北のパラダイス

思いつくままにいろいろな事を発信していきたいと思います。

混迷の度合いを深めるTPP交渉

2014年04月26日 | TPP問題
オバマ大統領が直々に日本を訪れて、尖閣諸島に日米安保を適用するとまで明言したのに、アメリカは日本政府からTPP交渉の譲歩を引き出すことができませんでした。

このことはアメリカにとって大きな誤算だったと思いますし、今後のTPP交渉をさらに困難なものにしたことは間違いありません。

なにせ、交渉参加国の中で第一位と第二位の経済力を誇る国同士の交渉が事実上決裂した訳ですから、他の参加国に大きな影響を与えることは必至です。

裏を返すと、アメリカと日本で交渉がまとまってしまえば、ほぼTPP交渉の行方は決まってしまうと言っても過言ではありません。

今回のトップ会談でもまとめることができなかったということは、もともとまとまる話ではないことを、無理矢理まとめようとしているのではないかという気がします。

というか、アメリカが重要としていることと日本が重要としていることに乖離があるので、いくら議論を重ねてもどこまで行っても交わらない線上にお互いが乗っかったままの状態です。

どちらか一方が線の方向を変えて相手の線と交わろうとしても、それが相手に有利に働いてしまうことになれば交渉の負けに繋がってしまうので、できるだけ自国が有利になるように相手の出方をうかがい、押したり引いたりしているのが現状です。

この交渉に決着を付けるとすれば、どちらも勝ちもしない、負けもしない、言わば引き分けに持ち込むことしかないような気がします。

しかし、引き分けの着地点を見極めるのは至難の業だと思います。

だったら、無理矢理まとめないで、もう交渉はやめよう!! という訳にはいかないんでしょうかね。(笑い)

ここで交渉をやめてしまえば、そこで引き分けです。

そうなると何も進展は無かったように思えますが、そうではなくて、いくら話し合っても、議論しても、まとまらないものはまとまらないんだ、ということをアメリカも日本も理解する機会を得たということになります。

日本が聖域とする重要5農産物に対して、どうしてそこまで日本が固執するのかアメリカには理解できないんでしょう。

それは、理解してくれというほうに無理があるのかもしれません。

日本とアメリカとでは、そもそも国の成り立ちが違い過ぎます。

その違いを双方が理解するためには、まだまだ年月がかかるのではないでしょうか。

向こうにはそんな悠長なことは言ってられない国内事情があるんでしょうが、それは日本とて同じことです。

他国の人達にはなかなか理解してもらえないかもしれませんが、日本には昔から「三方よし」という素晴らしい商法があります。

売る方も、買う方も、世の中も良くなるという考え方です。

時代遅れと言われそうですか、勝ち負けが無く、みんなが良くなるやり方です。

アメリカ人ならそれは勝ったことにならないと言うかもしれませんが、それでみんなが幸せになるんだったらそれに越したことないと多くの人に思って欲しいですね。

それが私の目指す、市場原理優先の資本主義ではない、しかも社会主義や共産主義でもない、「すべての人が物心両面で豊かさを享受できる社会」です。




その後のTPP

2013年10月01日 | TPP問題
早いもので今日から10月です。
札幌は朝晩めっきり寒くなりました。

政府が消費増税8%を正式に表明しました。
これからいろいろな問題が噴出してくると思います。

さて今日は、TPP交渉について取り上げたいと思いますが、交渉内容はすっかり秘密主義のベールに覆われ、政府説明やマスコミ報道からは何が何処まで進んでいるのかよく分りません。

交渉内容を秘密にすること自体、もうTPP交渉というものが何か怪しいシロモノのように思えてなりません。

以前から述べてますが、TPPの本質は、アメリカが環太平洋という枠組みでアジアの成長の果実を享受するために進めている経済協定であり、アメリカ型の貿易ルールをを広げ、交渉参加国の制度をアメリカ化することが目的です。

例えば農業分野で言えば、日本では使用が制限されている「遺伝子組み換え作物」を、世界最大の種子企業であるアメリカのモンサント社などが中心になって日本に売り付けようしています。

もし、TPP交渉によって「遺伝子組み換え作物」が大量にアメリカから日本に流れ込んで来たら、安心・安全な食品を求めることは非常に困難なことになります。

TPPは世界支配を目指すアメリカ多国籍企業の利益追求の場と化しており、医療、郵貯・簡保、公共事業などの他の分野でも、アメリカ多国籍企業の利益追求をアメリカ政府が代弁してTPP交渉を進めているのが実態です。

その中で日本はどのような姿勢を取っているかというと、断片的にしか得られない情報を繋ぎ合せていくと、どうも日本はアメリカの言いなりになって、アメリカの要求通りに合意する道を進んでいるらしいです。

当初、「守るべき国益は必ず守る、もし守れなければ交渉から離脱する。」とまで言っていた日本政府ですが、その言葉はいったい何処に行ってしまったんでしょう??

秘密主義をいいことに、結果がどうなってもどうにでも言い訳できると思っているのか、何なのか?

いつものパターン、と言ってしまったら身も蓋もありません。

いつまでアメリカ追従を続ける気なのか?

アメリカの目的は「日本潰し」であることは明白です!!

交渉内容が秘密にされているので、手も足も出ません!!

そこには民主主義も立憲主義も存在していません!!

あるのは弱肉強食の支配主義だけです!!

日本国民はこの実態に怒りを表明しなくてはなりません!!

私はこのブログでこれからも怒りを表明し続けます。



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TPP交渉マレーシア会合閉幕

2013年07月26日 | TPP問題
【TPP関税分野 進展せず 首席交渉官「端緒についた程度」(07/26 10:17)】

 環太平洋連携協定(TPP)交渉の最大の焦点で、農産品や工業製品などの関税撤廃を議論する市場アクセス分野の交渉はほとんど進展していないことが25日、交渉筋の話で分かった。協定案やそれまでの交渉内容を数百ページにまとめた「テキスト」と呼ばれる文書は、関税品目の定義など基本的確認事項に多くの紙幅を割いており、交渉21分野のうち、関税分野の記述は最も少ない数ページにとどまっているもようだ。

 交渉筋によると、同日閉幕したマレーシア会合まで18回の交渉会合を重ねてきても、関税分野はまだ交渉の進め方すら合意できておらず、具体的協議に入っていない。鶴岡公二首席交渉官は会合後の記者会見で「2国間ないし多国間でどう交渉していくかを含めて、ようやく端緒についた程度だ」と述べた。

<北海道新聞7月26日朝刊掲載【コタキナバル舟崎雅人】>


【TPP、年内妥結を目指す…米・ベトナム首脳】

 オバマ米大統領は25日、ホワイトハウスでベトナムのチュオン・タン・サン国家主席(大統領)と会談した。

 両首脳は、両国や日本などが参加する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉について、年内妥結を目指す方針を改めて確認した。

 会談後の共同記者会見でオバマ大統領は「我々は、年内妥結という野心的な目標に向け全力を尽くす。TPPはアジア太平洋地域や両国に雇用を創出し、投資を増やす」と語った。サン主席も「年内妥結」に意欲を示した。

 両首脳はベトナムと中国の領有権争いが続く南シナ海問題についても協議し、国際法に基づいて平和的に解決する必要性を確認した。

<読売新聞2013年7月26日10時56分【ワシントン=白川義和】>


【感想】

25日に閉幕したTPP交渉マレーシア会合で日本は2日半しか参加できませんでしたが、それでも少し交渉内容と今後の方向性が見えたようです。

北海道新聞の記事によると、農産品や工業製品などの関税撤廃を議論する市場アクセス分野の交渉はほとんど進展していないことが判り、このまま行くと年内妥結は難しそうだという観測が流れているようです。

そういうこともあってか、読売新聞の記事にもあるように、アメリカのオバマ大統領は「我々は、年内妥結という野心的な目標に向け全力を尽くす。TPPはアジア太平洋地域や両国に雇用を創出し、投資を増やす」と語り、ベトナムのサン主席も「年内妥結」に意欲を示しました。

TPP交渉の早期妥結を図り環太平洋地域経済のみならず、東アジア経済、ひいては世界経済を牛耳ろうと目論むアメリカは、TPP参加国の同意を得るために躍起になっています。

日本のメディアも、読売新聞などの推進派と北海道新聞などの反対派が、それぞれ異なる論調で報道しているため、主要メディアの報道にばかり目を向けていると、TPPがあたかも年内に妥結するような錯覚に囚われてしまうので注意が必要です。

北海道新聞の記事にもあるように、鶴岡公二首席交渉官は会合後の記者会見で「2国間ないし多国間でどう交渉していくかを含めてようやく端緒についた程度だ」と述べた、というのが真実だと思います。

TPP交渉が妥結すると、アメリカと日本を中心に世界の約4割の貿易量がTPPに取り込まれると見られていますが、これに対してはヨーロッパや中国が警戒心を高めていて、TPP交渉加盟国とのEPAやFTAなどの交渉を加速度的に進めるのではないか、という観測も流れています。

こうなると、TPP交渉の行くえは単に参加12カ国だけの問題ではなく、ヨーロッパや中国を巻き込んだ世界規模の問題として、今後ますます混迷の度合いを深めて行くことになると思います。

かつてのガット交渉が長い年月かかって結局上手くまとまらなかったように、TPP交渉も同じような轍を踏むのではないかという気がします。

どうしてそうなるのか?
結局は市場原理優先の覇権争いなので、どこかが良ければ、どこかが悪くなるからです。

日本には「三方良し」(「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」)という素晴らしい商法がありますが、TPP交渉にそういう考え方は存在しないんでしょうね。

売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのが良い商売である、という近江商人の精神を日本はTPP交渉の中で活かすべきです。







TPPと遺伝子組換え作物

2013年06月22日 | TPP問題
日本では遺伝子組換え作物を栽培して販売することはほとんど行われていないそうです。
例えば、遺伝子組換えの大豆を使用した「納豆」とか「豆腐」を作って店頭に並べても売れないからです。

何故かというと、日本では「遺伝子組換え大豆を使用しています」という表示を行うことが義務付けられているため、そのような表示のある食品を好んで買う日本人はほとんどいません。
それだけ、日本は食品の安全性に厳しい目が注がれているといえるでしょう。

現在、アメリカなどから遺伝子組換えの大豆、トウモロコシ、なたね、綿実などが輸入されていますが、そのほとんどが食用油に利用されているそうです。

しかし、食用油の原材料欄には遺伝子組換えを表示しなくても良いので、コーン油、サラダ油、キャノーラ油、綿実油などには遺伝子組換えの原材料が使用されているにも関わらず、消費者はそのことを知らずに買わされているのが実態です。
このことは本来もっと問題視されてもいいはずなんですが、ほとんど知らされていません。
それだけ表示制度というのはとても重要であると言えます。

しかし、日本と違ってアメリカには遺伝子組換えの表示義務はありません。
遺伝子組換え作物を売りたいアメリカの企業にとっては、この日本の表示制度は紛れもなく「非関税障壁」に当るので、TPP交渉の過程でアメリカは必ず「表示制度をなくせ」と要求して来ると思います。

もし、表示義務がなくなれば消費者に選ぶ権利はなくなります。
その結果、豆腐も納豆も遺伝子組換えのものかどうかわからないまま食べさせられるようになってしまうかもしれません。

以前も書きましたように、TPP交渉は実質、アメリカ主導で進んでいます。
約1ヶ月後にやっと日本は交渉の席に着く事ができますが、その時には既に関税撤廃のルールが決定されていて、日本は自国の権益を主張する機会も与えられないままに、ただ決まったルールを鵜呑みにさせられてしまうのではないか、というのが大方の予想です。

この遺伝子組み換え作物の問題に限らず、日本人の安心・安全・健康な生活を根本から脅かすような諸問題がTPP交渉によって現実化しようとしています。

残された選択肢はただ一つ。
日本がTPP交渉から離脱することです。

もしそれも適わないというのであれば、我々が日本から離脱するしかありません。
非現実的な事と思われるかもしれませんが、これからの時代を担う若い人達のためには「北海道独立宣言!!」しか選択肢がありません。

そして、本州、四国、九州に住んでいる人達も、TPP交渉により全てが関税撤廃になった日本に我慢できなくなったら、安心・安全・健康に暮らせる北海道へ移住できるように、「北海道国」を世界に向けて建国したいものです。




「高い責任意識武器に」 米公使 帯畜大で農業問題など論議

2013年04月29日 | TPP問題
  米国のカート・トン駐日首席公使は25日、帯広畜産大を訪れ、学生らと環太平洋連携協定(TPP)問題について意見交換した。トン氏は「経済のグローバル化が避けられない中、日本経済全体のためにTPPを結んだ方が良いと思う」などと述べた。

 学生17人が参加。トン氏は学生からの質問に答える形で、TPP問題を中心に日米の農業や貿易についての考えを語った。

 十勝の農業が、大規模な米国との競争で負けるのではないかという懸念に対し、トン氏は「競争には価格や品質面と、もう一つマーケティングに力を入れるというのがある」と答えた。

 例として、1990年代に欧米でもヒットした日本の携帯液晶ペット「たまごっち」を挙げ、「結構高かったが、マーケティングだけで売れ、マーケティングの力を示した」などと述べた。

 その上で、「食料を作るのは単に食べ物を作るだけではなく、消費者のために製品を作るという意識が強くなければいけない」として、「日本は米国より責任意識は高いかもしれない。それを競争の武器に使える」との見方を示した。

 意見交換後、質問した畜産科学課程4年の佐川愛さん(21)は「マーケティングは思いつかなかった。(TPPで)日本がうまくやれるか分からないが、私たち若い世代がしっかり考えないといけない」と話した。

 トン氏は、国内随一の大規模農業地帯を視察しようと、24日から3日間の日程で初めて十勝入りした。

 帯畜大訪問に先立ち、25日朝には帯広市役所を訪問し、米沢則寿市長と懇談した。米沢市長は十勝の農業競争力を高める取り組みを紹介、トン氏は「米国人には、北海道は環境に恵まれているイメージが強い」などと話していた。

(2013/4/26 10:45 北海道新聞)

<感想>

アメリカという国は、常に相手国の立場を尊重し、フィフティフィフテイの関係を結んだ上で、自国の権益を主張し、自国のルールを相手国にも当てはめようとする姿勢を感じます。

今回のカート・トン駐日首席公使の発言も、実にアメリカ人らしいパートナーシップに基づいた意見だと思いますが、同時に、農産品の聖域なき関税撤廃を示唆する発言であることも窺えます。

90日後のTPP交渉本会議に日本が参加した時には、全ての品目の関税撤廃が日本を除く11カ国で完全合意に達していて、日本が聖域云々を持ち出す場は多分与えて貰えないでしょうね。

このGW中に政府高官がこぞっと外遊し、日本と同調してくれそうな国を探しに行ってるみたいですが、どのくらいの成果を持ち帰って来れるのか楽しみ?です...。

日本のTPP交渉参加、米議会に通知 7月合流へ

2013年04月25日 | TPP問題
【ワシントン=矢沢俊樹】米通商代表部(USTR)は24日、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に日本が参加することを認める方針を米議会に通知した。90日間の通知期間を経て7月下旬に正式に参加が承認される見通し。参加後は日本が「聖域」とする農産品の関税の扱いなどを巡り、実質的な個別交渉が正念場を迎える。

 日本は2012年11月から交渉会合に加わったカナダ、メキシコに次ぐ12番目の参加国になる。自動車市場などを巡る日米事前協議が今月12日に大筋合意したのを受け、20日には調整が難航していたカナダなどを含む11カ国すべてが参加受け入れを表明。最終的にUSTRが通商交渉入りの際に慣例としている米議会への通知を実行した。

 自動車業界の意向を受けた議員の反発が一部で強いものの、承認自体が遅れる可能性は低い。マランティスUSTR代表代行は24日の議会宛て書簡で、「重要な貿易パートナーかつ、親密な同盟国である日本の参加によりTPP合意の経済価値を高める」と日本を歓迎する意向を表明した。

 ただ、関係筋によると7月の交渉会合は15日の週から実質的に始まる方向。規定通り議会で90日かかると、日本は初回会合の終盤の数日しか参加できない恐れもある。

 日米はTPP交渉と並行して自動車貿易や、保険などの非関税障壁を巡る協議を進める。重要品目であるコメなど農産品の関税撤廃の扱いを巡っても各国との厳しい個別交渉が待ち受けている。

 米、豪など先行する11カ国は年内の交渉妥結を目指しているが、難題が山積しているだけに交渉全体の先行きも予断を許さない状況だ。

<2013/4/25 6:35 日本経済新聞>


12カ国によるTPPゲームがスタートしましたが、いきなり90日間のおあづけというハンデを背負わされました。
他の11カ国はこれまでに何回か会議の場で交渉を進めているので、もうすでに中味がある程度固まって来ている案件もあるでしょう。

7月下旬の会議参加に間に合ったとして、どれほど日本の有利な条件で交渉が進められるのか...???
この際だから、農業や医療など絶対に譲れない案件で交渉を長引かせて年内妥結を阻む、という手でも使うべきですね。
最初から不利なんだから、それを逆転して有利に持ち込めためには、尋常な手を打っていては勝ち目はないです。
ゲームに勝つためには当たり前の話ですが...。

しかし、ゲームのルールが例外なき関税撤廃なので、「日本が主張している聖域そのものがルール上認められるの?」というのが私の素朴な疑問です。
12カ国間ゲームの中で最大の敵はアメリカだと思います。
この90日間でどんな手を打って来るのか? それこそ予断を許さない状況です。

農産品を守る事は当然重要ですが、「国民皆健康保険制度」は絶対に死守しなければ、日本人の将来に禍根を残すことになります。
お隣の韓国は、アメリカとのFTA2カ国間交渉で農業と保険制度をガタガタにされました。
アメリカは底知れぬ恐ろしさのある国です。(なんせ日本に原爆を落とした国ですから)

多民族国家で契約社会であるアメリカは、義理人情と阿吽の呼吸を大事にする日本とは、根本的に相容れません。
だいたい、なぜ議会承認まで90日間も待たされなければならないのか?
このことだけでも、TPPがアメリカ主導のゲームだということがよく解ります。

江戸末期の黒船来航以来、日本はアメリカに負けっぱなしです。
太平洋戦争で敗北し無条件降伏してからはアメリカの属国です。
そんな日本がTPPゲームで勝利するためにはどうしたら良いのか?

まずは意識の上で属国から抜け出すこと、要するに精神的にアメリカを上回ることです。
次に、知力で優ることです。
体力差が歴然としている強敵に勝つためには、気力、知力で優位に立つしかないでしょう。
あとは、相手の弱点を見つけたら徹底的にそこを攻め続けることですね。

戦いとはそんなものです。
基本的に狩猟民族であるアメリカは、勝つために手段を選ばないでしょう。
日本は農耕民族ですから、基本的に和を尊びます。
抜け駆けして自分だけ利益を得たら、周りから袋叩きにされて村八分になるのが日本の社会です。
しかし、狩猟民族の社会では、相手を出し抜き自分だけが勝ち抜く、という姿勢がなければ生きていけません。

相手の国の事情なんかお構いなしです。
アメリカと同じルーツを持つカナダやオーストラリア、ニュージーランドも基本的には同じです。
ただ、アメリカは野球やアメリカンフットボールなどに見られるように、自分達の国でしか通用しないゲームを創り出し、それを海外に広めようとする国です。
要は自国のルールを相手国に強要する国です。

でも勝つための指標はあります。
かつて日本がワールド・ベースボール・クラシックで何度もアメリカに勝利し、優勝した経験です。
なぜ日本は勝てたか?優勝できたか?
それは体力や経験で劣っていても、気力や知力でアメリカを優っていたのが一因ではないでしょうか。

所詮TPPもゲームです。しかし負けられないゲームです。
日本人と人類の将来がかかった大切なゲームであると言っても過言ではありません。
でも所詮ゲームなので途中で降りる事は可能なのです。
ポーカーでもマージャンでも、勝つ見込みがないと判断したら途中で降りますよね(笑)

参加表明したんだから、まずは勝ちに行きましょう!!
「2頭を追う者は1頭も得ず」という諺がありますが、TPP交渉では、2頭でだめなら3頭でも、4頭でも、5頭でも狙わなければ1頭を得ることはできないと思います。
もし、日本が4頭も5頭を得ることができたら世界は劇的に変わるかもしれません。

「義理人情」を捨て、「阿吽の呼吸」を捨て、「勝つためには手段を選ばない」ことを選択し、再びアメリカの属国にならないことを祈るばかりです。



米農業団体、TPPで日本の農産物関税の大幅削減を望む

2013年04月16日 | TPP問題
[ワシントン 15日 ロイター] 米国の農業団体は15日、環太平洋連携協定(TPP)交渉への日本の参加が認められた場合、日本の農産物関税の大部分について段階的な廃止を望むと表明した。

日本の農業団体は農産物の関税撤廃に強く反対している。

全米豚肉生産者協議会(NPPC)の国際取引部門バイスプレジデント、ニック・ジョルダーノ氏は、日本の交渉参加への支持を表明する記者会見で、「日本側にセンシティブな問題があることをわれわれは知っている」と述べた上で、「米国と自由貿易協定を結ぶ場合は(関税を)ゼロとすべきだ」と語った。

日本政府は先週、TPPへの交渉参加に向けた米政府との事前協議で正式合意し、参加に向け大きなハードルを越えた。日本の参加には、すでに交渉に参加している他の数カ国から支持を取り付ける必要がまだある。

交渉に参加している11カ国はカナダ、米国、メキシコ、ペルー、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ。

日本は米国から輸入する農産物の多くの主要品目に対し、10%以上の関税を適用している。たとえば、牛肉には38.5%、オレンジには16─32%、プロセスチーズには40%の関税が適用されている。

2012会計年度の米国から日本への農産物輸出額は約138億ドルで、2011年度は139億ドルだった。

日本の成長戦略の一環でTPP交渉参加を推進してきた安倍晋三首相は、コメ、牛肉、豚肉、砂糖、乳製品の農産物5品目については「センシティブ品目」として関税撤廃の例外とするよう、自民党内から圧力を受けている。

コメをめぐっては、日本政府は過去の貿易交渉でも市場開放に強く抵抗し、1994年のウルグアイ・ラウンドで最低限の輸入に合意したものの、輸入米の大半は消費者に販売されることはなく、動物飼料や援助用食料に回されている。最低輸入量を超える輸入米には700%以上の関税が適用されている。

米国のコメ産業界を代表するUSAライス連合会のボブ・カミングス最高執行責任者(COO)は「われわれはコメが日本で非常にセンシティブな分野であることを長く理解している」とした上で、「交渉の最後に、アメリカ米の日本へのアクセスが量と質の面で大幅に向上することを期待している」と述べた。

2013年 04月 16日 14:14 JST

早くも予想した通りの展開となってきました。
日本の要求は最初から門前払いの様相を呈しています。
かなり遅れて参加表明した日本には、そもそも多くの発言権は認められていないのでしょう。
交渉の前提は2013年度内に妥結することですから、遅れてやってきた日本にかき回されて交渉を長引かせたくない、というのが参加国の共通した思いなのではないでしょうか?

そのへんの事を日本政府はどのように考えているのでしょう?
十分に分ってやっている事なら、相当したたかに構えてやらなければならないし、もしあまり分ってないのなら、負け戦になるのは目に見えているのだから、即時撤退したほうが利口というものです。

中国も韓国もTPPとは一線を画しています。それは、自分達が有利な条件で交渉に臨めないという事がはなから分っているからだと思います。
日本が有利になると考えられている自動車産業や電気機器産業にしたところで、他国の巧妙な交渉戦術によってほとんど実の無い結果となることもあり得ます。

義理人情や阿吽の呼吸が通じるのは日本国内だけの話で、TPP交渉ではどれだけ自国の有利な条件で交渉をまとめられるか、という実利に基づいたタフなネゴシエーションの応酬になる訳ですから、そういう事に慣れていない日本は本当について行けるのかどうか? 疑問です。

自動車産業や電気機器産業には有利な条件で妥結したいし、農業分野や医療分野でも聖域を守りたいと主張するのは、「2頭を追う者は1頭も得ず」という結果に成りかねません。
ならば、交渉から離脱するという選択肢もありですね。
今こそ「足るを知る」の精神を思い起こす時です。




TPP参加、日米合意 農業「聖域」確約なし 自動車、保険で日本が譲歩

2013年04月13日 | TPP問題
 日米両政府は12日、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる事前協議を終え、日本が交渉参加することで合意した。甘利明TPP担当相が同日夜の記者会見で、米国が日本車の関税を当面維持することなどを盛り込んだ合意文書を発表した。

 ただ、日本が「聖域」を主張する農産品について合意文書は「敏感な問題がある」との認識を示すのにとどまった。米政府は近く、日本の交渉参加を米議会に通知、90日間の検討期間を経て、日本は7月にも交渉に参加する。交渉は難航が予想され、道内農業が深刻な打撃を受ける恐れがある。

 安倍晋三首相は同日夕に官邸で開かれたTPP関係閣僚会議で、「日米合意は国益を守るもので、国家百年の計だ。経済的メリットに加え、安全保障上の大きな意義がある」と強調。会議終了後、「本番はこれからだ。早く正式に交渉参加し、日本主導でTPPのルール作りを進め、国益の増進を図りたい」と記者団に語った。

 合意文書では、日本車の輸入増加を懸念する米自動車業界に配慮し、「(米国の自動車関税は)段階的な引き下げ期間によって撤廃され、最大限に後ろ倒しされる」と明記。米側が日本車にかける現行関税(乗用車2・5%、トラック25%)は当面据え置かれる。

 保険や食の安全はTPP交渉と並行して協議する。ただ、米側が警戒する日本郵政グループのかんぽ生命保険は、外資系を含む民間保険会社と対等な競争条件を確保するため、事業拡大を当面凍結する。

 かんぽの新商品発売については、麻生太郎金融相が同日の会見で、「数年かかる」と述べた。

 一方、合意文書は、日本の農産品について一定のセンシティビティ(敏感な問題)があることを認定した。日本は農業分野でコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、甘味資源作物の重要5品目を関税撤廃の例外とするよう求めていくが、今回の合意では確約は取れなかった。


(北海道新聞 04/13 01:33 更新)

日本のTPP交渉参加についてアメリカからの合意が得られました。
これにより、日本が7月に開催される予定のTPP交渉会議に出席する可能性が出て来ました。
今後は、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどとの合意を得るための交渉が加速化することが予想されます。

今回の日米合意ですが、日本はかなり遅れて交渉に参加することになったため、高い入場料を払わされた、という見方が大勢を占めているようです。

北海道新聞の記事にも書かれているように、農業分野での聖域を守るという確約は取れなかったばかりか、アメリカが日本車にかけている関税は当面据え置かれることになり、また、かんぽ生命保険の事業拡大も当面凍結となるなど、アメリカ側の要求は全て呑まされた結果になりました。

このような結果になることは最初から分かっていた事ですが、譲歩できるものは全て譲歩してまでもTPP交渉に参加するメリットとは、いったい何でしょう?
飽くまでも日本の国益に適うという判断と政府は言ってますが、その真意はよく分かりません。

ある特定の業界にだけにしか経済的メリットはないとか、夏の参議院選挙に勝利するための対策だとか、日本を防衛して貰っているアメリカへの恭順の意だとか、いろいろな憶測が巷では流れていますが、どれも当たっているような気がします。

とにかく、日本はこれで事実上TPP交渉参加のスタートラインに立ったわけですから、最終的にどんな結果になろうとも、それに対応し生き抜いて行けるだけの万全な備えを、国も、地域も、産業界も、個人もしておかなければならないと考えます。


TPP交渉継続評価62% 道内52%評価せず 全国世論調査

2013年03月25日 | TPP問題
 共同通信が23、24両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍晋三首相による15日の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加表明について、「評価する」は計62・7%、「評価しない」は計29・5%だった。
 TPP交渉で一部農産物を貿易自由化の例外とする日本の主張が認められない場合でも「主張が認められるまで交渉を継続すべきだ」と回答したのは71・8%に上り、「交渉から離脱すべきだ」との答えは19・3%にとどまった。
 TPP交渉参加について地域別では、北海道で評価しない人が計52・6%に上り、唯一評価する人を上回った。

 <北海道新聞3月25日朝刊掲載>

全国で唯一、北海道でTPP交渉参加を評価しない人が評価する人を上回ったそうだ。
この結果は何を意味するのだろう。
TPP参加で北海道農業が壊滅的な打撃を被る、と予想されている事が大きな理由だと思うが、果たしてそれだけだろうか?

農業以外にも大きな問題として医療が上げられる。
国民皆保険制度という日本の素晴らしい保険制度が崩れるかもしれない。
これは、全国民に共通した重大かつ深刻な問題である。
政府やマスコミはこの事を正確かつ詳細に報道しているのだろうか?

24日の北海道新聞にはTPP交渉参加による医療への影響について記事が掲載されていたが、あれを読んだほとんどの人は将来に対する不安を掻き立てられたと思う。
健康保険を適用される人とされない人が出てくる、あるいは、保険が適用されない病気が増える、というような事が現実に起こるかもしれないのに、それでもTPP交渉参加を評価するのだろうか?

私は、出来るだけいろいろな新聞社の記事を読んで内容を比較・検討するように心掛けているが、圧倒的に購読部数が多い主要紙がきちんとした情報を伝えていないような気がする。
その点、地方紙である北海道新聞はかなり突っ込んだところまで報道しているし、ネットでたまに赤旗新聞などを読むと凄い事が書いてある。

日頃からいろいろな新聞記事を読んで、「何が本当に正しいのか?」という真実を探し当てる目を養っておく必要がある。
私は、最初から全ての関税撤廃を前提として進んでいるTPP交渉に途中から参加し、日本が有利になるような結果を引き出せるほど世界は甘くないと思うので、交渉に参加するべきではなかったと考える。
政府は国益に適った判断だったと胸を張っているが、利益を得るのはほんの一握りの輸出産業で、一般国民には不利益のほうが大きいと予想できる。

主要新聞紙は、そのへんをもっと正確かつ詳細に報道すべきだ。
そうすれば、世論調査の結果も違ったものになっていたかもしれない...


TPP交渉63%支持 安倍内閣支持70%

2013年03月18日 | TPP問題
毎日新聞は16、17両日、全国世論調査を実施した。安倍晋三首相が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への交渉参加を正式表明したことについて「支持する」との回答は63%で、「支持しない」の27%を大きく上回った。安倍首相の経済政策により、景気回復が「期待できる」と答えた人は65%に上り、「期待できない」は30%にとどまった。安倍内閣の支持率は70%に達し、2月の前回調査から7ポイント上昇。「支持しない」は5ポイント低下し、14%だった。
 TPP交渉参加の支持は30代以上の世代で6割前後に及び、不支持を上回った。一方、20代では不支持が50%を占め、支持の47%と逆転。市場開放で雇用機会が奪われることに警戒感もうかがえる。地域別にみると、北海道の不支持は53%に上り、支持40%より高い。

(以上、毎日新聞記事より抜粋)

70%もの内閣支持率は何でも出来るという口実を与えてしまったか...
おまけにTPP交渉参加の支持が60%を超えたとなると、後はイケイケドンドン??
「20代では不支持が50%を占め支持の47%と逆転」というのがわずかな救いだ。
「北海道の不支持は53%に上り支持40%より高い」というのも当然の結果だろう。

大雑把に言うと、都市部に住む30代以上の世代は6割以上がTPP交渉参加を支持している、ということになる。
私にしてみれば、この結果に大きな不安と懸念を感じる。
本来ならば、関税が撤廃されたら国民の生活はどのようになるのか、という詳細なシュミレーションを数パターン示してから世論調査を行うべきだ。
ただ何となく景気が良くなるくらいの予想で調査をしても、反対する理由が明確でなければ何となく支持してしまうのは当たり前で、それを責めるのはお門違いだ。

責めるべきは、詳細な情報を国民に開示しないままに一握りの人達の政治・経済論理?で性急に交渉に臨もうとしている政財界だ。
今回の決断の是非はいづれ歴史が証明することになるが、今やらなければならないのは、自衛手段としてTPP交渉結果に翻弄されない生活や産業のあり方を、早急に構築して行く事だ。

そのためにも、私はこれからも今の仕事をやり続けなければならない。

米自動車団体、日本のTPP交渉参加に反対声明

2013年03月17日 | TPP問題
 大手自動車メーカーでつくる米自動車政策会議(AAPC)のブラント会長は15日、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加について、オバマ政権に受け入れないよう求める声明を出した。
 声明では日本について「先進国で最も閉じられた自動車市場」と糾弾。とくに円安に誘導する為替操作を実施しているとし、「日本の行動は通貨戦争を引き起こすと国際的にも非難されている」と指摘した。
 そのうえで、日本がTPPに加わると日本車に米市場が奪われて米雇用が失われるうえ、TPP交渉も混乱して遅れると説明。「我々は自由貿易を支持するが、日本はほかの貿易相手国のように扱うわけにはいかない」と強調した。

<以上、朝日新聞記事より抜粋>

一昨日のブログで「日本のTPP参加に対して異議を唱える国々があっても不思議ではない。
かのアメリカでさえ、日本の参加には自動車業界から猛烈な反発を食らっていると言う。」と
書いたが、早速、アメリカからそのニュースが飛び込んで来た。

そもそも日本がTPP交渉を急いだ理由は、安倍首相が訪米の際にオバマ大統領への手土産がどうしても必要で、その切り札としてTPP交渉への参加が持ちだされた、というのが真実らしい。
だから、TPP交渉で主導権を握りたいアメリカにとっては日本のTPP交渉への参加は飛んで火に入る夏の虫だったはずだが、実は夏の虫には火薬が仕掛けられていて交渉が成立した途端にあちこち飛び火するため、アメリカ国内、とりわけ自動車団体から猛反発を食らっているというのが現状だろう。

アメリカの自動車団体の主張は自国の権益を守るためには当然の話で、日本の農業団体の主張と根っこは同じである。
どこの国も自分の国の権益は守りたいのは当たり前の話で、日本政府が言っているような都合の良い話で交渉がまとまるなどとは、到底考えられない。

守るべき国益とは何なのか?それは前にも言ったように、置かれた立場によって人それぞれ違うものだから、自分達の国だけの利益を主張したところでまとまる訳がない。
結局、人類全体、地球全体にとって何を優先的に守らなければならないのかという視点に立たなければ、各国間の利害を調整するのに膨大な時間と労力と資金を投入したけれど、たいした結果も得られなかったという事になると思う。
かつて、ガットのウルグアイ・ラウンドやドーハ・ラウンドで経験したように...

続々TPP

2013年03月15日 | TPP問題

 安倍晋三首相は15日午前、国会内で自民党の石破茂幹事長らと会談し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する意向を伝えた。昼には公明党の山口那津男代表と会談し、理解を求めた。首相は同日夕に首相官邸で記者会見し、交渉参加を正式に表明する。自由貿易の推進の重要性などを訴える考えで、官邸主導で臨むTPP交渉に向けた体制づくりを急ぐ。

 首相は自民党幹部にTPP参加の意義に関し「アジア太平洋貿易圏が誕生する。そのルール作りをしていかなければならない。国内総生産(GDP)世界第3位であるわが国が同盟国の米国とともに主導的にルールを決めていく」と表明した。

 この時期に決断した理由については「仮に(7月の)参院選後になるとほとんど交渉することは不可能で、参加しないか、すべて決まったルールに従って入ることになる」と指摘。「日本として守るべきものを守り、取るべきものは取ることを強い交渉力を持って実現することが必要だ」と述べた。

中略

 TPP交渉は今後、5月と9月の会合が決まっており、早ければ10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場での大筋合意を目指している。茂木敏充経済産業相は15日の閣議後の記者会見で首相の参加表明後、直ちに交渉参加国に通知する考えを示した。同時に「(交渉会合は)場合によっては7月という話も出ている。早い段階で協議に入るのが望ましい」と強調した。

 併せて、政府はTPP参加に伴う経済効果の統一試算を公表する。輸出の増加などでGDPを3.2兆円(0.66%)押し上げると試算。安価な農産品の流入で農林水産業の生産額は3.0兆円落ち込むとの見通しも示すが、他の産業の伸びがそれを補う。TPP担当相を兼務する甘利明経済財政・再生相が15日夜の記者会見で明らかにする。

後略

-以上、日本経済新聞の記事から抜粋-


さて、TPPへの参加を最も望んでいる人達はいったい誰だろう?
TPPの善し悪しは、置かれた立場によって全然違うものになる。
その代表的な例は農業者と工業製品製造者だ。
どこの国もTPP参加によって最も利益を得る人達のために、TPP交渉を強く推し進めているのが現状ではないだろうか?
だから、日本のTPP参加に対して異議を唱える国々があっても不思議ではない。
かのアメリカでさえ、日本の参加には自動車業界から猛烈な反発を食らっていると言う。

もともと四ヵ国でスタートしたTPPがアメリカの参加によって巨大なマーケットに変わろうとしている。
それに日本が加わればこの二ヵ国だけでTPP全体の8割だか9割の取扱高になると言う。
アメリカにしてみれば、同盟国の日本を抱き込んでヨーロッパや中国のマーケットに対抗するしか生き残る道はないのかもしれないが、巻き込まれる日本にどれほどのメリットがあるのだろうか?

その当たりの検証はほとんどなされていない。
今日の新聞記事に「輸出の増加などでGDPを3.2兆円(0.66%)押し上げると試算。安価な農産品の流入で農林水産業の生産額は3.0兆円落ち込むとの見通しも示すが他の産業の伸びがそれを補う。」とあるが本当か?
この試算は付け焼刃みたいなもので、3.0兆円落ち込むというのはMAXではなく、もし聖域が取っ払られたらそんなもんでは済まされないだろう。
そうなると日本の農業は産業として成り立たなくなるし、農業・農村地域そのものが崩壊してしまう。

その時日本人は自分達の食料をどのように確保するのだろう?
もし、諸外国からほとんどの食料を調達しなければならなくなれば、日本はまさしく諸外国の植民地と化してしまうことは想像に難くない。
だから、我々は自衛的農業を目指している。
TPPへの参加が決まった今、これから日本の食卓を守るためには、生産者と消費者の連携・協働による地産地消を拡大して行くしかないだろう。

続TPP

2013年03月13日 | TPP問題

たった今、次のようなニュースが飛び込んで来た。

---自民党は13日夜、環太平洋連携協定(TPP)に関する対策委員会(西川公也委員長)の総会を党本部で開き、安倍晋三首相の交渉参加を容認する決議を了承した。同時に決議では重要農産品と国民皆保険制度を「聖域」として関税撤廃の原則などから例外とするよう要求。「脱退も辞さないものとする」と首相に強硬な姿勢を求めた。自民党は14日に決議を首相に提出する予定。これを受け首相は15日に交渉参加を正式表明する。決議はコメ、麦、牛肉、乳製品、砂糖を念頭に農水産分野の重要5品目と国民皆保険制度を挙げ「聖域(死活的利益)の確保が確保できない場合は脱退も辞さない」と注文を付けた---

2月16日にTPPの話題を取り上げてからまだ一カ月も経たないうちに、もう交渉参加を正式に表明することになるとは...
全体的な議論も何も無いままに決めてしまうとは、あまりにも強引で無謀な決断としか言いようがない。
農水産分野の5品目と国民皆保険制度だけを聖域とする根拠は何だ??
こんな安易な事ではその聖域すら守れないだろう!!