水産北海道ブログ

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令和7管理年度ブリTAC設定の意見交換会 初のTAC(ステップ1)10万1,000㌧を提案

2025-01-18 21:56:16 | ニュース

 令和7管理年度(4月〜3月、7月〜6月)からステップ1に入るブリのTAC設定に関する意見交換会が1月17日午後1時30分から東京都千代田区AP市ヶ谷(web併用)で開かれ、最新の資源評価結果を踏まえ、水産庁がブリTACを全国10万1,000㌧と提案し、都道府県、大臣管理の配分数量は設定せず、内数にとどめた。ウェブを含め200人を超える参加者と意見を交わした。
 12月20日に水産研究・教育機構が発表したブリの資源評価では、親魚量が2018年度以降減少したものの、2021年以降は増加傾向にあり、2023年は1994年以降で最高の20.5万㌧となった。2023年の漁獲量は11.4万㌧(日本8.8万㌧、韓国2.5万㌧)。
 MSYを達成するための親魚量である目標管理基準は22万2千㌧、再生産関係において加入量が最大となる親魚量である暫定目標管理基準値は17万9千㌧とした。漁獲シナリオは、暫定管理基準値を採用して調整係数0.95を乗じた漁獲圧力とした。
 水産庁は、管理期間を地域の盛漁期などに合わせ①令和7年4月1日〜8年3月31日と②令和7年7月1日〜8年6月30日の2グループに分け、TACによる採捕停止命令が出ないステップ1・2の間に検討すべき繰入・繰越や融通ルール、留保の取り方、配分方法などの課題をあげ、「柔軟な管理に努める」とした。
 ブリTACと配分案は2月4日の水政審資源管理分科会の諮問・答申を経て決定し、4月からステップ1を開始する。

ゼニガタアザラシ科学委員会 個体数減少から2025年度捕獲頭数20頭に削減 モニタリングの精度向上、防除対策の改善など

2025-01-18 21:50:39 | ニュース


 えりも地区のゼニガタアザラシの管理計画を話し合う令和6年度第2回目の科学委員会が1月16日、札幌市北区の会議室(ウェブ併催)で開かれ、2024年度の結果を踏まえ、新年度の管理事業実施計画を話し合った。
2025年度から5年間の「えりも地域ゼニガタアザラシ特定希少鳥獣管理計画」(第3期)がスタートするが、昨年11月〜12月に実施したパブコメでは計画案への意見はなかった。しかし、第3期管理計画では漁業被害軽減のため生息推定数を2割削減する目標を踏襲しているが、すでに当初の1,000頭に対し、現状は800頭を大きく割り込み、600頭もしくは半減まで減っているとの推計が出ている。そのため、2025年度の年間の捕獲頭数は前年の62頭(目標、実績同数)から3分の1の20頭に削減する方針が承認された。また、捕獲頭数は順応的管理の観点から毎年度検討し、柔軟にモニタリング技術の向上を受けてより正確な生息頭数の確認、定置網の秋サケの食害を防ぐ防除対策(格子網)の改善、さらに鳥インフルエンザの流行などの急変に年度内の期中改定を行うことが確認された。今後、1月28日にはえりも町で保護管理協議会を開き、第3期計画を最終協議し、2025年度の実施計画を決定する予定。さらに2月4日には中央環境審議会の野生動物小委員会で承認し、官報に告示、関係機関に通知する。
 環境省の尼子直輝総括自然保護管理官は「えりも地域のゼニガタアザラシの個体数は目標としていた2割削減より多く減少しており、漁業被害を軽減しつつ再び絶滅危惧種に戻るこのないよう忌憚のない意見をお願いする」と述べ、松田裕之委員長(横浜国立大学)が座長となって議論を交わし「実施計画は承認されたが、課題が山積しており、8割削減の目標をキープしつつ絶滅リスクの低い管理を行い、個体数の減少に歯止めをかける。捕獲はいつか止めるとしても、漁業被害対策をできないとダメ」とまとめた。出席した坂本好則えりも漁協代表理事組合長は「漁業被害は定置網の残渣から判断しており、サケの来遊が少なくなれば、タコなど他の資源に被害が及ぶ懸念がある。一連の対策で被害が狭い地域に収まっており、ゼニガタアザラシは観光資源でもあり漁業と共存できるよう町と協調したい」と語った。

水産・食料研究会の第151回講演会 気候変動による資源への影響と漁業の対応をテーマに

2025-01-18 21:39:03 | ニュース
水産研究・教育機構の木所底魚資源部副部長

 水産・食料研究会(馬場治会長)の第151回講演会が1月15日、東京都中央区の会議室(ウェブ併催)で開催され、水産研究・教育機構水産資源研究所の木所英昭底魚資源部副部長が『気候変動がもたらす水産資源や漁業への影響と対応〜これからの海と社会の変化に向けて〜』をテーマに現状と課題を報告し、50人余りの参加者が熱心に聞いた。
 馬場会長が「以前から気候変動への対応は検討され。水産分野でも検討されたが、あまり進んでいるとは思えない。災害の激甚化で保険・共済が成り立たない状況になっている。気候変動の影響は漁業・養殖ではかなり短期間で出ることが予想され、漁業経営の継続が心配される」と挨拶した。
 さっそく木所副部長が気候変動・海洋環境の変化と水産資源の応答をとりあげ、①魚種交代、レジームシフトなど数十年規模の変化(周期的な海洋環境変動)、②気候変動・温暖化による変化(長期的な水温上昇)、③短期・局地的な海洋環境の変化に整理し、「様々な時空間スケールが関与し、温暖化の影響ばかりではない」「要因を明確化しての対応が有効となる」とした。
 周期的な海洋環境変動は、かつてのような温暖期はスルメイカ、カタクチイワシが増え、寒冷期はマイワシが増えるという水温の変化だけでは予測ができない。気候変動の影響で、北海道でブリが急増し、日本海でサワラが急増しており、地域ブランド化など有効利用のため、今後の安定来遊が課題となっている。最後に「海洋環境(温暖化、魚種交代)によって獲れる魚・食べる魚が変わってくる。水産業・消費者も長期的・短期的な適応が必要」とまとめた。

2025年(令和7年)1月17日(金)発行/北海道漁協系統通信第6847号

2025-01-18 21:38:14 | 系統通信
第1回北海道豊かな海づくり大会の概要を発表
6月1日、小樽市で式典、ニシン稚魚放流、イベント
全道750人の参加見込み、5月中旬に海浜清掃で意識高める

JF全漁連正副会長が石破首相と面談・要望
アルプス処理水対策の継続、藻場・干潟の保全支援など

令和7年道央・道南ブロック漁業士交流大会
漁業士5名と北大水産サークル「レディ魚ー(ゴー)」が活動報告

「JF共済」2024年12月末実績(4月から累計)
チョコー229億円・伸長率91%、くらし174億円・94%

道機船連の学校給食製品供給実績
札幌市の“統一基準献立導入”の影響で100万食割る