先日送ってもらった「マッコウクジラの歯」です。
大きい歯だと20cmほどにもなります。こちらは小さめで10cm程。マッコウクジラは
下アゴにしか歯がありませんが(上あごの歯は埋没していて表面にはでてこない)
鯨類の歯は食性によって大きさ、形、本数が異なっていると考えられています。
これは「ハナゴンドウクジラ」の歯です。マッコウクジラと同じように下アゴにしか
歯がありません。どちらの種もイカを主食としていて、食べる際には吸い込むような感じで
食べるので獲物をキャッチしたりする為の歯を持たなくてもよいと考えられています。
これは「ハンドウイルカ」の歯。主に魚を主食としている為、餌を捕る時はくわえて
キャッチしなければならない事から上下のアゴにはたくさんの歯が並んでいます。
これは「コビレゴンドウ」の歯なのですが、ハンドウよりも少し太めの形状をしています。
こちらも魚を主食としているが、他のゴンドウクジラの仲間のオキゴンドウやユメゴンドウと
同じように魚以外に哺乳類も捕食するのでさらに太めの歯で数も少なくなっています。
その他、沿岸域で生息するスナメリなどの仲間の歯はしゃもじの様な形状をし、
特殊な歯では扇型や銀杏の葉っぱのようは形状の歯をもつ種類もいます。
これらは学生たちに直に触れてもらう為に個人的に集めています。
ここで一つ、鯨類の年齢に関する豆知識をご紹介したいと思います。
ヒゲクジラとハクジラにはそれぞれ、体のある部分に年齢を知る
手がかりがあります。それはどこにあると思いますか???
ハクジラは今日ご紹介した「歯(断面)」に年齢を示す層が現れます。そうするとヒゲクジラは
ヒゲに?ということになりますが…これよりもさらに正確に表れる部位があります。
それは「耳垢(みみあか)」なんです!鯨類は水中生活への適応により、耳介(耳たぶ)は
失われ外耳道は塞がっているのですが、ここに溜まっていく耳垢の断面にできる層により
年齢を知る事ができるのです。
どうでしたか?みなさん、「へぇ~」といった感じでしょうか?(笑)
ご家族や恋人、友人にちょっと自慢げにお話してみてはいかがでしょうか?