sugger's blog@三宅島

三宅島に移住して18年目になりました。
自然ガイドHitomiが島暮らしのことや三宅島の魅力をお届けします♡

食性によって違う?

2006年06月13日 | 鯨類


 

先日送ってもらった「マッコウクジラの歯」です。
大きい歯だと20cmほどにもなります。こちらは小さめで10cm程。マッコウクジラは
下アゴにしか歯がありませんが(上あごの歯は埋没していて表面にはでてこない)
鯨類の歯は食性によって大きさ、形、本数が異なっていると考えられています。



 
これは「ハナゴンドウクジラ」の歯です。マッコウクジラと同じように下アゴにしか
歯がありません。どちらの種もイカを主食としていて、食べる際には吸い込むような感じで
食べるので獲物をキャッチしたりする為の歯を持たなくてもよいと考えられています。

 

これは「ハンドウイルカ」の歯。主に魚を主食としている為、餌を捕る時はくわえて
キャッチしなければならない事から上下のアゴにはたくさんの歯が並んでいます。

 

これは「コビレゴンドウ」の歯なのですが、ハンドウよりも少し太めの形状をしています。
こちらも魚を主食としているが、他のゴンドウクジラの仲間のオキゴンドウやユメゴンドウと
同じように魚以外に哺乳類も捕食するのでさらに太めの歯で数も少なくなっています。
その他、沿岸域で生息するスナメリなどの仲間の歯はしゃもじの様な形状をし、
特殊な歯では扇型や銀杏の葉っぱのようは形状の歯をもつ種類もいます。
これらは学生たちに直に触れてもらう為に個人的に集めています。
 
ここで一つ、鯨類の年齢に関する豆知識をご紹介したいと思います。
 
ヒゲクジラとハクジラにはそれぞれ、体のある部分に年齢を知る
手がかりがあります。それはどこにあると思いますか???


ハクジラは今日ご紹介した「歯(断面)」に年齢を示す層が現れます。そうするとヒゲクジラは
ヒゲに?ということになりますが…これよりもさらに正確に表れる部位があります。
それは「耳垢(みみあか)」なんです!鯨類は水中生活への適応により、耳介(耳たぶ)は
失われ外耳道は塞がっているのですが、ここに溜まっていく耳垢の断面にできる層により
年齢を知る事ができるのです。

どうでしたか?みなさん、「へぇ~」といった感じでしょうか?(笑)
ご家族や恋人、友人にちょっと自慢げにお話してみてはいかがでしょうか?

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クジラにヒゲがある???

2006年06月12日 | 鯨類

先週末、公私共に親しい方から「クジラのヒゲ板」「マッコウクジラの歯」
が届きました!

クジラにヒゲがある???そうなんです。ヒゲがあるんです!
(正しくはヒゲ板)といっても、人のように口の周りあるのではなく、
口の中にあるんです。
世界中には84種類もの鯨類が存在しますが「クジラ目」には
大きく分けて2種類に分かれます。
ひとつは口の中に歯を持つ「ハクジラ亜目」マッコウクジラや
小型イルカがこれに属しもうひとつは口の中にヒゲ板をもつ
「ヒゲクジラ亜目」で大型のクジラがここに属します。 
今回届いたのがこれです。



上が「シロナガスクジラ」で下が「ナガスクジラ」のヒゲ板です。
これらのヒゲ板は1mほどあります。種類によって長さは違いますが、
30cmほどのものから4mにも達するヒゲ板を持っている種もいます。
このヒゲ板は歯と同じ役割を果たしていて、ヒゲクジラ亜目に属する
クジラは主にオキアミなどの動物プランクトンを主食としているため、
このヒゲ板のふさ毛の部分にからまった甲殻類だけを漉し取って
食べているのです。

 

地球上最大の生物でもある「シロナガスクジラ」の主食は数cmの
「オキアミ」ですが、あんな巨体を支えているのがオキアミだと思うと
自然ってほんと不思議ですね~。
コメント (4)
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何イルカなの???

2006年06月10日 | 鯨類

昨日、ケラマ諸島で働いている教え子(また別の…)からメールがあり、
朝から島の湾内にイルカが迷い込んできたとの事。
画像を添付してくれたので同定してみることにしました。
その時の画像がこれ。

 

教え子はマイルカですか?と聞いてきたのですが、
マイルカの体側面には独特のクリーム色か黄味がかった
褐色の体色があるので違う。しかし、ハシナガイルカにしては
背中の斑紋が少し違うし、背ビレの形状も違う・・・。
マダライルカかな?
しかし、この画像からは体表にある斑点が分からないし・・・。

そこで、公私共に親しい鯨類調査をされているS氏に見てもらうことに。
 S氏曰く「マダラじゃないかな?」との事。後に「99%マダライルカだと」
識別してもらえました。 ここんとこ、沖縄本島や久米島などでも湾内に
マダライルカが迷入しているようで、○島では教え子がカメラを持って
海に入った所、1頭のマダライルカが(朝には3頭いたそうです)ずっと
周りをぐるぐると回っていて、海藻などをヒレに引っ掛けて泳いでいたようです。 
後に再び画像を送ってくれました。

 

この画像ではかすかに側面や腹部に斑点がみられ100%に
近い確立で「マダライルカ」と同定する事ができました。
日本は島国なのであちらこちらで大型クジラから小型イルカまで
様々な種類に出会うことができますね。小さな島で野生イルカと
一緒に泳ぐ事ができた彼女はつかの間の楽しい時間を過ごしたようでした♪

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たくましい彼女

2006年06月09日 | 鯨類

昨日は前の専門学校の教え子が調査船での航海を終えて
帰ってきたので会いました。

彼女はボイッシュで小柄な体格であるが、精神的にも体力的
にもとても「たくましい娘」なのです。その彼女が4月末から
はえ縄漁によるアホウドリの混獲調査に師匠のS氏と岩手
から1ヶ月の航海に出ていました。

 

うちの学生も静岡から別の調査船に乗り、同じくはえ縄による
海がめの混獲調査に1ヶ月間研修で行ってましたがたくさんの
乗組員の皆さんの中で紅一点。そうなかなか経験できる事
ではないですよね?!
 彼女は学生の頃から小笠原諸島や屋久島、ケラマ諸島、太地町と
各地で今でもウミガメの調査、ホエールウォッチングガイド、小型捕鯨
による調査などをタフにこなせる自慢の教え子です。
いつも目がなくなるほどケラケラと笑い、体力には誰よりも自信があると
豪語している姿は卒業してからも変わらず健在!さすがk!
彼女のタフさには頭が上がりません(汗)
今回もとても興味ある話をたくさんしてくれました。

その中でも、ひときわ面白かった話が、船内のお風呂の話。
離岸してからは一度も港に帰って来ない為、真水はとても
貴重でシャワーは海水で湯船はなんと縦長だそうな!
1mぐらいの高さで人が1人縦に入れる細長い形になっているんですって!
航海中時化てたりすると湯船の水が揺れて流れてしまいますものね。
衝撃的でした(笑)

あと、生活サイクルがとても凄まじいスケジュールになっていて、
朝3時半起きで4時から朝食(きびしい!)5時から昨夜仕掛けた
縄を上げ、10時に昼食。その後データー整理などをこなして3時に夕食・・・。
(早すぎ!)すごくないですか?!
乗組員の方を含めみなさんは10時に昼食を食べて体も動かして
いないのに3時の夕食がとても憂鬱だったそうです(笑)
岩手から小笠原諸島近くの鳥島あたりまでの航海でたくさんの
鯨類も見れたそうです。
 
・マッコウクジラ
・シャチ・サラワクイルカ
・ハシナガイルカ
・マダライルカ
・マイルカ
・ハナゴンドウクジラ
・イシイルカ(リクゼン型)

これだけみれたら航海も楽しそうですね♪
はえ縄にかかるサメなどにタグ(標識)を打ったりデーターを
記録したり、男顔負けの体力と精神力のもと無事に何事もなく
帰って来てくれました。まだまだ知らない世界がたくさんあり、
話も尽きないまま数時間が過ぎ、貴重な話が聞けました。


 

岩手の銘菓「ミニかもめの玉子」とてもおいしかったよ。
ごちそうさまでした。Kありがとね~!
これからまた炎天下の中、深夜の暗闇の中、ウミガメの
ために頑張ってきてね!応援しています!!

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命名!

2006年06月07日 | いきものたち


昨日、隣の子から譲り受けたカメの名前を今日近所の子供たちとミーティングして決めました!

「カメ吉」「カメ太郎」「カメオ」などありきたりな名前が先行したのでカメという言葉を入れない名前で
考えてみようという事になり「かーくん」「ガメラ」「プラちゃん」うちのボン(犬)にちなんで「ポン」など
いろんな案がでました。

子供たちといろいろ検討した結果、ついに名前が決まりました!!!

『ヒカル』です。

甲羅がピカピカ光っているからということでした!

これからヒカルもsugger's familyの一員として生活します。
みなさんよろしくおねがいします!
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