昨日の続きである。
では家系図をどうやって作っていくか?
先祖代々檀家になっているお寺の過去帳をみせてもらう、
おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人に訊く、
実家・本家に残っている資料をあたる、
等々考えられるけれど、一番確かで、手軽なのが
戸籍をたどる、であろう。
自分の戸籍謄本は本籍地に行けば取れるし
遠方ならば、郵送でも取れる。
そこから、お父さん、おじいちゃん、ひいおじいちゃん
と遡って戸籍謄本、除籍謄本を取っていくのだ。
今年、古い戸籍の保存期間が80年から150年に延長されたので
上手く行けば、これだけで江戸時代までたどれる。
但し、この方法で戸籍謄本等が収得出来るのは
本人の直系尊属のみ。
傍系を調べようと思ったら、
そこに繋がる直系卑属の方の委任状が必要となる。
問題は、ここをどうやって調べているか?である。
行政書士には、職務上請求書というものがあり
依頼者の委任状がなくても戸籍謄本等が収得出来るのであるが
これを使っても収得出来るのは、依頼者の直系尊属・卑属のみ。
戸籍の取扱いにおいては、正当な利害関係がある場合等でなければ、
自己の傍系血族等の戸籍謄本・除籍謄本の請求は認められていない。
(正当な利害関係がある場合、相続等の場合は認められる)
ただ、悲しい話であるが、
過去においてこの「職務上請求書」が不正使用された事があったようで、
この元被告も、行政書士から不正に買取った職務上請求書で
自治体から不正に戸籍謄本を収得し、家系図を作成していた。
(当時は戸籍法の罰則はなかったので、この被告は戸籍法では訴追されいない
売り渡した行政書士は行政書士法違反で罰金刑を受け、廃業)
だから、最近この職務上請求書の取り扱いについては
行政書士会からも、相当厳しく指導があり、
実務上、きっどさんは最初に1回使っただけで
それ以降は全く使わず、金庫に納めたままである。
依頼者の方から、委任状を頂けば済むし、
建設業許可等で必要な身分証明書は元々職務上請求書は使えない。
てか、あれだけの欄を手書きで埋めるより
委任状を頂いた方が楽!
そう家系図作成というのは、これ程プライバシーに関する問題で
若し今後、行政書士以外の業者の方が作成するにしても
その個人情報保護について重々考慮し、
慎重に取り扱う必要のある作業である事を自覚頂き、
依頼する方も、その前提で業者を選んで頂いた方が良いと思う。
出来あがった「家系図」の巻き物は観賞用であろうと
そこには、自分と御先祖様の個人情報がいっぱい詰まっている事をお忘れ無く!