「あかずの間」と聞くだけで
ぞお~~っとしてきますよね。
二月の怪談・・・
寒中水泳のような
怪談鑑賞です。(^_^;)
「大奥あかずの間」は、
1972年に放送された、怪談シリーズの第8話。
上様を巡っての女の嫉妬に、
お世継ぎ争いが絡み合う、大奥ものど真ん中の内容と申せましょう。
重々しく、陰鬱な空気を演出しているのは
ナレーション(宝生あやこ)の力も大きい。
上様(勝呂誉)も終始憂鬱そうで暗いし、
全体の湿度は高めです。
上様の子を身ごもったお女中が不審な死を遂げ、
以来あかずの間となった女の部屋からは
夜な夜な鼓を打つ音が響くのだった・・・・
雷が鳴り響く夜、廊下の隅から
不気味な尼がにゅう~~っと顔を出すシーンや、
死んだお女中の墓を暴くシーンは悪趣味で、ケレン味ありあり。
上様の正室を演じた
元大臣、坂田藤十郎夫人扇千景の若き日の美貌と、台詞回しの美しさは
さすがでした。
扇千景が着ていた古代紫の着物や豪華な打掛は、昔の素晴らしい染めで、
刺繍もそれは美しいものでした。垂涎。
豪華な衣装も良かったのですが、この作品の面白いところは意外なラスト。
どんでん返しと申しましょうか・・・
ネタバレ注意報***********
陰謀が暴かれ、無残に殺された女の供養も終わったから
亡霊も成仏したであろうめでたしめでたし・・・と、
フツウだったらエンドマークとなるところですが!
この作品はそんな甘くなかった!
事件を暴いた主人公たちが大奥を出ようとしたところ、
あろうことか雷に打たれ、
あっけなく死んでしまうのでした。
まるで亡霊に地獄へ引っ張られたごとく・・・(T_T)
陰々滅滅とはこのことですわ。
この世に恨みを残し、化けて出るような亡霊は
簡単には成仏しないということでしょうか?
怨霊に同情、加担してもろくなことにならないという教訓でしょうか?
(「牡丹灯籠」の、亡霊と取引してむごい死に方をした長屋の夫婦を思い出します)
くわばらくわばら・・・・
体感温度は氷点下-!!
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