あぁ、私の嫌いな朝が来た。朝が来たら学校に行かなくちゃいけない。学校に行けば、またあいつらにいじめられるんだろうな。
教室に入ると、私の机の上に花瓶が置かれていた。花瓶には、小さい菊が生けられている。
酷い、お前なんか死んじまえってこと?花瓶を元々あった場所に戻し、席についた。今日は、私のノートと教科書は無事だろうか?昨日は、授業でやる所のページが破られていて、大変だったな。机の中を覗き込むと、私の教科書とノートは全て無くなっていた。これじゃ勉強できないじゃん。
私は溜息を吐き、どこかのゴミ箱の中に捨てられているだろう、私のノートと教科書を探すことにした。まずは教室のゴミ箱の中、ここは無かった。次に昇降口のゴミ箱の中、ここもなかった。
一旦教室に戻って、ノートと教科書がある場所を考える。もしかして、中庭の噴水にでも浸かっているのかな?中庭は入れないし、今はひとまず諦めて、何とか授業を受ける方法を考えないと。
そうこうしている内に、私をいじめているあいつらが教室に入ってきた。罵声を浴びせられるのはごめんだし、暴力を振るわれるのも嫌だから、校舎内のどこかに逃げよう。
私をいじめているあいつらが入ってきた入り口とは、反対側の入り口から逃げようとした時、いじめグループの主犯格が、イラついたような声でクラスの皆に質問した。
「ちょっと、私がせっかく置いた花瓶、どかした奴誰なの?」
彼女の質問に、誰も答えようとはしない。あれ?いつもは私がやってない事まで私のせいにするのに、何だか今日はおかしいな。
「ねえ聞いてた?花瓶どかしたの・・・」
再び質問しようとした時、教室に入ろうとして廊下を歩いていたクラスの担任が、大きな声で悲鳴を上げた。
「ギャー!!どうして、お前がここにいるんだよ!?」
出た、いつもの悪口。こいつは担任のクセに、一緒になって私をいじめてきて、難癖つけては評価を下げてくる。私は辛さに耐え切れなくなって、泣きながら教室から逃げ出した。