睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

千衣子その後(2)

2009-08-16 05:26:18 | 屋外メダカの夏



2日後の夕方、千衣子が入院しているペット病院に電話をかけた。
「明日は何時ごろ迎えにいけばいいですか?」
「この子はもうサカリが来ていたのでオペに手間取りました、もう一日様子を
看て明後日の午後でしたら退院できますよ」と呑気そうに応えるドクターの声。

えっ?、そんなハナシは聞いてない。
ひとまず「分りました、よろしくお願いします」、内心むっとしながら電話を切った。
千衣子の顔を見るまでの四日間というもの、ドクターに毒づいたり、千衣子の身を
案じたり、抜糸はしなくていいのか・・・などなど気をもんだ。

退院の日、自宅に千衣子のベッドを用意してから迎えに行った。
受付で迎えにきたと云うと、と奥のケージから千衣子を抱いた看護婦さんが現れた。
お腹の周りの毛が剃られ真ん中に1本痛々しい縫合線がみえている。
ドクターいわく、「抜糸がいらない糸と縫ってあるから、自宅で何日か静養すればすぐに
元に戻りますよ」とのことだった。

お腹を上にして優しく千衣子を抱きながらそっとケージに入れる。
マンションについて玄関にケージを下ろしたとき、それまで無言だった千衣子が鳴いた。
自宅に戻ったことがわかったみたい。そっとベッドに寝かしたらすぐ寝入った。
目が覚めてからもう足元にまとわりついて離れない。
可愛いやら、うるさいやら、彼女の心の動きがよくわかる。可愛い。

あれから獣医さんにかかることもなく千衣子はもうすぐ満8歳になる。
去年の暮れに血尿と下痢がひどくて気をもんだが3ヶ月の食事療法で全快した。
今は何事もなくわが世の春を謳歌している。

この画像はその年の暮れ、シクラメンに興奮する千衣子。





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