水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

今月号もいろんな話題で盛り上がっていますよ!

2023-12-14 16:11:50 | 月刊水産北海道
 ALPS処理水の海洋放出と中国による水産物全面禁輸の話は少し置いといて‥‥と言ってもそのつど東電による損害賠償を含め、そのつどフォローしたいと思います。  

 今月号のカラーページをみると、元道漁連会長、厚岸漁協組合長の川崎氏叙勲は別として、斜里第一漁協定置部会による「さけ漁師まつり」、「釧路産トラウト初荷揚」、「道産水産物営業PT食育」が並び、モノクロページでも「赤れんがホタテ祭り」、「泊サーモン池入れ」といった話題が盛り込まれています。  

 北海道水産業、道産水産物は一過性のキャンペーンや取り組みではなく、大きな潜在力を秘め、次のステップをめざしていきます。  

 今後とも、生産者団体と一体で道産水産物を取り上げる本誌をよろしくお願いします。

 

 


2023年12月号が出ました!表紙は終漁迎えた標津漁協のホタテ漁です。

2023-12-14 16:04:00 | 月刊水産北海道
 

 今月号は、すでに残り少ない2023年(令和5年)に別れを告げ、2024年(令和6年)を迎える準備に入る中、秋サケ不漁、主要水産物の動向、補正予算、新たな資源管理方式、洋上風力発電などを取り上げています。

 秋から冬にかけて会合、イベントも続々と復活し、道内サーモン養殖、浜のかあさんたちの活動、元道漁連会長の川﨑一好氏の叙勲特集など豪華ラインナップでお届けします。

 

2023年(令和5年)12月12日(火)発行/北海道漁協系統通信第6761号

2023-12-14 11:20:45 | 系統通信
秋サケ沿岸漁獲速報(11月30日現在)
1,921万尾(65%)・382億円(60%)でほぼ終漁

網走管内秋サケ漁獲速報(11月20日)
1,156万尾(83%)、3万5千㌧(89%)、229億円(76%)

石狩・後志管内の秋サケ漁終漁 前年比8割減

サハリン州太平洋サケマス生産量(12月7日現在)
7万㌧突破、前年を21%上回り、シロザケが3万5千㌧

北海道とまりカブトサーモン 稚魚約1万2千尾を池入れ

北海道社会貢献賞・産業貢献賞受賞者を発表(水産林務部)
水産関係受賞者は58名、12月19日(火)に表彰式

R5水産林務部工事等優秀業者28社が決定
12月19日(火)午後3時30分から知事感謝状贈呈式

道さけ・ます増協が中央要請
民間増殖事業運営の支援を水産庁、国会議員に求める

定置青年研究会が新巻秋さけ即売会

道南太平洋スケソウ2次調査結果(函館水試)
前年同期と同程度の反応、登別~苫小牧・日高沖

ロシア漁業者漁獲量500万㌧(12月5日)
極東380万㌧・15%増、スケソウ180万㌧

日高の豊かな海の幸フェス第8弾

噴火湾南西部海域産ホタテガイの出荷を規制

2023年(令和5年)12月8日(金)発行/北海道漁協系統通信第6760号

2023-12-11 16:47:12 | 系統通信
日ロ地先沖合漁業交渉妥結 相互漁獲割当量は44,00

全さんま11月末の水揚げ状況を発表
2万㌧の大台突破・前年比35%増、道内1万5千㌧・38%増

石狩湾系ニシンの漁況予報(令和6年1~3月)
前漁期に比べ序盤で増加、中盤で横ばい、終盤で減少見込む

技能実習制度見直し最終報告
現行制度を廃止し目的改め「育成就労制度」へ
1年超の就労など条件に本人の意向による転籍認める

道連合海区漁業調整委員会
本道沖合の10㌧未満かじき等流し網の委員会指示を了承

斜里第一漁協定置部会が札幌で初の直販イベント
7団体が希少な地場産品を販売 全品完売の盛況

北海道食の輸出拡大戦略〈第Ⅲ期〉素案
新たにブリ、カレイ類を主要品目にPTで推進

18日、道水産政治協会が第3回セミナー開催

北日本漁業研究会 第52回札幌大会 「北日本の養殖サーモン類の種苗生産」テーマにシンポ トラウト、ギンザケ、サクラマス養殖の現状と課題探る

2023-12-05 16:09:38 | ニュース
 

 漁業経済学会と統合した北日本漁業経済学会の理念を継承する北日本漁業研究会の第52回札幌大会が12月2日、北海学園大学教育会館で開催され、北日本におけるサーモン養殖の方向性をテーマにしたシンポジウムや一般報告を行い、ウェブ併用で100人を超える参加者が活発に議論を交わした。
 北日本漁業経済学会は令和5年9月1日に漁業経済学会と統合したが、従来の活動を北日本漁業研究会(部会)として引き続きシンポや学会誌発行を続ける。宮澤晴彦氏(元北大大学院)を会長に濱田武士氏(北海学園大)が副会長、佐々木貴文氏(北大大学院)が事務局長を務める。個人の年会費は3千円(賛助会員1,500円、学生無料)で、宮澤会長は広く会員の入会を呼びかけた。
 開会に当たり宮澤会長が「北海道の漁業は中国による日本産水産物の禁輸、海洋環境変化による魚種の転換など多くの問題が山積しているが、課題に真剣に向かい合い問題解決できるか懸念しており、こうした研究会を通じて交流し、発信していくことが大切だ。種苗の不足を含めたサーモン養殖の現状と課題をテーマにしたシンポを含め、活発な議論をお願いしたい」と挨拶した。
 シンポジウムは道内外から注目を集め、北海道、東北の漁業における最大のテーマである養殖における種苗生産の現状と課題について専門家の話を聞き、活発に議論を交わした。まず、ファシリテーターの佐野雅昭鹿児島大教授が「わが国の養殖は近年、大きく様変わりし、各地で魚類養殖、サーモン養殖が取り組まれ、需要を伸ばす中で種苗生産がボトルネックになっている。種苗生産体制に関わるシンポを通じて、専門家に現状と課題を話していただき議論したい。北日本のエリアがもつ潜在力を活かした海面養殖と内水面の種苗生産をどう結びつけていくのかを考える」とシンポの趣旨を説明。
 さっそく道総研の楠田聡さけます・内水面水試内水面資源部長が「北海道における内水面養殖業の現状と課題」として北日本養殖サーモン産業クラスターを構築するために内水面養殖事業者の組織化、種苗供給体制のネットワーク構築を提起した。平井俊郎岩手大学三陸水産研究センター長が地域ブランド「釜石はまゆりサクラマス」から見た「海面サーモン養殖における種苗安定供給」の課題を報告した。次いで鈴木宏介日本サーモンファーム社長が「サーモン養殖事業産業化への課題」を報告し、売上の9割がサーモンを軸に事業を展開している同社の垂直統合、サケ類の世界的に需要増大に対応した大規模養殖の取り組みを明らかにした。
第4報告は、戸川富喜ニチモウ養殖開発室長が種苗生産を中心に「ニチモウグループによるサーモン養殖」を報告し、40年に及ぶギンザケ養殖の蓄積を活かし岩手県での新たな種苗生産の取り組み、既存のふ化場を利用したメリット、デメリットを明らかにした。
 第5報告は、水産庁の柿沼忠秋栽培養殖課長が「関連政策の解説」を説明し、20万トンにのぼる輸入サケ市場を国内養殖で置き換え、サケマスふ化放流の再編・統合、合理化を図る国の戦略を示し、道県、水試、民間の協力が必要とした。
 なお、午前中の一般報告で 今井智氏(水産機構技術研)が「サーモン養殖における閉鎖循環システムの活用による課題解決」を報告し、サクラマスの養殖を例に内水面の種苗不足分を閉鎖式陸上養殖で補い、大量化と疾病対策の達成を実証した。
 このあと、工藤貴史東京海洋大学教授がコメントを発表し、種苗の量産に必要な中間育成施設の不足、集中水揚げに対応した加工体制などの課題をとりあげ、技術開発の著しいサーモン養殖の「裏の競争力」を指摘し、産官学の連携、地域連携型も生き残りの条件とした。
 総合討論は、佐野氏が①品種の選択の決め手、②RAS(閉鎖式循環養殖)を導入した種苗生産の可能性、③種苗生産と養殖、加工・販売の分業などについて報告者の確認、意見を聞いた。佐野氏は「サーモン養殖は山(内水面)と海(海面養殖)との連携による事業。地元の業者とのつながりが大切で、リスクヘッジ、ローカルネットワークなど持続的発展をめざす」とまとめた。

漁協直売所、限界集落、魚食、ロシアなど一般報告
          
 一般報告では、宮澤会長(北大大学院)が石狩市厚田地区の朝市を事例に「漁業者主体型直売所の特徴を漁家経営に及ぼす効果」を報告し、20%弱の所得増大効果、低コストなど直売のメリット、経済効果の創出要因を明らかにした。
 次いで工藤貴史東京海洋大学教授が地理情報システム(GIS)による分析を通じた「北海道における漁村地域の限界集落化」を報告し、道内でも限界集落に区分される漁業集落が増加しているが、地域漁業が存続すれば今後も地域社会が消滅することはないと強調した。
 第3報告の田口さつき氏(農林中金総合研究所)は魚食との関連で「日本人の食生活の変化とカルシウム摂取」を報告し、魚介類の摂取量とカルシウム不足の関係を分析して若年層の食生活問題は食料の安全保障の点からも重要な論点になると指摘した。
 第4報告のファべネック・ヤン・海舟氏(笹川平和財団海洋政策研究所)はロシアの「『国際漁業資源』と『北極海航路』」をテーマに報告し、「国際漁業資源」を中心のロシアによる漁業政策の展開と、新たな水産物流通経路としての「北極海航路」の問題点を明らかにした。