睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

活字の記憶

2010-01-16 06:47:29 | 逝ける人々



週に一度しかない休日前はネットより活字、

ふとした拍子に甦った「活字」の記憶を納戸の本の中から探しまくる。

昭和初期の"戦中・戦後"が育てた人たち
サンスポの石原慎太郎氏と篠田正浩氏の対談は、もろに時代の息吹。
彼らの短いセリフが描き出す風景と時代を育てた背景との整合性にぞくぞくする。
無為にヨワイを重ねてないご両人はいまだ少年のまま。
衰えない情熱は善悪を超え、正負など薄紙の上下、ひとしずくの水滴で穴があく。

お金は魅力的な悪魔
楚々として汚れを知らぬ(ような)少女が中年男をたぶらかす、
古い新聞を読んでいてハハハと笑ったが、さても、したたかな女だ。

使っても減るもんじゃないし、赤ちゃんを産むよりお金を生みたいと、
・・・ま、そりゃそうだ。
墮ちるところまで墜ちたらいい。
Christmas Carolは過ぎ、蜘蛛の糸の定員は"いちにん"なんだから。

十三回忌の案内状
従兄からきた案内状の筆文字を見て、亡き伯父の手を懐かしんだ。
筆文字のハネのひとつまでよく似てる。 

私は生前の叔父が苦手だった。
人を射すくめるような厳しい顔と情愛のかけらも
感じられない潔癖すぎる眼がイヤだった。
身内に笑顔を忘れた叔父。

13年前の秋、
柩に横たわる叔父の穏やかな死に顔を見て、
柩にとりすがって泣く多くの友人らの姿を見て、
自分の不明を恥じた。
享年72歳、この年代のニンゲンは役者だのぅ。




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