水産北海道ブログ

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道外国貿易概況速報(令和6年分) 水産物の輸出2年連続減、年間567億円(10%減) ホタテなど419億円(5%減)、ASEAN148億円、米国142億円

2025-01-26 21:58:02 | ニュース
 函館税関は1月24日、令和6年分の道外国貿易概況(速報)を取りまとめ、水産物などの減少したものの輸出は2年ぶりのプラス、輸入は石油製品の増加で4年ぶりのマイナスとなったと発表した。水産物の輸出は567億4,600万円、10.4%ダウンと2年連続減少し、減少額は66億1,000万円。主な減少品目の「魚介類の調整品」は59億4,400万円で、中国向けが39億3,900万円減少した。「甲殻類・軟体動物」は5万1,666㌧・419億3,000万円で、数量で16.6%、金額5.2%減となった。地域別ではASEANが148億円(前年比10.2倍)、米国が142億円(同156%)、西欧が45億円(同134%)と伸びた。中国の水産物全面禁輸の影響は緩和されつつあり、今後も輸出先の中国離れが進む可能性が強い。
水産物の輸入も750億400万円と11.6%減少し、円安の影響などで、米国がわずかに増えたほかの主要地域で減少が目立った。
 輸出の主な品目では、甲殻類・軟体動物のほか、サケが8,658㌧(同76%)・45億1,800万円(同77%)と減少し、タラも減っている。
 輸入の主な品目では、サケ・マスが9,294㌧(同124%)・81億8,900万円(同108%)、イカが1万1,749㌧(同108%)・73億3,000万円(同129%)と増え、ウニが8,924㌧(同97.4%)・127億1,300万円(同104.9%)を占めた。カズノコ、カニは減少した。

水産庁が「陸上養殖業の届出件数」(令和7年1月1日現在) 本道24件と前回より2件増、ウニ、サケ・マス、藻類など

2025-01-26 21:57:10 | ニュース
 令和5年4月1日から「陸上養殖業」が届出制になったことを受け、水産庁は前年に続き、令和7年1月1日現在の届出状況を発表した。水産庁が把握している件数は全国で740件と前年の662件に対し12%、78件増加した。種苗生産や古くから河川、川沿いで営まれている陸上養殖、大臣許可が必要とされるウナギ養殖を除く。
 都道府県別にみると、沖縄(186件)、大分(54件)、鹿児島(34件)、岐阜(32件)、熊本(32件)の各県が30件以上と多く、30都道府県で増加し、過半数の都道府県で新規参入があった。増加が多かったのは、沖縄県(18件)、千葉県(6件)、福岡県(6件)。養殖種類別(延べ件数)では藻類のウミブドウ165件と多く、魚類のヒラメが126件、トラフグが93件と続く。
 北海道は届出件数(養殖場数)が24件で前年より2件の増。西日本中心の上位陣に続いて8位。長崎、愛媛、山口県を加え以上が20件以上の届出グループとなっている。
 養殖種類ごとの養殖場(延べ)は、藻類が26件(前年27件)と最も多く、次いでウニ類が15件(同17件)、魚類が15件(同11件)と続き、ウニの内訳はエゾバフンウニが9件(同7件)、キタムラサキウニが6件(同8件)。魚類の内訳は、サケ・マス類が10件(同9件)を占め、内訳はベニザケ3、ニジマス2、サクラマス1(前年同)で、その他のサケ・マス類が4件(同2件)と増えた。
貝類は3件(同5件、エゾアワビ)、エビ類が5件(バナメイエビ3、クルマエビ、その他が各1)でバナメイが1件増えた。ナマコ類も1件(同2件)が届け出ている。
今回、水産庁は陸上養殖の出荷数量も出しており、令和5年度は6,392㌧で、魚類が4,802㌧、藻類が657㌧、貝類15㌧、その他が919㌧。養殖種類別では、ヒラメが1,786㌧、トラフグが1,324㌧、ニジマスが791㌧、アユが773㌧、ウミブドウが536㌧と魚類が上位を占めている。

全漁連、東京大学、日本財団が「海洋環境変化対応プロジェクト」

2025-01-26 21:56:06 | ニュース
 JF全漁連(坂本雅信会長)は、漁業者の集めた海水温などのデータを東京大学の研究者と共有し、海の環境変化と漁業への影響を分析するプロジェクトを始めると発表した。
 全漁連、東京大学に日本財団の協力を得て実施される「海洋環境変化対応プロジェクト」を20日、記者会見を開いて明らかにした。日本海近海の漁場では海水温の上昇など環境変化が進み、サケの来遊不振や北海道でのフグ大量漁獲など異変が頻繁に観察され、漁業への影響が広く報告されている。今年4月から海の環境調査を本格化し、そのメカニズムを解明し、対応を検討する。
 調査では、水温や塩分濃度などを図るセンサーを設置して定点観測し、異変があった場合にはアプリを通じて東京大学の研究者と情報を共有し、分析する。海の変化をデータで裏づけ、具体的かつ迅速な対応を施す糧とする。

沖合を中心としたスケソウの漁獲動向 年内の漁獲は低調、釧路、稚内、小樽で価格上昇

2025-01-26 21:55:04 | ニュース
 沖合を中心にした道内のスケソウ漁獲は前年を上回っているが、価格の低迷で金額の伸びにブレーキがかかっている。漁業情報サービスセンターによると、道内主要港の2024年水揚げ(1〜12月)は、7万7千㌧で前年比15%増だが、主力の沖底基地の価格は40〜60円と全体に1割ほど安い。
 主な沖底基地では、稚内(沖底)が2,567㌧・㌔40円、紋別が2万7,121㌧・㌔42円、網走1万8,169㌧・㌔42円、釧路(沖底)1万5,384㌧・㌔60円、小樽6,936㌧・64円と価格が低迷。ただし、抱卵スケソウ狙いの12月の漁獲では釧路で90円、小樽で107円をつけ、他の基地も50円台に上昇した。

スケソウ沿岸漁獲状況(12月末現在) 全道1万8千㌧、太平洋1万2,600㌧、根室海峡4,500㌧

2025-01-26 21:53:55 | ニュース
 本道沿岸のスケソウ漁業は盛漁期を迎えているが、道水産林務部漁業管理課が集計した12月末の報告によると、4月からの累計で、オホーツク海711㌧、根室海峡が4,464㌧、太平洋が1万2,610㌧、日本海が307㌧となっており、全道沿岸の漁獲は1万8,093㌧にとどまり、全体として不漁感が強く、年明け以降の挽回が期待される。
太平洋のうち、道南太平洋(日高〜渡島)の刺し網による漁獲状況は10月〜12月までに約1万㌧とTAC4万6,900㌧に対する消化率は21%。
 一方、日本海は11月からの後志管内の刺し網の163㌧とTAC6,113㌧に対する消化率は3%にとどまる。