日高管内の主力魚種のひとつがタコ。同管内ではひだか漁協新冠支所で親ダコの産卵礁や稚ダコの保育礁が設置されるなど、増殖事業も盛んに行われている。資源量の浮き沈みが激しい魚種なだけに、地道な取り組みが求められる。夏の主力魚種でもあるコンブは天候不順の影響で、8月28日現在わずか1回の出漁に留まっている。前浜資源はあるものの先日の高波で多くのコンブが岸に寄ったことから、各地で拾い漁が盛んになっている(写真・文 鈴木記者)
北海道の漁業は、秋が本番。本当の真価が問われる盛漁期を迎えました。全体としては、いわゆるイカ、サンマ、スケソウ、ホッケなどの回遊性の多獲性魚種は、いずれも漁が思わしくなく、数量減少の色合いが強まっています。イワシ・サバへの魚種転換の過渡期であるため、多少の数量減は致し方ないとしても、このところ北海道漁業生産は、数量的には過去最低を更新しており、業界幹部からは「もしかしたら27年度は100万トンの大台を割るかもしれない」という話が出ています。
それを底支えしている秋サケ、ホタテ、昆布に代表される栽培魚種は、堅調と言いたいところですが、オホーツク海の外海ホタテが大幅な減産、昆布も昨年より低下、秋サケは今後の漁しだいとなっていますが、予想はあまりよくない。とりわけホタテの浜値は輸出が牽引する形で高騰を続け、減産を背景に道産水産物は全体として魚価高に振れています。
こうした状況で、北洋サケ・マス流し網にロシア海域での禁漁が宣告され、道東漁業を再構築する中長期の対策に期待したいところです。また、格差是正、人口減少対策の焦点となっている日本海漁業の振興策が具体化し、早くもその成果が注目されています。
9月号ではこうした流れに、国費水産予算の概算要求のポイント、サケ・マス流通の見通し、上半期の水産物貿易、石狩・後志、桧山・渡島の浜の生産動向を取り上げています。さらには、全道漁協みな貯金運動(9月1日~10月30日)、水産基盤整備事業予算確保の要請、トドによる漁業被害と捕獲頭数、ひだか漁協の新しい製氷貯氷施設、船上活締めの技術講習、道総研水産研究本部の成果発表会、マツカワの魚価対策検討、常呂漁協の海難者慰霊祭といった話題が載っています。
札幌中央卸売市場が主催する消費拡大フェアが13日に開かれ、多くの市民が各種イベントやマグロの解体ショーなどを楽しみました。
場内には移動販売車コーナーや青果・水産の試食販売コーナー、道内市町村PRコーナーなどが設けられたほか、一般市民が普段立ち入ることのできない水産仲卸店舗が開放され、鮮魚や干し魚が市民向けに特別提供されました。
場内では運搬用ターレへの試乗会やホタテ釣りなどのイベントも行われ、会場は子供達の笑顔に包まれました。
恒例のマグロ解体ショーは2度行われ、午前8時30分からの1回目は札幌中央丸水水産が、
10時30分からの2回目はカネシメ靍橋水産がそれぞれ解体を担当しました。
解体されたマグロはその場で柵にされ、併設された特設会場で消費者に提供されたほか、中落ちとカマはその後開かれた模擬せりに出品され、落札者の手に渡りました。
平成27年第3回定例道議会
道が補正予算提出、10月3日まで25日間の会期で
中西部太平洋まぐろ類委員会・北小委員会
クロマグロ資源低加入時の緊急制限ルール策定に合意
長期的管理方策は日米間で大きな溝 来年度策定に向け議論継続
北太平洋のサンマ資源保護の国際機関が初会合
資源の調査・評価を踏まえ新たな保存管理を検討
「26年度海獣類による漁業被害状況」(北海道)
23.7億円、前年度に比べ2.2億円減少
トド採捕枠拡大対策講じ、前年度比164%の採捕実績
マツカワ魚価対策プロジェクトチーム
札幌市内と各推進協議会管内で消費拡大イベント開催を決定
網走管内カラフトマス漁獲状況(8月31日現在)
133万4千尾、一昨年同期に比べ71%に留まる
北のめぐみ愛食フェアに標津漁協が初登場
「船上一本〆波しぶき」、鮭のハラス、ホタテの炭火焼き
根室の水産業界、行政、金融機関などが一致団結し、地場産水産物の普及宣伝・販路拡大、地域活性化を目的に発足させた「ねむろ水産物普及推進協議会」(通称:まるごと根室)が9月10、11の両日、北海道庁赤レンガ前広場で「根室さんま直送市」を開催し、多くの市民が会場を訪れ秋の味覚「さんま」を賞味しました。
会場では発泡詰サンマの直売が行われたほか、炭焼きサンマが1尾200円、浜の母ちゃん特製の「さんま刀汁」が1杯200円でそれぞれ提供されました。
まるごと根室による同所でのさんま直送市は今回が5回目。同協議会の杉山忠夫会長は「今年はまだ漁が少なく魚体も小ぶり。浜値もなかなか下がらないが、消費者の皆様の期待に応えられるよう、今後もイベントを続けていきたい」と話してくれました。