツゲ

 

 今朝登った大千軒岳では、実を付けたアカミノイヌツゲを見ています。

 


 大千軒岳と目国内岳は標高が似た様なものですから、直線距離で200km程度南北に離れた場所では、植物の開花にそれ程の差がでることになります。

 

 

 オオバギボウシノリウツギも十分に花を開ききっていませんでした。

 

 

オオバギボウシ ノリウツギ


 当初は、同一日に200km程も南北に離れた山に登ることは想定していませんでしたが、同一植物の開花日の差を観察するという、得難い経験を積むことができました。


 花の百名山 目国内岳ピークまで往復し、無事に登山口へ戻って来たのは16時40分頃でした。




 


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目国内岳 頂きへの道

2016-09-06 15:21:12 | 花の山

 

 前目国内岳の頂から、以外な程の近さで、雲の隙間に人里らしき光景が見えていました。


 多分岩内か共和の町並みでしょう。


 前目国内岳は標高980mですから、六甲山から神戸市内を見下ろすような距離感です。

 


 前目国内岳のピークから、一旦、目国内岳との鞍部へと下ってゆきます。

 



 下る途中、雲の隙間の広がりから、山麓の光景がはっきりと見えてきました。


 左手の水色の広がりは、積丹半島の付け根に位置する日本海です。


 この辺りは相当な豪雪地帯かもしれません。

 



 水分を多量に含んだ風が直接山稜に当たり、夏でも雲が湧きやすい地形のようです。


 目国内岳のピークは白い雲のベールに覆われていました。

 



 鞍部の底はササ原が広がっていました。


 日本海から昇る雲が、潤沢な水を供給し続けるようです。


 登山路の周囲に、瑞々しい草葉の絨毯が広がっていました。




 鞍部からピークへ向かう途中で振り返ると、前目国内岳の頂きが、光を孕んだ雲に覆われていました。


 鞍部は、程好い光に照らされています。


 周囲に雲は多くても、大気は安定している様子です。


 これから天気が崩れる心配はないと判断しました。

 



 そして、この辺りから、周囲に草花が姿を見せ始めました。


 コガネギクが黄金色に花びらを飾り、シロバナニガナが花弁の中央を、ほんのり黄に染めていました。

 

 

コガネギク  シロバナニガナ


 六合目を過ぎて、「岩の門」を通過しました。




 岩陰のエゾアジサイのスカイブルーに目が引き寄せられます。

 



 登山道は岩が露出した場所に進み、

 



 ハイマツやナナカマドの中を登り続けました。

 



 七合目を過ぎた辺りからは視界が開け、周囲のササの背丈がかなり低くなってきました。


 そろそろ、森林限界が近づいてきたようです。





 

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花の百名山 目国内岳

2016-09-06 01:41:46 | 花の山

 

 大千軒岳新道登山口の駐車場を出発したのは朝の8時半でした。

 

 そんなふうに書くと、普通であれば山の頂へ向かうことになりますが、今回は既に登頂済みなので、次の目的地である、目国内岳へと車をはしらせました。

 

 昨晩は、思いのほか寝付きが早かったので、予定以上に早く目が覚めて、全てのスケジュールが前倒しとなりました。

 

 しかし、予定など有って無いようなものですから、旅する船の全ては帆任せ、風任せです。

 

 船頭は成り行き任せで、ナビに目国内岳の登山口を入力すると、走行距離は約250㎞、到着予定時間は17時30分と示されました。

 

 途中で温泉にでも浸かって、のんびり行こうと、この時は考えました。

 

 信号も渋滞も、コンビニなどもめったに見ない、道路本来の機能を存分に発揮する、北海道らしい国道を順調に走り続けました。

 

 そして13時40分、船頭は目国内岳登山口のパーキングで車のエンジンを停めたのです。

 

 「こりゃ、随分早いな!」って思いましたが、平均時速50㎞で5時間はしれば、到着しても不思議ではありません。

 


 

 事前の調査で、ここから目国内岳山頂への往復は4時間です。

 

 日没は19時頃のはずですから、今からでも登頂は十分に可能と考えました。

 

 判断できれば、タイミングは逃さないのがポリシーですから、13時48分には身支度を終え、躊躇なく山頂に向かって歩き始めていました。

 

 午後の山は雲が掛かり、見晴は良くありませんが、花を見るのが主目的なので、気にしないことにしました。

 


 

 登山道がササの間を登ってゆきます。

 


 一定のペースで、単調なリズムを刻み、10数分程も進みますと、樹の幹に「二合目」の札がぶら下がっていました。


 もう二合目!  

 

 これなら大丈夫と登頂を確信します。

 


 手入れの行き届いた登山道が続いていました。


 誰かが、ササを刈ってくれているようです。

 

 山に遊ぶ登山者の為に、汗を流す方々がいらっしゃると思うと、申し訳ないような、有難いような気持ちになります。

 



 そして、三合目を過ぎてからは、

 


 

 登山路の先に、ササの回廊が続いていました。

 



 見下ろせば、少しずつ標高が上がってきたことを実感します。

 



 登り続ける登山道の周囲は、鼠色に薄い青の絵具を流し込む色に染まっていました。


 静かで、何も変わらない、悠久の時は、きっとこんな色なのだろうと思います。

 



 登山口から30分程も登った頃に、前目国内岳山頂の標識に出会いました。

 

 

 

 

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