やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

治療を必要とする人、すべての人権は守られるべき

2020-11-13 | 日記・エッセイ・コラム
 きのう、定例の夕方宣伝。女性の方が話しかけてこられました。年金と生活保護で生活をされている方だとおっしゃっていました。
聞けば、近所の2つの医療機関から”生活保護の方は診察をお断りします”と言われたとのこと。ひとつの医療機関からは、わざわざ手紙まで来たとのことで、とても怒っておられました。当然だと思います。
近くの医療機関では治療が受けられず、しかたなく離れたところの医療機関を受診しているとのことでした。医師として患者を選んでいいのか?と率直な疑問。治療を必要とする方の人権を守るのも医師の責務では?と思うのですが。
手続きの問題なのか、はたまた何かどうしようもない理由があったのかもしれませんが、それにしても周辺に医療機関がそれほど多いというわけでもない地域で、2つも断られるとはちょっと驚きです。
 日本では残念ながら生活保護に対する偏見がまだまだ根強く見られます。医療従事者においても少なからず耳にします。
日々生活をしていると、予期せぬことで収入の道が断たれ、やむをえず受給せざるを得ないこともあります。それでもそれはほどこしなどでは決してなく、自立した生活への足場として、活用することで、利用しない場合よりも早く自立への道が開けてきます。しかもいまの生活保護の受給者の多くは、高齢者で、年金収入ではやっていけないからこそ生活保護を受けざるをえない現実があります。
巷では生活保護へのバッシングも見られますが、言うべきは貧困な国の生活保障の仕組み、何よりも貧弱な年金制度こそ批判すべきと思います。
とりわけ、いま、大手企業を中心に、コロナの影響で業績悪化し、希望退職を募ろうかという記事が紙面を賑わしている状況もあります。
そろそろ、社会的弱者が弱者と感じることがないような社会のあり方へ変えるときではないでしょうか。

消費生活会議に参加して

2020-11-13 | 日記・エッセイ・コラム
 

 神戸市の消費生活会議がひらかれました。市の各種計画の多くが、2020年、つまり今年度までの計画になっており、ことしは、いろんな分野で今後5年間の基本計画を策定する年になっています。
先日の市民福祉調査委員会神戸市の消費生活会議がひらかれました。市の各種計画の多くが、2020年、つまり今年度までの計画になっており、ことしは、いろんな分野で今後5年間の基本計画を策定する年になっています。 先日の市民福祉調査委員会でも今後の5年間の計画を策定するのが主なテーマでした。
 さて、前回の消費生活会議で報告されていたのが、神戸市は特に水道業者とのトラブルが他市に比べて多いとのことでした。どうやら悪質業者の存在があるようで、対策に乗り出しているとのことでした。
 その他、基本計画を進めていく上で、ということで発言したのが、啓発における当事者目線です。若い世代への啓発はとくに大事ですが、大人の上から目線では気持ちに触れにくいだろうと思います。そこで、若者自ら啓発の当事者として発信してもらうことで、若者たちに、自分のこととして受け止めてもらえるようになるのではないかと。
同調意見もありました。
今回の会議では、基本計画案が出てきました。今後、パブリックコメントや議会審議等を経て計画として策定されることになります。
こんどの基本計画は、これまでのパンフレット形式の分厚いものから、A3表裏のずいぶん薄いものとなります。分厚いものを見ることになれてしまっているので、大丈夫なのか?と正直、戸惑いもあります。
特に、今後出てくるひとつひとつの施策が、どういう根拠に基づいているのか、分かりにくくなるかも、と思っていますが、もしそうなってしまえば、当然そこは検証を経て修正されることになるでしょう。
なにはともあれ、施策を受け止める側、つまり市民が当事者意識をもって受け止められるよう発信にはひと工夫必要かなと思います。
 この日も様々な意見が出されました。聞いているといろいろ勉強になりました。相談員の位置付けも明確にされていました。
私が日々お受けする相談の中には、専門的相談を必要とするものも少なからずあります。そういうときに、市の消費生活相談の窓口をご紹介するときもあります。ずいぶん助かっています。
高齢化がすすむなか、また、コロナ下でネット通販がすすむなか、複雑な対応も必要となっているようです。
ますます、消費生活相談の役割が大事になってくるでしょう。


議会活動のあり方、見直しも必要では?

2020-11-12 | 日記・エッセイ・コラム
 新型コロナウイルス感染症に罹患する人が広がり、兵庫をはじめ各地で過去最高を記録していることが報道されています。
感染者もこれまで言われていた「夜の街」関連から居酒屋などにひろがり、年齢を問わず感染が広がる状況の中、市中感染を指摘する声も多くなっています。
GO TO ナントカのように、人の移動を促す政府の施策。さらに、昨日ある大学の教員の方とお話しした際、文科省が対面授業が50%以下のところは公表するという方針だと聞きました。
やってることがまるで逆じゃないの?と思ってしまうのは私だけでしょうか。
 さて、そんななか、来週、神戸市議会の大都市税財政に関する特別委員会の取り組みで、市の要望事項について各党の国会議員団へ要望する、いわゆる大都市要望が行われます。
毎年行われているものですが、特に今年、毎年やっているからと当然のように実施するというのはどうなのか?と疑問に感じます。
全国の政令市から担当議員が国会へ集まってくるのですが、1時間程度で済むものです。20政令市。時間的に発言できるかどうか微妙な感じです。「オンラインのミーティングでいいのでは?」と求めてみたのですが、神戸だけの問題ではないので調整が必要とのこと。要望はかないませんでした。
 この大都市委員会ですが、地方財政についての学習をおこなったり、専門的な方を招いてお話を聞いたりという機会があります。
この時にも、事前に意見は言いました。わざわざ来てもらわなくてもオンラインの活用はどうなのか、また、近県の地方財政に関する有識者でもいいのではないか?と検討を求めました。
残念ながらどちらもかないませんでしたが、オンラインについては、専用器具が品薄かつ輸入品で入手困難、いつ入手できるか見通せないので…ということでした。
もし入手できれば実現の余地あり??でしょうか。
検討していただいたのはありがたいのですが…、専用器具の問題ですか…??…。
新型ウイルスの感染の広がりのもとで、社会のあり方や経済システムそのものが問われている昨今。
例年やっていることだから特に新たな手立てをとることなく進めるというのには、いささか疑問に感じます。
必要に応じたオンラインの併用や活用は、単にコロナという問題だけでなく、時間や経費の節約にもなると思いますが、どうでしょう?


ヤングケアラーへの対策は急務

2020-11-11 | 日記・エッセイ・コラム
 先週、市民福祉調査委員会(いわゆる審議会のひとつ)が開かれました。わたしも6月から委員のひとりになっており、出席しました。
主なテーマは来年以降5年間の福祉施策について計画の方向性を議論するもの。
ヤングケアラーについて発言しました。
計画の方向性の中で、位置付けやそもそも反映されているかお聞きしたものです。それに対して、この会議に先だって開かれていた専門的な会議の中でいろいろ議論になっていたそうです。それを踏まえて計画の中に包含されているとのことでした。
 私がヤングケアラーという言葉を知ったのはずいぶん最近のこと。毎日新聞で継続的に取り上げられていたことがきっかけです。恥ずかしながらそれまではなんの認識もしていなかったわけです。
記事を読んだ瞬間、思わず心をとらえて離さなくなったテーマとなりました。
小中学生、高校生と10代のまだ遊びたい育ち盛りの子たちが、身内の介護の主要な担い手となり、時には睡眠時間を削り、時には学校を休んだり、と必死になって介護をしている現実を、何度も何度も読み返しました。いままで自分は何を見てきていたんだろう、と考えてしまいました。
 このヤングケアラーの問題は、近年大きな問題としてクローズアップされるようになってきました。なかなか実態がつかめないということ、特に当事者が当たり前のこととして受け止めている場合、問題が表面化しないことも実態がつかめない原因のひとつでもあるようです。
埼玉県では条例化されました。そしてそれに基づいて高校生を対象に大規模な調査が行われるとの報道もありました。
ある記事では、高校生ほぼ全数に近い調査になるとの記述も見られました。
 伸び盛りの世代。多くは夢へ向かってまっしぐら、というところでしょうが、夢をあきらめてしまうということも少なくないそうです。こどもの人権との関係でも、一刻も早く対策をとるべき課題なのは言うまでもありません。
先日の市民福祉調査委員会でお聞きした際には、神戸市では実態をつかんでいないということでしたが、何らかの形で実態をつかんでいくことが急がれます。
 最近報道された記事が頭から離れません。結果として、介護殺人です。須磨区内で起きた事件です。記事を読んでとてもいたたまれない思いにかられています。昼夜に関わらず日々介護をしていた21歳が、認知症の祖母を窒息死させたという記事です。介護サービスを利用はしていたものの、それ以外は仕事のかたわらずっと世話をしていたとのこと。身内からはなんの支援もなく、ケアマネージャーとの連絡も身内に止められていたとのこと。はたして他人事といえるだろうか、レアケースと言えるだろうか、いつ自分もそういう状況におかれるか、誰にもわかりません。
このケースではヤングケアラーとはすこし上の世代になりますが、構図は全く同じではないでしょうか。
貧困な社会保障のあり方とともに、私たちひとりひとりが、こうした問題についてきちんと認識を深め社会全体の共通課題として取り組まれる環境整備が必要と思います。
議会でもきちんと提起できるよう、今後さらに調査しなければ、と思います。
 思い起こされるのがある若者のことです。夕刻に駅で宣伝していると、たまに声をかけてくる若者がいました。
いろいろ状況は耳にしてはいたのですが、話を思い起こすと、ひょっとして?家族の方を介護してたのかな?と今更ながらに感じるものがあります。
最近学校を卒業したのか、見かけなくなりました。どうしているのか気になりますが、こんど会ったらいろいろ話を聞いてみたいと思います。
 議員として、感度をもっと研ぎ澄まさなければならないな、と思います。

須磨多聞線(西須磨工区)、調停打ちきり

2020-11-09 | 日記・エッセイ・コラム


 5日、西須磨道路公害調停の第2次調停の第3回目が開かれました。結果は打ちきりに。神戸市は、1、2回目同様に欠席しました。首尾一貫、道路工事を前提としない話し合いには応じられないという姿勢です。神戸市はこれまでの(第1次調停)15年にわたる調停での話し合いで打ち切られたということを持ち出しますが、調停委員会の出した調停案を拒否したのは神戸市であり、調停を打ち切ったのはまさに神戸市自身です。理由にはなりません。
 調停に先だって、10月の28日の神戸市議会の本会議。一般質問で私は質問しました。「説明していくというなら調停の場できちんと説明すべきだ」「調停では道路の賛否を問題にしていない。住民は説明を求めている」と調停への出席を求めましたが、答弁に立った副市長は道路は必要だとして(調停に)参加しないと表明するのみ。地元住民の声に真摯に向き合う姿勢がみられません。道路建設への執念しか感じられないのは残念としか言いようがありません。
 道路建設をすすめる条件がいまあるのでしょうか。地元では納得が得られているとは言えず、いま道路建設を進めれば「強行だ」との非難が集中するのは明らかです。
地元の住民からは具体的な代替え案のアプローチがあり、神戸市も検討はしています。それでも須磨多聞線に固執しています。
 最近の議会質問の中には、西須磨工区に直接関わらない問題を引き合いに出し、工事をすすめるよう求める意見も出るようになってきました。一方で、私と同じように工事に反対する主張をする他会派の議員も出てきました。
地元の声の多くは納得できる説明を求めており、その姿勢は揺るぐことはありません。
地元の方々の姿勢には頭が下がる思いです。これからも議員としてだけでなく、近隣エリアに住む住民の一人としても、応援していきたいと思います。