しっとう?岩田亜矢那

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意味がわかると怖い話3097 「お花見は桜の木の下で」

2020年09月24日 11時44分16秒 | 意味がわかると怖いコピペ
桜の木の下に、死体が埋まっているらしい。友人からこの噂を聞いた俺は、自宅に生えている桜の木の根元を掘り返してみることにした。 

大きなスコップを地面に突き立て、土を掘り返す。ザッザッという音が淡々と鳴り続けたが、特に何も出てこなかった。黙々と掘り続けていたために気が付かなかったが、体中汗まみれになっていたようだ。ベタベタとした感じが気持ち悪いので、体を洗い流しに行くことにした。 

よし、たまには銭湯にでも行こう。ヨレヨレになったエコバッグに、タオルと着替えを詰めて家を出た。銭湯は、自宅から徒歩十分のところにある。昔はよく、父さんと一緒に行ったものだが、父さんが他界してからは、しばらくご無沙汰になっていた。いつもの受付のおばちゃん、元気かな。

 銭湯の前に着くと、俺は背筋が凍った。パトカーが一台止まっていて、黄色いテープが俺の行く手を塞いでいたのだ。何人かの警察官が黄色いテープの内側にいて、何かを見つけるために、銭湯の中をくまなく探している。

 俺は来た道を引き返し、急いで自宅へと戻った。そして、桜の木の下を覗いた。そこには、最後に見た時よりも白髪としわの数が増えた、銭湯の受付のおばちゃんの死体があった。 

叫び声すら上がらなかった。恐怖と気持ち悪さが心の中を完全に支配すると、とうとう俺は嘔吐してしまった。おばちゃんの死体に、俺の吐いたものがかかる。どうしよう、この死体を見られたら、俺がおばちゃんを殺したと疑われるかもしれないし、とりあえず土をかぶせておこう。

 桜の木に立てかけておいた大きなスコップを手に取ると、掘り返した土をせっせと被せた。急がないと、誰かに見られてからじゃ遅いんだ。足音が自宅に近づいてくるのが聞こえる。やばい、早く埋めなきゃ!

 「おーい木下、いるかー?」 

声がした玄関先の方を振り向いた。あいつは、桜の木の下に死体が埋まっているという噂を教えてくれた友人の、栗木じゃないか。栗木は口が軽いから、こんな所を見られてしまったら、警察に通報されかねない。というか、もう見られてしまったんじゃないか? 

悪い、栗木。俺は警察のお世話になりたくないんだ。自宅に戻ったら勝手に死体があったなんて話、きっと警察は信じてくれないだろうし。俺はスコップを肩に担ぐと、猛スピードで栗木の元へ走っていき、担いでいたスコップを、頭部目掛けて振り下ろした。

 栗木は反射神経が良いようで、俺が振り下ろしたスコップをサッと避けると、ニタァと笑ってこう言った。 

「なあ木下、桜の木の下には、本当に死体が埋まっていただろ?死んだお前の親父さんも、別の桜の木の下に隠れてるぜ。」

 サーッと、血の気が引いていくのが分かった。ショックのあまり、俺は膝から地面に崩れ落ちて、遠くへと逃げていく栗木を追えなかった。数分後、立ち上がる事すらままならい俺の手に、一人の警察官が手錠をかけ、無理矢理パトカーに乗せられた。栗木、俺はお前を一生許さない。刑務所から出たら、お前を桜の木の下に埋めてやる。