ラルドは、豚の背脂の塊をスパイスと共に塩漬けにした物です。
中でも有名なのが、トスカーナ州のマッサ=カッラーラ県 にある人口300人程の小さな村で作られているラードです。
村の周辺は、大理石の産地で有名です。ラルドは、塩、コショウ、ニンニク、ローズマリーと各種スパイスや香草に漬けられて、コンカ(Conca)と呼ばれる大理石で作った容器の中で、6ヶ月から10か月熟成されます。
今は高価なコロンナータ産のラルドですが、元は大理石を採石する過酷な労働者達の貴重な食料でした。労働者は貧しい人が多かったそうで、安い脂身を買って、保存性の良い大理石の容器に入れて作ったのが始まりだそうです。
ラルドを熟成させる、大理石の容器。これは小さいのですが、実際使われるのは、かなり大きいです。一度見学したことがあります。
コロンナータ産のラルド。
薄くスライスします。脂身ですが、しつこさは全くなく、口に入れるとスパイスやハーブの香りが立ち込め、とろけてゆきます。豚肉の脂身の美味しさを楽しめます。
焼きたてのトーストにのせていただくのが定番です。つい沢山食べてしまいますが、脂身なので100gで770kcalもある危険な食べ物です。その他にもペースト状にして、少し野菜スープに加えると旨味が増します。