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北海道の秋サケ漁獲量 9月末で684万尾で前年の6割

2017-10-07 17:34:03 | ニュース

 北海道沿岸で漁獲される秋サケ定置網漁は、ピークを迎えているが、漁獲は伸びず、不漁だった昨年の6割程度にとどまっている。

 道連合海区漁業調整委員会の速報によると、9月末の秋サケ漁獲量は、684万尾で前年同期の(1151万尾)に比べ4割、467万尾のダウン。推定トン数重量は2万4300㌧。㎏単価が1000円に近いため、金額は233億円と前年(230億円)をわずかながら上回った。

 今シーズンの秋サケ定置網漁は、不漁予測の上に、台風18号の被害が出るなど、低調なスタート。9月の漁獲の推移は、上旬が106万尾(前年同期154万尾)、中旬が203万尾(同456万尾)、下旬が375万尾(同541万尾)となっており、前年同様に9月下旬〜10月上旬にピークが来るものと考えられる。

 昨年の10月の漁獲は、上旬が515万尾、中旬が348万尾、下旬が176万尾、さらに11月は月間で152万尾に終わっている。このペースで前年の6割という今年の漁獲を予測すると、10月上旬で309万尾、中旬で209万尾、下旬で106万尾で計624万尾、さらに11月が91万尾となる。これらの合計は1400万尾で、前年の11月末累計(2190万尾)に対し64%となる。

 1400万尾をトン数重量で換算(平均目回り3.5㎏)すると、4万9千㌧、㎏1000円として490億円という予想が成り立つ。これでもやや高めの数字で、今後の状況しだいでは予断を許さない。

 極端な不漁による魚価高で、加工は赤字覚悟で原料を買っており、採算割に悩まされている。秋サケの生鮮(生フィーレ、切り身)、塩蔵(新巻、山漬含む)、魚卵(イクラ、筋子)の製品はいずれも高値が予想され、年末まで価格が下がることは考えられない。しかし、超高値が消費流通にどう影響するのか。市場が縮小し魚離れがさらに進む怖れも十分ある。