私のまわりで起きた出来事『和みのドーナツ』のショートストーリーを
今年の5月に皆さんに読んでいただきましたが、
今回は、さらにさらにさかのぼって、時は20年前。
会社の仲間と年に数回、海外旅行していたころの出来事です。
登場人物のAちゃんは、会社の先輩。
舞台は、フランス🇫🇷 パリ。
そこで起きたちょっと怖い出来事のお話です。
では、あっという間の短いお話ですが(笑)
良かったら、読んでみてくださいね。
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タイトル
🇫🇷『ホテルリッツの怪』
時差ボケで眠りが浅い。
意識が段々はっきりしてきたところで、私は笑い声を耳にして目を開けた。
思わず、時計を見みると
深夜2時過ぎ、
1時にベッドに入ったのを覚えているから、
1時間しか寝ていないことになる。
日本は、午前10時頃だろうか・・・、はっきりしない頭で時差を計算する。
それにしても隣りで寝ているはずのAちゃんが声をあげて笑っている。
寝ぼけて笑っているのか、声をかけてみる。
ここパリのヴァンドーム広場にあるホテルリッツは、
歴史も古く、格式の高いホテルである。
このホテルに宿泊できた私達は、相当ラッキーだったと思うが、
調度品や装飾品、サービス、宿泊客も超一流だ。
故ダイアナ元妃がハロッズの御曹司と最後に食事をしたあのホテル。
回転ドアから出ていった故ダイアナ元妃の白黒映像を皆さん覚えているだろうか。
アジアの近代的なホテルに泊まりなれている私達には、
この歴史の古いホテルに馴染むのにちょっと時間がかった。
私達の部屋は、天井も高くかなり広い。
ベッドは二つくっついてダブルベッドにされており、
壁には茶色くなった大きな古いタぺストリーが架かっている。
深夜2時過ぎ、隣で寝ていたはずのAちゃんに声をかけた。
彼女は、まだ一人で大きな声を出して、笑っている。
ス:”Aちゃん、何・・・?”
A:”これスーちゃんの手・・・・だよね?”
( やはり寝ぼけている?)
ス:”手? 私の手は、ここにあるよ・・・”(゜-゜)
A :” え゛っ!?( ゚д゚)
じゃあこの手は一体・・・・。”
恐怖に慄いたAちゃんの声・・・。
一体、Aちゃんは、誰の手を握っているのか。
私の頭の中には、フランス革命で斬首刑になった人々のことやら、
パリではたくさんの人が死んでいるから、
もしかして・・・このホテルにも何か出るのか・・・、
ボケている頭で必死に考えてみた。
暗い部屋の中では、答えは分からない。
ええいっと起き上がってみる。
するとまた、けたたましくAちゃんが笑いだすではないか。
A:”あ、あたしの手だ・・・”
ス:”えええーーーーっ? どういうこと?”
段々暗さに目がなれてきた。
Aちゃんいわく、片方の手が何らかの原因で、感覚がないぐらい痺れていたそうだ。
もう一方の手で触っても感覚がなく、手はふにゃふにゃと自分の方に倒れてき て、
てっきり私の手だと思ったらしい。
てことは、あの笑いは、スーちゃんたら、寝相が悪い!
こっちまで侵入して・・・と一人で笑っていたのか。
(それはそれでまたおかしいんだが・・・)
その後、二人で笑いが止まらぬまま、またいつのまにか眠りに落ちたのだっ た。
自分の手で恐怖に陥るとは・・・・恐るべし、Aちゃん。。
Aちゃんとの旅は、このような笑いの連続なのである。
おしまい
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このパリのホテルリッツは、泊ったことがある方は分かると思うのですが、
すごーーーく歴史が古く、趣きのある建物ですから、
本当に何か出そうな気がしてくるホテルなんです。
そんな中での大爆笑の出来事。
20年経った今でも、思い出して笑えます。
今回、20年前に打った文章をちょっとだけ手直してして復活でした。
あーーー、Aちゃんとまた旅がしたいです。