
男はつらいよの世界を読みました。
まだ、全部は読み終わっていませんが、寅さんの映画を見ている私にとっては、とても面白い本です。
これは、映画好きな国語の先生が書かれた本です。
極端に言うと、本物の映画より、この本の方が面白いくらいです。
もちろん、映画を知っているからその情景が思い浮かぶので、余計に面白いのでしょうが、
それにしても、この本は上手いです。
寅さんのテーマは、放浪と定住の対比にあるということが書かれていました。
それは、多くの人が感じることですが、ありふれた日常からすると旅への憧れがあり、
寅さんはいいなあと思います。しかし、旅暮らしの寅さんには、定住への憧れがあるのです。
どちらも憧れる。しかし、どちらもそうしている側は、それほどのものではない。
これは、何なのでしょうね。
旅は、たまにするから、楽しいのであって、住む家のない放浪とは違う。
帰ってきて、やっぱり家がいいねえと思うのが、旅の良さかもしれないと思ったりします。
非日常の楽しみ、それが旅ではないかと。
寅さんにとっては、旅が日常なのだから、寅屋へ帰って来た時は、非日常なのでしょう。
だから、やはり、日常へ帰っていく。
私は、寅さんの分析をするほど、よく知ってはいませんが、48作全部見て、寅さんを語ってみたくなりました。
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この本を読んでいて、二つのことを対比することについて、芸術の面で考えたくなりました。
しかし、それは、いまここで書く訳にはいきません。それは、膨大な量になりそうだからです。
いずれ本にしてみたいと思います。