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Mさんが、この100号の油絵を秋の展覧会に向けて制作しています。
この絵は、昨年の一水会展に出品するために構図の研究をしたものですが、今の状態は、その研究とは程遠い状態になっています。問題は、私以外の人のアドバイスを聞いて、それに従って直してしまうからです。
「縦絵は、縦の流れ」という私のセオリーがあるのですが、それが全く無視されました。
人物を描く場合、全身を入れるなら縦絵になるのは、ほぼ当たり前ですが、それでも、絵全体に縦の流れがある方が良いと考えます。
今の状態は、問題点があり過ぎです。一つ一つ確認して直してくださいと話しました。
まず、左上の小さな額は、0点です。空いた空間にしかたなく埋めたように感じます。
入り方が丁度良過ぎます。また、とても貧弱に感じます。
それまで、置いてあった植物が削られたので、棚の上のラインが強く出て来ました。横の直線が目立ち過ぎています。
背景の布とスカートの色が似過ぎています。
左側にたらした布が垂れ過ぎです。
その茶色っぽい色が、肌の色と似過ぎていて、気持ち悪いです。
背景の布の柄も、気が効かないで、ただあるだけです。
どこか一部であっても、その場所を見たらそれなりにいいなあと思える部分が欲しいと思います。
それが、ありません。
実は、膝の上の手がすごくよく描けていたのですが、それをダメにしてしまいました。
なぜ、上手く行っている部分をそのまま生かさないのでしょうか。
スカートの形が固すぎてダメだと言われたと言って、自分で勝手に作り変えて来ました。
足の形を感じさせたかったようですが、それ以外の部分がつじつまが合わなくなりました。
右からの強烈な光があって、影がとてもはっきりしているモデルですが、それが見えない部分までよく描きすぎてしまいました。
大きな明暗の組み立てができないと、どうも勝手に見せたい部分が目立ってきて、どこもかしこも見せたい絵になってしまいます。
あり過ぎて、書き切れませんが、とにかくこれでは、とてもどこの展覧会に出してもダメなので、ほとんど全てやりなおし状態です。
どこまで、直せるかまた一からやりなおすつもりで、アドバイスしていきます。