水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

新型コロナ緊急事態宣言受け5月6日まで「集中対策」

2020-04-10 10:24:48 | ニュース

 国の緊急事態宣言を受け、鈴木知事は5月6日まで新型コロナ感染症集中対策期間に設定し、これまでの感染防止策を徹底するよう要請した。道民に手洗いと咳愛エチケットの徹底、外出する際の三つの事項の確認、集団感染の要因となる「三つの密」を避ける取り組みを改めて呼びかけている。

 また、他地域からの来道者には「2週間は自分の体調に十分注意し、不要不急の外出を控える」よう求めている。

 今後の外出自粛要請の判断指標として「新規感染者が連続して二桁の日が発生」「直近1週間とその1週間前のデータを比較し増加基調を確認」「新規感染者の多数がリンク不明」の3点を明らかにした。


新型コロナウイルス感染症緊急経済対策(水産補正) 特定水産物供給平準化32億円

2020-04-10 10:23:07 | ニュース

 政府は7日、緊急事態宣言を発出するとともに、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を閣議決定した。

 緊急経済対策の事業規模は108.2兆円、財政支出39.5兆円、令和2年度補正予算16.7兆円(一般会計)となっており、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、治癒薬の開発、雇用の維持と事業の継続などを柱となっている。

 これに伴う農林水産省の補正予算は、総額5,448億円。このうち水産関係は「1漁業者の事業継続・雇用維持」に必要な①経営維持・再建のための資金繰りの確保に32億円を計上し、漁業経営の維持・再編に必要な資金(農林漁業セーフティネット資金、漁業近代化資金、漁業経営維持安定資金など)の実質無利子・無担保化を図る。漁業者の資金繰りに支障が出ないよう金融機関に対し、適時・適切な貸出、担保徴収の弾力化、既往債務の返済猶予などの条件変更への対応を要請している。

 また②漁業収入安定対策の拡充などに102億円を計上し、外食需要の減少などによる影響に直面している漁業者の経営を支えるため、積立ぷらすの基金の積み増しを行うとともに、積立ぷらすの仮払いおよび積立猶予を行う。

 さらに③特定水産物供給平準化事業に32億円を計上し、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける魚種の過剰供給分を買取・保管する際の買取資金、保管量などを支援する。

 ④入国規制による外国人材の不足などに対応した労働力の確保に3億円を計上し、漁業や水産加工業における作業経験者などの人材を確保するための取り組みや遠洋漁船において現在雇用されている外国人船員の継続雇用などを支援する。

 このほかに「雇用調整助成金の拡充等」(厚労省)、「事業継続が困難な中小・小規模事業者等への支援」(経産省)も漁業者・水産加工業者による活用が可能となっている。

 「2水産物の販売促進、飲食業の需要喚起」に必要な①需要が減退している水産物の販売促進(1,400億円の内数)として産直ネット販売や学校給食への提供など漁業者団体、業界団体および都道府県などによる水産物の販売促進、水産物の需要を喚起するための広報活動を支援する。②〝GoTo〟キャンペーンによる需要喚起(1兆6,794億円の内数)として観光・運輸業、飲食業などに対し新型コロナウイルス感染症の収束後6ヵ月程度、政府一体の取り組みの一環としてオンライン予約のクーポン付与、割引食事券の発行などの需要喚起策を実施する。

 「3水産物の輸出の維持・促進」に必要な新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を踏まえた輸出の維持・促進(147億円の内数)を図るため、家庭食の輸出増加や新規・有望市場でのシェア獲得などに必要な物流に対する支援、食品製造設備等の整備・導入支援、商談・プロモーションの支援などに取り組む。


道議会水産林務委員会で本道からの水産物輸出動向を説明

2020-04-10 10:20:03 | ニュース

 道議会水産林務委員会(三好雅委員長)が7日開かれ、北海道食の輸出拡大戦略Ⅱ期の推進状況が報告されたほか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う食料安全保障、緊急対策の取りまとめなどで意見を交わした。

 まず佐藤卓也水産林務部長が「秋サケ、サンマ、イカなど本道の主要魚種が減産する厳しい状況にあり、さらに新型コロナウイルスの影響が加わり、漁業者が安心して漁業を営める対策が求められており、しっかり取り組む」と所信を述べ、幹部職員を紹介した。このあと、金崎伸幸水産局長が道産食品の輸出状況を説明した。2019年の道内港からの輸出額は、前年より110億円少ない664億円だった。そのうち、水産物・水産物加工品は538億円で同じく86億円減少した。今期の減少原因は、ホタテが322億円と77億円減少し、特に両貝冷凍品の輸出が盛んな噴火湾の養殖ホタテは前年の6.3万㌧から1.8万㌧に減産し、輸出単価も1割減少した。また、サケ・マスは秋サケ不漁を反映し、34億円と7億円減少した。主な輸出産品のナマコは121億円と前年比1億円減。一方、道産品の道外港からの2018年の輸出額は408億円で、うち水産物・水産物加工品は313億円となっている。

 質疑では、喜多龍一道議(自民・道民会議、十勝地域)が食料の安全保障に対する道の考えを質し「輸出促進のみならず、自給率の観点からの施策も大事にしてほしい」と要望した。

 また、桐木茂雄道議(自民・道民会議、釧路地域)が主要魚種の減産、栽培漁業の推進方向、新型コロナウイルスの感染拡大という変化に対応した水産業・漁村振興推進計画などを質した。佐藤部長は「平成30年3月に策定した推進計画ではヒラメ、ニシンの種苗放流、藻場の造成など資源増大対策を進めてきた。この間の海洋環境の変化、新型コロナウイルス感染拡大により、さらなる生産減少が懸念される。その影響や国の対策を踏まえ、経営資金など一刻も早く緊急対策を取りまとめる」と答えた。


スケソウ操業などロシア漁業にも新型コロナの影響

2020-04-10 10:17:54 | ニュース

 新型コロナウイルスが世界的に流行(パンデミック)する中で、日本と隣接するロシア、輸出先の欧米にも大きな影響が出ている。

 道機船連によると、全ロシア漁業水産物輸出者協会(ヴァルペ)のズベレフ会長は、ロシア政府の新型コロナの拡散防止対策として着業漁船・運搬船への検疫体制よる漁獲能力の低下、アジア市場の製品受け入れの鈍化などにより、ロシア漁業の損失は700億ルーブル(約980億円)に及ぶと明らかにした。同協会はベロウソフ第1副首相に書簡を送り、漁業インフラの財政的安定化のための措置を求めた。ズベロフ会長は、世界的な水産市場の急激な収縮として、中国の陸上加工能力とカニなどの需要低下、韓国でのスケコ販売のオークション中止、ヨーロッパの白身加工工場の閉鎖などを指摘している。

 ロシア漁業庁は3月17日、スケソウ操業部門本部会議を行い漁期開始からのスケソウ漁獲量は70万8500㌧で、前年同期より8%上回っていると報告した。このうち、春季抱卵スケソウ操業(Aシーズン)は、64万㌧500㌧で前年同期を6.8%上回っているが、新型コロナの発生によるメインの仕向け先の中国陸上加工能力の低下に加え、ロシア政府による拡散防止対策により、今後見込まれる漁獲の最大25万㌧を失う可能性があるとロシア・スケソウ漁業者協会が指摘した。ロシア政府は中国ばかりでなく、韓国に寄港した運搬船について衛生、疫学対策のため、ロシアの港への入港を始動しており、これに従った場合、14日間の検疫期間が求められる。ロシアのスケソウ製品の平均価格は㌧当たり1200〜1400ドルで、最大3億5千万ドルの損失が見込まれる。

 ロシアのスケソウ漁業は、洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、陸上加工場でフィレ製品に加工してヨーロッパ市場へ再輸出するのが主流となっている。ところが、新型コロナの影響で中国の加工場は5月まで本格稼働は見込めないと報じられ、中国の水産加工場のフル稼働は労働節(5月1日〜5日)の連休後になると見られるという。

 また、3月中旬に開催予定だった世界3大水産見本市として知られるボストンのシーフード・ショーが新型コロナの影響で延期となった。今年下期か別都市での開催を検討している。

 英国のEU離脱に関わる第2次交渉が中止され、EUの代表が新型コロナに感染、さらに英国のジョンソン首相も感染が明らかになるなど、政治日程はすべてご破算となっている。4〜5月に予定されていた次回交渉のメドが立たず、年内妥結に向けて交渉は一層厳しさを増している。EUは漁業分野の合意を経済分野などの一部と関連付け、英国海域への従前アクセスを求めているが、英国は独立した沿岸国として毎年の漁業交渉により、操業条件を決めると主張している。