スーのCuriosityⅡ

ブログのテーマは、好奇心。
わくわくドキドキ、好奇心いっぱいの楽しい生活をおくれますように。

忘れられぬ人々

2021-11-12 20:51:08 | つぶやく

テレビを見ていたら、

乗車したタクシーの運転手の態度が悪かったので、

乗客の女性が車内に設置されているエコカードを手にしたら、

エコカードを返してくれとタクシーから下車させてもらえなくなったという話をやっていました。

エコカードでクレーム報告をすると、ペナルティがあるんですね。

 

返事をしない無言の態度が悪い運転手っているよなぁ~と私も思ったのですが、

ドアをロックされて、車内に閉じ込められるのは女性客としては恐怖しかないです。

 

個人タクシーはマナーが良い運転手が多いと思っていたけど、

この問題になったタクシーは個人タクシーでした。

テレビでは、タクシーの運転手側からすると、

長いタクシーの行列で、

やっと乗せた客が3丁目から6丁目の短距離の女性客だったから、

態度が悪くなったのではないかという話だったけど、

客商売なんだから、短距離でも長距離でも態度を変えてはいけませんよね、、、、。

 

私は、過去に乗ったタクシーで忘れられない運転手さんが二人います。

一人は、15年ぐらい前、会社で異動の送別会があり、

遅くなったので、帰宅時にタクシーを使わせてもらいました。

 

都心の繁華街ではないところで、乗った個人タクシー。

私が千葉までの行先を言って走り始めてしばらく経つと、

お客さん、ありがとうございます、ありがとうございますと何度も言うので、

長距離客だからかなーぐらいに最初思っていました。

 

それから運転手さんの話を黙って聞いていたら、

どうやら今乗っているその個人タクシーの車体は、お世話になった先輩から譲り受けた車体で、

その車体は、その日で最後だったらしいのです。

車体を譲ってくれたその先輩は、どうやら既にお亡くなりになっているらしいのですが、

不景気で何度もタクシードライバーを止めようかと思ったけど、

先輩から受け継いだ大事な車体で今まで頑張ってきて、

これから先も不安だけど、明日から、やっと自分で買った新車になるというのです。

 

苦労をともにしてきたこの車体とお別れの日、

今日もお客さんがみつからないと思いながらこの時間まで流していたら、

運良く、長距離のお客さんを乗せることができて、

自分、本当に嬉しいんです。

 

お客さん、ありがとうございますっ、

乗ってから、何回、ありがとうと言われたことか。

 

きっと先輩が、頑張ったな、これからも頑張れよって、

お客さんを自分の車に導いてくれたのかもしれません・・・・

 

その先輩については、詳しくは話を聞きませんでしたが、

運転手さんにとって、本当に大切な先輩だということが伝わってきました。

 

明日からは、心機一転ですね、新車で頑張ってくださいね! と言って車をおりました。

 

そして二人目の忘れられない運転手さん。

こちらは、今年の夏の始まりの頃、とある事情で会社から車で帰ることになり、

アプリでタクシーを捕まえようとしたのですが、うまくスマホから接続できなくて、

会社の前にたまたま停まっていたタクシーを発見。

窓ガラスをコンコンと叩いて、乗って良いかと聞くと、良いですよと言われたので、

乗り込んでから千葉にお願いしますと行先を告げました。

 

その時、ずいぶん若い運転手さんだなーと一瞬思ったのですが、

カーナビで行く先を設定させていただきますと言われ

はいはい、どうぞーと待って、設定が終わり、

カーナビが誘導する方向にタクシーが動き始めました。

 

動きだして、すっかり安心した私は、スマホの画面をずっと見ていて、

顔をあげた時に、ん?まだ首都高に乗っていないのか、、、と、

ちょっと不安を感じたのですが、

カーナビが誘導していたインターに行くと、そのインターが閉鎖されていました。

 

そうなると首都高へは、他の入り口から入るしかないのですが、

車は、周辺をうろうろとし始めて、

突然、一旦、車を止めていいですか、メータも止めますのでというのです。

 

どうぞと言ってから、これは降りた方が良いか、、でも荷物も多くて、

タクシー乗り換えるのも面倒だなーと思って、黙っていました。

 

運転手はカーナビをいじるも、新しいルートでの設定方法が分からないみたいで、

後部座席から見える運転手さんの左側の顔は、

異常に汗をかいていて、ポタポタとマスクの下、

顎から汗が垂れている?!

 

その後もすみません、すみませんと謝ってばかりで、

こちらは、大丈夫なのか、この運転手と不安になる一方。

 

カーナビの誘導を諦めた運転手は、なんと自分のスマホのナビを使って、

また車を動かし始めました。

 

でもやっぱり様子がおかしい。

プチパニックか。

 

そこで恐る恐る聞いてみました。

もしかして、新人さん?

小さな声で、はい。すみません、、、という蚊の鳴くような小さな震える声が聞こえました。

 

あちゃーと思って、

一旦、車止めて、またメーターも止めてもらえます?と私。

 

車を止めてもらって、

そしたら、深呼吸しましょうか。

じゃあ、カーナビは良いから、私の言う通りに走ってみましょう。

 

すみません、、、。

 

小さくなって、汗だくになっている運転手さん。

可哀そうになって、箱崎インターの入り口まで私が誘導して、

やっと首都高に乗った時の安堵感ときたるやです。

 

もう大丈夫です。すみませんでしたと運転手さん。

 

その後、こちらもまた会社の同僚とLINEでやり取りがあって、

しばらくスマホをいじっていたんですが、

顔をあげて、

新人さんって、何カ月?1カ月くらいですか?と聞いてみると、

 

一人での営業は、今日が初日なんです、、、、、。

 

しょ、初日かいっ!

 

昨日まで、上司が横に乗っていて、、、、。

今日から一人での営業で、すみませんっ。。。

 

はぁーーーーそういうことかいと、妙に納得。

 

首都高から京葉道路に入ったころ、運転手さんもだいぶ落ち着いたようで、

口調にも落ち着きが戻っていました。

 

こんな運転をしてしまって、本当にすみません。

怒鳴るようなお客さんも多いのに、何でそんなに優しいのですか?

 

怒鳴って、運転手さんを動揺させて、

万が一、事故になったら大変、

一緒にあの世に行きたくないもの、

あはははと笑う私。

 

それにしても、初日に遠距離客を乗せられて、あなたビキナーズラックねー。

 

はい!本当に!ありがとうございます!!!

初日の売り上げ、自信を持って事務所に帰れます!

 

無事に目的地の我が家に到着。

 

運転には十分気を付けて、これからいろんなお客さんを乗せるだろうけど、頑張ってね!

 

ありがとうございます!

マスクの下は、満面の笑顔なんだろうなーと思いながら、

車を降りました。

 

後日、この話を友達にしたら、そんなタクシーに乗ったら、

速攻で降りるわ~と言われましたが、

お代が会社のタクシーチケットを使わせてもらっていて、

こちらも心に余裕があったからですかね(笑)

 

一人目の門出の日の前日だった運転手さん、

二人目の初日営業の日だった新人の運転手さん、

 

私が忘れられないタクシー運転手さんですが、

二人のドライバー人生に、ちょっとでも記憶に残っているお客さんだったら良いなーと思っているのでした。

 

今日もどこかを走っているかなぁ・・・・

ガンバレ、運転手さん。