よく耳にする話なのですが、例えば
ヘッド重量190g グリップ50g
シャフト重量を 90g⇔50g
シャフトを重くすると、スイングバランスが変わる
と言うのがありますが、そんなことはありません。
使う人の感覚は何とも言えませんが、とりあえず
シャフトの重量の変化 だけでは スイングバランスの
変化は生まれないのです。
逆に言えば スイングバランス(スイングウエイト)の数値は
同じなのに 感覚、フィーリングは全く異なるクラブも
ごくごく 在ります。
シャフトは個々によって異なりますが
基本的には、この14インチ計の天秤では
シャフトの重量には関係が無く
同じようなバランスが出るように設計されています。
特に、グラファイトシャフトの場合、
どのようなシャフトバランス(シャフト単体の重さ配分)も
可能なので、重量とは関係なく
シャフトによっては、大きくスイングウエイトが
変化してしまうものも有ります。
軽量スチールシャフトがアイアンシャフトの主流に
なるまでは、グラファイトシャフトというと
先端から52~54%位のところにバランスポイントが
ある、いわゆる手元が重めのものが中心でしたが、
軽量スチールシャフトが登場して以来、
グラファイトシャフトもそれに同調し、
先端が重めのバランスのもの 50%前後
に変わってしまいました。
*余談ではありますが、グラファイトの方が飛ぶ
と言われている理由は、シャフトバランスが手元が重く
重いヘッドが装着出来るからであって、
素材そのものの変化は距離に影響がないと言って
間違いないと思います。
シャフトの形状は先端部になるに従って細くなります。
その細くなる部分が一番負荷がかかります。
グラファイトでは、シャフトの無いのバランス調整さえ
すれば、先端を重くしなくとも、補強することが可能ですが、
単一素材、であれば、金属の厚みを厚くするほか
補強の手段がありません。
故に、シャフトバランスは先端が重くなり、
同じスイングウエイトを形成するには、軽いヘッドが
必要になって来ます。
また、捻じれ特性の低い、軽量スチールシャフトには
重心距離の長い、大きなヘッドは合いませんので、
かるい小振りなヘッドが装着されることになります。
その先端に重さが偏るシャフトバランスは
ウッドのシャフトにも広がって来ており
スイングウエイトがヘッドの重量よりも多く出る
というか、長尺化も伴って
ウッドのヘッドの軽量化も進んでいます。
ボールを打つ場所、ヘッド
打ち手としては、動作中、その場所が
どこにあるのか、どうなっているのか
感じ取ろうとすることが「打撃の本能」でしょうから、
軽いヘッド、そして硬いシャフトは
必要以上にヘッドを動かし、運動エネルギーによって
ヘッド重量を増加させるのだと思います。
正直、長年、色々な方のスイングを見てきましたが
シャフトの硬さとヘッドの重量の兼ね合い で
数値では無く、動的な状態でヘッドが感じ取り難い
クラブを使ってきた方ほど、ヘッドを振る動作が大きく
その度合いは、感覚としてのヘッド重量と
完全に反比例していると言えます
(ヘッドが軽くなる⇔ヘッドを振る)
ヘッドの重量そのもの
シャフトの硬さ
ヘッドの重心距離の短さ(ヘッドの大きさ)
シャフトのバランス特性
などが、その要因でありますが、
シャフトの硬さ というのが、動的なヘッド感
動的なスイングウエイト(スイングバランス) と
言っても間違いないのではないかと思います。
反復練習によって、機械的なスイングを形成しない限り
打ちながら、スイングを形成する訳ですから
良いショット、悪いショットを感触として
分けていくのには、やはりヘッドの居場所が重要ですし、
ヘッドを感じられることによって、リズム感も
生まれて来るものだと思います。
軽いヘッド、もしくはシャフトの硬さによって
軽く感じるヘッドを使っているゴルファーは
ワッグルも必要以上に多く、ヘッドをたくさん動かす
ことによって、動的なヘッド重量を増やします。
テークバックの初期の時点で、ます速く、多く
ヘッドを動かし、本来あるべきところではないところに
ヘッドを持って行ってしまう訳ですから
行く~戻る という 不必要な「往復」の動作は
必須になってしまうと思うのです。
ご自分のスイングに思い当たる節がある方は
鉛が吹っ飛ばない程度に、出来るだけ重くして
練習をすることによって、誰から習う訳でもなく
半年程度で、ご自分の悪癖はかなり軽減されると思います。