漆黒の夜空に花火がきらめく。
私は時々強く光る花火とほんのり明るい月明かりを頼りに細く暗い田んぼ道を落ちないように歩いていた。
季節は夏、この時期になると必ずどこからか流れ出すウワサ。
「この田んぼ道では幽霊が出る」
嫌なことを思い出してしまった
そう思いながら足を早める。
昔から私は霊感がある方で、特に怖い話などを聞いたあとはよく見えてしまうのだ。
さっさと帰ろう
そう思った時に私の直ぐ脇で何かがバチャリと音を立てた。
一瞬ビクリとなりながらも恐る恐る音のした方を見ると、50代くらいのおじさんが恥ずかしそうにこちらを眺めていた。
「ど、どうしたのですか?」と私が尋ねると、
「いやぁな、花火の音で振り返った時にお前さんの姿が見えて、例のウワサを思い出して驚いた拍子に足を滑らせて田んぼに落ちてしまったわ。
いゃあ、まいったのぅ」と答えた。
少し申し訳ない気分に囚われながら
「大丈夫ですか?」と尋ねると、
「足がハマって動けないから少し手を貸してくれ」と落ちた時に汚れたのであろう泥が固まって汚れた手を差し出してきた
ドーン…
花火が静かな田んぼ道を歩く2人の人影を照らす。
聞こえるのはカエルの鳴き声と2人の会話のみ…
「この田んぼ道では幽霊が出るらしい」
私は時々強く光る花火とほんのり明るい月明かりを頼りに細く暗い田んぼ道を落ちないように歩いていた。
季節は夏、この時期になると必ずどこからか流れ出すウワサ。
「この田んぼ道では幽霊が出る」
嫌なことを思い出してしまった
そう思いながら足を早める。
昔から私は霊感がある方で、特に怖い話などを聞いたあとはよく見えてしまうのだ。
さっさと帰ろう
そう思った時に私の直ぐ脇で何かがバチャリと音を立てた。
一瞬ビクリとなりながらも恐る恐る音のした方を見ると、50代くらいのおじさんが恥ずかしそうにこちらを眺めていた。
「ど、どうしたのですか?」と私が尋ねると、
「いやぁな、花火の音で振り返った時にお前さんの姿が見えて、例のウワサを思い出して驚いた拍子に足を滑らせて田んぼに落ちてしまったわ。
いゃあ、まいったのぅ」と答えた。
少し申し訳ない気分に囚われながら
「大丈夫ですか?」と尋ねると、
「足がハマって動けないから少し手を貸してくれ」と落ちた時に汚れたのであろう泥が固まって汚れた手を差し出してきた
ドーン…
花火が静かな田んぼ道を歩く2人の人影を照らす。
聞こえるのはカエルの鳴き声と2人の会話のみ…
「この田んぼ道では幽霊が出るらしい」