睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

私の本棚:「堕落論」と「日本人とユダヤ人」

2010-11-07 06:18:16 | 本棚・思想・禅と仏教
夜明け前2010/11/07 am5:40CASIO EXILIM EX-Z850 この二冊の本は昭和20年と46年に書かれたもの、10年に一度くらいは読み返して思いを新たにする。「堕落論」 著者:坂口安吾ISBN4-04-110003-8 坂口安吾を知ったのは中学1年のとき。叔母の本棚にある文学全集はあらかた読み尽くし古典に飽きたころ学校の図書室で見つけ堕落にひそかな憧れを感じて借りた本だ . . . 本文を読む

柿の実三部と語録(好きな言葉と出典)とビーチパラソル

2010-10-30 06:06:22 | 本棚・思想・禅と仏教
柿の実 わずか5分の通勤途中、ちいさな家の柿の木に実がなった気づいた時はすでに赤く熟し、手が届きそうな高さに色づいていた。 柿の実がちいさな青い果実のときはそれに気づかず通りすぎていた触れなば落ちん風情になって初めて目に触れた人間もこうだろうか、自分もまだ、青いだろうか。柿の実ひとつ 葉の落ちた柿の木に残る柿の実ひとつ「青さ」を問うた、あの柿の実だ 寒風にあらがい、枝にしがみつくのはなぜだ . . . 本文を読む

私の本棚:「サンダカン八番娼館」と「五体投地」と「深い河」

2010-10-26 06:14:12 | 本棚・思想・禅と仏教
厚い雲に覆われた今朝の空東南の一角を切り裂くようにもれる朝陽2010/10/25 am5:40 心の鈴が鳴るとき 「サンダカン八番娼館」 著作:山崎明子かなり前に読んだ本なのでうろ覚えですが、とても印象的なシーンがある。この本の主人公はボルネオ帰りの年老いた元娼婦です。山崎さんは女性史の取材のため自分の身分を隠し主人公の元を訪れた。 主人公は戦争中の厳しい生活の口減らしのために身体を売り . . . 本文を読む

集中力と平常心を養う写経「般若心経」

2010-10-22 06:14:37 | 本棚・思想・禅と仏教
ぺんてる筆ペン(極細)で書いてます2010/10/21 pm12:30CASIO EXILIM CA005 3/1より昼休みにコツコツ書いて今日で六巻(かん)になった。(お経は一枚の紙でも「巻」と数える)一日に一行書くのに精一杯だったり、一巻を30分で書いたり、3ヶ月ほったらかしにしたり...でも気力だけは保っている。10巻になったらどこかのお寺に納経する。去年は秩父をぶらりと廻ったから、今 . . . 本文を読む

満月の夜に・・・モリアオガエルと白い蝶々と草野心平

2010-08-26 05:26:52 | 本棚・思想・禅と仏教
白い妖精みたいな蝶々Cannon EOS Kiss X4 ガラス水槽のモリアオガエルの子が逃走したもよう。8/22(日)には岩をよじ登る練習(?)をしていたのに昨日(8/25)の夜はもういなかった。尻尾が出てるまま裏山にお帰りか?  阿武隈カエル図鑑(9)より引用  変態直後のモリアオガエルの子は、1日ほど低木の草の上などでぼーっとしている。  このときが唯一の撮影チャンスで、この後はすぐに . . . 本文を読む

眠れぬ夏の夜に怪談「牡丹灯篭」の感想など

2010-08-04 00:03:21 | 本棚・思想・禅と仏教
浪人に絡まれた武家娘の「お露(佳那晃子)」を助けた萩原新三郎(林与一)は亡き妻にうりふたつな武家娘と身分違いな恋に落ちる。お露は父の決めた縁談を断ったことで父の逆鱗に触れ侍女もろとも父に切り殺された。旗本の当家はこの不祥事によりお家取り潰し、当主は切腹に果てた。牡丹灯篭をかざした侍女を連れ、夜毎に新三郎の元に通う幽霊のお露。それとは知らずに、夜毎、幽霊のお露と契りを交す新三郎。毎夜のカラン、コロン . . . 本文を読む

開高健の「巨大魚イトウは自分自身」

2010-07-30 02:03:07 | 本棚・思想・禅と仏教
「巨大魚イトウは自分自身」そう言い放ってはばからない小説家・開高健のドキュメント番組を見た。以前にCS277旅チャンネルで放映された「モンゴル大紀行・巨大魚を追う」(たしか、このようなタイトルだったと思う)モンゴル平原をひた走る列車の窓から過ぎ去る風景を見ながら、彼は、「草、ひたすら草。この草でもってヨーローッパまで行ってしまったんですなぁ。たいしたもんですなあ・・・」あの少し裏返り気味の甲高い声 . . . 本文を読む

相田みつを氏の「五観の偈」とパステルナークの「有名であることは」

2010-01-17 06:25:56 | 本棚・思想・禅と仏教
相田みつを氏と武井哲応老師(曹洞宗)との出逢いは昭和17年に某寺で行われた短歌の会だった。のちに「運命的な出逢い」と彼に言わしめた何かがこの一会に生まれた。これより「正法眼蔵随聞記(しょうぼうげんぞうずいもんき)」を座右の書とし、生涯を在家信者として曹洞禅(道元禅)に生きた。 彼には「五観の偈(ごかんのげ)」ともいうべき固い決意があった。一、お習字の先生をやめる二、書家でなくてもいい三、詩人や歌人 . . . 本文を読む

分水嶺と伊集院静氏の「二日酔い主義」

2009-11-27 06:43:33 | 本棚・思想・禅と仏教
「夏目雅子・没14年目」のビデオを見ていた。(1985/9/11 満27歳没)急性骨髄性白血病で夭逝したと思っていたが直接の原因は肺炎だった。一度はかんかい(治癒)したと伝えられ、退院のメドが立ってからの急変は、こんなことがあっていいものかという気分。伊集院静氏を慕いつづけた夏目雅子の「純情」がね、身につまされた。彼女が病床に伏してからというもの、伊集院氏はすべての仕事を辞めつきっきりの看病に明け . . . 本文を読む

モウコハンの色

2009-11-03 11:34:10 | 本棚・思想・禅と仏教
写経会は日曜の朝8時から初めて写経会行った時、定刻の10分前に着けばいいくらいの軽いノリで行ったらとんでもないことでした。本堂横の二間続きの部屋に正座された先人たちは、すでに墨も磨りおわり、写経用紙を整えられ、方丈さんの入場と同時に筆を持てる準備をされていた。踵を返して出直したい気持ちと戦いながら空いている席を見渡した。方丈さんの机の前にひとつだけ空きがある、ここに座れということか...。覚悟を決 . . . 本文を読む