北のパラダイス

思いつくままにいろいろな事を発信していきたいと思います。

下水道普及率

2013年04月30日 | 水問題
海外からの来訪者が日本に来てまず感動することは、トイレのウォッシュレットだそうです。
実際、5年半くらい前にアメリカの西海岸から来られた60歳くらいの自動車会社経営者をお世話した時、その方(ボブさんという190cmくらいの大男でした)がウォッシュレットにたいへん感動されたことを鮮明に覚えてます。

今では、一般家庭や職場のみならず公衆トイレにもウォッシュレットが備わっていますが、このような国は世界中探しても見当たらないらしいです。
それを可能にしているのは、日本の高水準の下水道普及率とそれを支える下水道技術の高さです。

平成24年3月31日現在、全国の下水道普及率は75.8%で、日本国民の3/4が下水道を利用しています。
エッ、そんなに低いの、と驚くかもしれませんが、残りの1/4は浄化槽などできれいに浄化した水を河川などに流しています。

下水道普及率の都道府県ベスト5を上げると、①東京都~99.3%、②神奈川県~95.9%、③大阪府~93.8%、④京都府・兵庫県~91.7%となっていて、高普及率の都道府県は大都市圏内に集中しています。(海外から来られる方は、だいたい大都市圏内のトイレしか利用しないと考えられます)

一方、下水道普及率の低い方から5県を上げると、①徳島県~15.5%、②和歌山県~21.8%、③高知県~34.5%、④鹿児島県~39.8%、⑤香川県~42.4%となっていて、このような所にお住まいの人達は、先ほど述べた浄化槽などを使っていると思われます。

今から40年以上前、私の札幌の実家もまだ汲み取り式のトイレでした。
下水道が完備されて水洗化になったのは、高校生になってからだと記憶しています。
ちなみに札幌市の下水道普及率は99.7%、北海道全体でも89.7%という高水準です。

ところで、日本の下水道普及率と下水道技術の高さは、元を辿ると江戸時代に遡ると思われます。
当時、すでに100万都市だった江戸の町から出る排泄物の量は膨大なものでしたが、それは下肥として川上の村々に船で運ばれ、畑の貴重な肥料として利用されていました。
今でいう環境保全型社会が、数百年前の江戸とその周辺の村々ですでに構築されていた訳です。

当時の江戸には海外から沢山の外国人が訪れていたそうですが、江戸の町の清潔さに驚いたという記録が残っていて、侵略の足がかりを付けに来た外国人も、日本人の勤勉さと町の清潔さを目の当たりにして侵略を諦めた、という話もあるくらいです。

15~16世紀にヨーロッパ中に大流行したペスト病はネズミを媒介としたものですが、処理されずに放置されていた人間の排泄物によってネズミが大繁殖したそうで、もし日本のような環境保全型社会が構築されていれば、ヨーロッパの2/3の人口がペスト病で失われたという事態を免れたかもしれません。

日本の下水道普及率と下水道技術の高さは、日本人の清潔さと勤勉さの賜物です。
それに加えて、雨雪が多く水が潤沢に得られるという気候条件と、水を溜め込んでおける森林と水田という貯水機能を有する土地条件を兼ね備えているところに、下水道施設を普及させることができる源泉があります。

水を制する者は社会を制する、転じて、水を制する国は世界を制する、ということになります。
日本の水は世界に誇れる素晴らしい資源です。
日々水に感謝して暮しましょう!!



「高い責任意識武器に」 米公使 帯畜大で農業問題など論議

2013年04月29日 | TPP問題
  米国のカート・トン駐日首席公使は25日、帯広畜産大を訪れ、学生らと環太平洋連携協定(TPP)問題について意見交換した。トン氏は「経済のグローバル化が避けられない中、日本経済全体のためにTPPを結んだ方が良いと思う」などと述べた。

 学生17人が参加。トン氏は学生からの質問に答える形で、TPP問題を中心に日米の農業や貿易についての考えを語った。

 十勝の農業が、大規模な米国との競争で負けるのではないかという懸念に対し、トン氏は「競争には価格や品質面と、もう一つマーケティングに力を入れるというのがある」と答えた。

 例として、1990年代に欧米でもヒットした日本の携帯液晶ペット「たまごっち」を挙げ、「結構高かったが、マーケティングだけで売れ、マーケティングの力を示した」などと述べた。

 その上で、「食料を作るのは単に食べ物を作るだけではなく、消費者のために製品を作るという意識が強くなければいけない」として、「日本は米国より責任意識は高いかもしれない。それを競争の武器に使える」との見方を示した。

 意見交換後、質問した畜産科学課程4年の佐川愛さん(21)は「マーケティングは思いつかなかった。(TPPで)日本がうまくやれるか分からないが、私たち若い世代がしっかり考えないといけない」と話した。

 トン氏は、国内随一の大規模農業地帯を視察しようと、24日から3日間の日程で初めて十勝入りした。

 帯畜大訪問に先立ち、25日朝には帯広市役所を訪問し、米沢則寿市長と懇談した。米沢市長は十勝の農業競争力を高める取り組みを紹介、トン氏は「米国人には、北海道は環境に恵まれているイメージが強い」などと話していた。

(2013/4/26 10:45 北海道新聞)

<感想>

アメリカという国は、常に相手国の立場を尊重し、フィフティフィフテイの関係を結んだ上で、自国の権益を主張し、自国のルールを相手国にも当てはめようとする姿勢を感じます。

今回のカート・トン駐日首席公使の発言も、実にアメリカ人らしいパートナーシップに基づいた意見だと思いますが、同時に、農産品の聖域なき関税撤廃を示唆する発言であることも窺えます。

90日後のTPP交渉本会議に日本が参加した時には、全ての品目の関税撤廃が日本を除く11カ国で完全合意に達していて、日本が聖域云々を持ち出す場は多分与えて貰えないでしょうね。

このGW中に政府高官がこぞっと外遊し、日本と同調してくれそうな国を探しに行ってるみたいですが、どのくらいの成果を持ち帰って来れるのか楽しみ?です...。

北海道の野菜

2013年04月28日 | 農業問題
三年半ほど前のHPトピックスで「北海道農業の実力」という話題を掲載しました。
http://urcf.co.jp/topics/090903.html
その中で、下記に示した農産物の生産量が全国一であることを述べました。

品目・生産量・全国シェア
テン菜・430万t・100%
インゲン・2.2万t・95%
小豆・5.8万t・89%
ジャガイモ・224万t・78%
小麦・58.2万t・64%
大豆・5.4万t・24%
タマネギ・71.2万t・56%
カボチャ・11.0万t・47%
スィートコーン・11.6万t・45%
ニンジン・19.6万t・29%
(平成19年北海道農林水産統計年報・北海道野菜地図、平成20年北海道指定生乳生産者団体情報等より)

この中で注目されるのは、一般的に「野菜」と言われる農産物で全国一なのはタマネギ、カボチャ、スィートコーン、ニンジンですが、収穫・販売の期間が限られており、タマネギ以外は市場に出回る期間はせいぜい11月末までか、遅くても年内までです。

ホウレンソウ、キャベツ、ナス、ピーマン、ダイコン、ブロツコリーなど、食卓によく上がる他の野菜も北海道ではたくさん生産されていますが、同様に、収穫・販売期間は遅くても雪が降り始める頃の11月いっぱいまでというのが実情です。

北海道では、だいたい11月後半から4月前半までの約5ヶ月間は戸外で農産物を生産することはできないので、ジャガイモやタマネギ、ゴボウ、ナガイモ、豆類などある程度長期間貯蔵できる作物以外は、本州や海外から輸入しているのが現状です。

4月19日のブログにも書きましたが、北海道農業の泣き所はまさにここにあります。
TPP交渉で農産物の聖域なき関税撤廃という大きな問題が取り沙汰されていますが、冬期間の野菜供給問題はTPPとは別な次元で、北海道農業の古くて新しい大きな問題です。

いろいろな所で様々な方法によって、冬期間における北海道野菜の生産・販売の取り組みが行われていますが、決め手となる有効な手立ては未だ確立されていません。
TPPがあろうとなかろうと、北海道農業にとってこの問題は避けて通れません。

しかし、TPPを逆手に取れば意外なところに解決策が潜んでいるような気がします...。

同期会(花見の宴)

2013年04月27日 | 日記


ゴールデンウィーク初日、桜のつぼみもまだ開いていない中で、高校同期の花見の宴がお寺で開かれました。
場所を提供してくれたクラスメートで徳生寺のY住職と奥様のご厚意により、たいへん盛り上がり楽しい宴となりました。

用意された料理の数々はほぼ完食となり、お酒もだいたい飲み干されました。
同期生バンドの演奏会のほうも盛況のうち無事に終えることができました。

楽しかったですが疲れました。
今日はこのへんで休みます。

バンド演奏

2013年04月26日 | 音楽
27日からゴールデンウイークの前半戦が始まりますね。
札幌の桜の開花はまだですが、27日の午後、高校同期会の花見を行います。
会場はクラスメートが住職をしているお寺です。

今年の参加者は20名以上になりそうだと幹事から連絡が入り、何かイベントをやりたいので同期生バンドで演奏して欲しいと頼まれました。

たまたま昨晩、ススキノの某ライブバーでバンド練習があり、普段は6名の男女混合バンドでジャズやボサノバを演奏してますが、他のメンバーのご厚意により、後半に花見用の演奏の練習を同期生3人でやってみました。
以前演っていたジャパンポップスなどを久しぶりにオリジナルメンバーで演奏しましたが、とても楽しかったです。

元々は40年前の学校祭でバンド演奏した仲間が、11年前の再会を機にバンドを再結成したのが始まりで、しばらくはビートルズやジャパンポップスを演奏してましたが、5年ほど前からジャズとボサノバに挑戦し、今では、女性ピアニスト、女性ボーカリスト、男性アルトサックス奏者が加わった6人編成になりました。

明日はギター、ベース、ドラム(カホーン)というオリジナル編成で臨みますが、気楽な仲間うちの演奏会なので演るほうも楽しみたいと思ってます。
バンド演奏していると日頃の疲れも吹き飛びます。
音楽って本当にいいもんですね。

日本のTPP交渉参加、米議会に通知 7月合流へ

2013年04月25日 | TPP問題
【ワシントン=矢沢俊樹】米通商代表部(USTR)は24日、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に日本が参加することを認める方針を米議会に通知した。90日間の通知期間を経て7月下旬に正式に参加が承認される見通し。参加後は日本が「聖域」とする農産品の関税の扱いなどを巡り、実質的な個別交渉が正念場を迎える。

 日本は2012年11月から交渉会合に加わったカナダ、メキシコに次ぐ12番目の参加国になる。自動車市場などを巡る日米事前協議が今月12日に大筋合意したのを受け、20日には調整が難航していたカナダなどを含む11カ国すべてが参加受け入れを表明。最終的にUSTRが通商交渉入りの際に慣例としている米議会への通知を実行した。

 自動車業界の意向を受けた議員の反発が一部で強いものの、承認自体が遅れる可能性は低い。マランティスUSTR代表代行は24日の議会宛て書簡で、「重要な貿易パートナーかつ、親密な同盟国である日本の参加によりTPP合意の経済価値を高める」と日本を歓迎する意向を表明した。

 ただ、関係筋によると7月の交渉会合は15日の週から実質的に始まる方向。規定通り議会で90日かかると、日本は初回会合の終盤の数日しか参加できない恐れもある。

 日米はTPP交渉と並行して自動車貿易や、保険などの非関税障壁を巡る協議を進める。重要品目であるコメなど農産品の関税撤廃の扱いを巡っても各国との厳しい個別交渉が待ち受けている。

 米、豪など先行する11カ国は年内の交渉妥結を目指しているが、難題が山積しているだけに交渉全体の先行きも予断を許さない状況だ。

<2013/4/25 6:35 日本経済新聞>


12カ国によるTPPゲームがスタートしましたが、いきなり90日間のおあづけというハンデを背負わされました。
他の11カ国はこれまでに何回か会議の場で交渉を進めているので、もうすでに中味がある程度固まって来ている案件もあるでしょう。

7月下旬の会議参加に間に合ったとして、どれほど日本の有利な条件で交渉が進められるのか...???
この際だから、農業や医療など絶対に譲れない案件で交渉を長引かせて年内妥結を阻む、という手でも使うべきですね。
最初から不利なんだから、それを逆転して有利に持ち込めためには、尋常な手を打っていては勝ち目はないです。
ゲームに勝つためには当たり前の話ですが...。

しかし、ゲームのルールが例外なき関税撤廃なので、「日本が主張している聖域そのものがルール上認められるの?」というのが私の素朴な疑問です。
12カ国間ゲームの中で最大の敵はアメリカだと思います。
この90日間でどんな手を打って来るのか? それこそ予断を許さない状況です。

農産品を守る事は当然重要ですが、「国民皆健康保険制度」は絶対に死守しなければ、日本人の将来に禍根を残すことになります。
お隣の韓国は、アメリカとのFTA2カ国間交渉で農業と保険制度をガタガタにされました。
アメリカは底知れぬ恐ろしさのある国です。(なんせ日本に原爆を落とした国ですから)

多民族国家で契約社会であるアメリカは、義理人情と阿吽の呼吸を大事にする日本とは、根本的に相容れません。
だいたい、なぜ議会承認まで90日間も待たされなければならないのか?
このことだけでも、TPPがアメリカ主導のゲームだということがよく解ります。

江戸末期の黒船来航以来、日本はアメリカに負けっぱなしです。
太平洋戦争で敗北し無条件降伏してからはアメリカの属国です。
そんな日本がTPPゲームで勝利するためにはどうしたら良いのか?

まずは意識の上で属国から抜け出すこと、要するに精神的にアメリカを上回ることです。
次に、知力で優ることです。
体力差が歴然としている強敵に勝つためには、気力、知力で優位に立つしかないでしょう。
あとは、相手の弱点を見つけたら徹底的にそこを攻め続けることですね。

戦いとはそんなものです。
基本的に狩猟民族であるアメリカは、勝つために手段を選ばないでしょう。
日本は農耕民族ですから、基本的に和を尊びます。
抜け駆けして自分だけ利益を得たら、周りから袋叩きにされて村八分になるのが日本の社会です。
しかし、狩猟民族の社会では、相手を出し抜き自分だけが勝ち抜く、という姿勢がなければ生きていけません。

相手の国の事情なんかお構いなしです。
アメリカと同じルーツを持つカナダやオーストラリア、ニュージーランドも基本的には同じです。
ただ、アメリカは野球やアメリカンフットボールなどに見られるように、自分達の国でしか通用しないゲームを創り出し、それを海外に広めようとする国です。
要は自国のルールを相手国に強要する国です。

でも勝つための指標はあります。
かつて日本がワールド・ベースボール・クラシックで何度もアメリカに勝利し、優勝した経験です。
なぜ日本は勝てたか?優勝できたか?
それは体力や経験で劣っていても、気力や知力でアメリカを優っていたのが一因ではないでしょうか。

所詮TPPもゲームです。しかし負けられないゲームです。
日本人と人類の将来がかかった大切なゲームであると言っても過言ではありません。
でも所詮ゲームなので途中で降りる事は可能なのです。
ポーカーでもマージャンでも、勝つ見込みがないと判断したら途中で降りますよね(笑)

参加表明したんだから、まずは勝ちに行きましょう!!
「2頭を追う者は1頭も得ず」という諺がありますが、TPP交渉では、2頭でだめなら3頭でも、4頭でも、5頭でも狙わなければ1頭を得ることはできないと思います。
もし、日本が4頭も5頭を得ることができたら世界は劇的に変わるかもしれません。

「義理人情」を捨て、「阿吽の呼吸」を捨て、「勝つためには手段を選ばない」ことを選択し、再びアメリカの属国にならないことを祈るばかりです。



農相と経団連が10年ぶり会談 農地集約など意見交換

2013年04月24日 | 農業問題
 林芳正農相と経団連の米倉弘昌会長ら経団連幹部は24日午前、都内のホテルで会談した。林芳正農相は耕作放棄地の解消や農地集約を進めるための「農地中間管理機構」(仮称)を各都道府県に整備する方針を説明。「耕作放棄地状態の発生防止と速やかな解消を図る」との考えを示した。

 経団連側の出席者からは「農地集積と経営大規模化に向けた税財政上の支援措置拡充や規制見直しなど政策の総動員をしてほしい。大規模で効率的な経営を目指す生産者にインセンティブが働く改革が必要だ」といった意見が強かった。若年層の就農促進を促す具体策を求める声もあった。

 経団連の米倉弘昌会長は会談後、「耕作放棄地はどんどん有効活用しなくてはならない。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加が決まり、農業改革は余計に喫緊の課題だ」などと記者団に語った。

 経団連側の呼びかけに林農相が応じた。経団連会長と農相の会談は2003年の奥田碩会長と亀井善之農相の会談以来10年ぶりという。

〔日経QUICKニュース(NQN)2013/4/24 10:49 〕


北海道以外の都府県の農業は昔から兼業農家が主体で、農業以外からの収益のほうが多い第二種兼業農家の数も相当数あると言われています。
所有農地面積も1ha以下というのがほとんどで、猫の額ほどの田んぼや畑で細々と農業を続けている兼業農家も沢山いるというのが実態です。
また、農業者の高齢化により農業の担い手が少なくなり、使われなくなった農地いわゆる耕作放棄地が全国各地で激増しています。

農林水産大臣と経団連幹部との意見交換で話し合われた「耕作放棄地の解消や農地集約を進めるための〔農地中間管理機構〕(仮称)を各都道府県に整備し、耕作放棄地状態の発生防止と速やかな解消を図る」というのは、上記のような実態があるからで、TPP交渉参加による関税撤廃で安価な農畜産物が大量に海外から流れ込んで来ることを想定した考え方です。

一見、理に適っているように思えますが、農業者からすると農業の本質や実態からズレていると感じると思うのではないでしょうか。特に北海道の農業者は...。

都府県いわゆる本州の耕作放棄地を集積して所有農地を拡大することにより経営の大規模化を図る、というのが経団連側の言い分ですが、仮に今の10倍、水田が10ha規模、畑が20ha、酪農畜産が30ha規模に拡大されたとしたら、ちょうど今の北海道の平均的な経営規模となります。

これで海外の農畜産物に対抗できるでしょうか?
否です。
北海道農業はTPPにより関税撤廃となれば壊滅的な状態になります。
大規模経営だからこそ壊滅するのです。スケールメリットはありません。

農地面積が数10ha規模になると専業農家にならざるを得ず、農業以外から収入を得ることは難しくなります。
仮に聖域が認められず、北海道の主力農産物であるコメやビートなどが海外産に置き換わってしまうと、専業でコメやビートを生産している農家はたちまち行き詰ってしまいます。

聖域が認められれば大丈夫だろうと思うかもしれませんが、農林水産大臣と経団連幹部との意見交換は、聖域が認められない場合の事を想定したものだと思います。
また、コメやビート以外の農産物を作れば何とかなるだろうと思うかもしれませんが、これも否です。
それ以外の物はさらに過酷な状況に追い込まれることが予想されます。

一方で、企業が農業に参入し大規模経営によって安い海外農産物に対抗するという考え方もありますが、過去、このような考え方でうまくいった話をあまり聞きません。
何故なら、農業はお天気任せ、自然任せの要素が多い産業ですから、工場で自動車や電化製品を生産するのとは訳が違います。

いくら企業が大規模経営で最新の設備を整えたとしても、天候不順による生産量の減少や品質の低下を免れることは困難です。
また、農業技術を一朝一夕でマスターすることも困難で、それこそ何十年というスパンで技術を習得し、蓄積しないと農業を続けることはできません。

ですから、農業に新規参入した企業が、何年も天候不順や経験不足、未熟な技術によって赤字が続き農業から撤退したという話は枚挙の暇がありません。

それじゃ、どうしたら良いのでしょう? 
もう、日本農業はダメなのでしょうか?
それも否です。
ちゃんと生き残る道はあるのです。
それは...企業秘密です。
嘘です(笑)。

このへんのところはまた別な機会にお話してみたいと思います。

宮の森アイス「ホエーミルク」

2013年04月23日 | グルメ
4月12日のブログに第2弾目のアイス「プレーンタイプ」について紹介しましたが(http://blog.goo.ne.jp/sumitomohiroshi/d/20130412)、試作品が出来上りいろいろな方々に試食して戴いたところ、そのまま販売してもOKという高い評価が多かったものですから、デザインとパッケージの製作を早急に進め来月中には販売できる体制を取ることにしました。

サブのネーミングも当初の「プレーンタイプ」から「ホエーミルク」とし、白糠酪恵舎のモッツェレラチーズのホエーをアイスクリームに混ぜ合わせていることを前面に押し出すことにしました。

現在は、北海道どさんこプラザ札幌店・東京有楽町店・名古屋店の3店舗のみの販売ですが、これから夏に向かってアイスクリームの本番を迎えるため、それに合わせいろいろな所で販売できるよう販路開拓に乗り出していますので、今後とも皆様方のご支援をよろしくお願いします。

カフェ・ド・キキ

2013年04月22日 | グルメ




札幌市北区屯田のカフェ・ド・キキにお米を配達に行って来ました。
ここのお店はオーナーの手料理がメインで、日替わりの定食メニューがお薦めです。
今日は休憩中のところに行ったんですが、ランチどきはお客様でいっぱいになる人気店です。

オーナーの旦那さんが高校の同級生なので、同期会の収穫祭は毎年ここを借りて開催してます。
住宅街にあるカフェレストランですが、バス通りに面しているので分りやすい場所です。
お近くをお通りの際には是非お立ち寄り下さい。

後藤農園

2013年04月21日 | グルメ





石狩市美登位の後藤農園に行って来ました。
後藤農園はこの地で100年以上に渡って稲作と畑作を営んでいる篤農家です。

農園主の後藤さんと奥さん、息子さんの家族経営で、14haほど所有する水田でナナツボシやオボロヅキなどを栽培しています。
畑は奥さんが中心になって、ジャガイモ、ダイコン、ニンジン、トウキビ、大豆、黒豆などを栽培しており、ジャガイモと黒豆は弊社を通してコープさっぽろのご近所やさいコーナーで販売しています。

今日は、雪の下で越冬させたダイコンを掘り出したと言うので見に行って来ました。
この時期はまだ北海道産のダイコンが市中に出回っていないので、売るなら今がチャンスです。
冬の間、雪の下で寝かしたダイコンは、甘みがありシャキシャキしています。
昨年も今頃、後藤農園の雪の下ダイコンを500本ほど販売しましたが、店に置いたらその日のうちに完売してしまうほどの人気商品でした。

早速、帰りに近くのコープさっぽろあいの里店に寄ってダイコンを見せて来たところ、来週から置いてもいいよと言って貰えたので、連休前に完売させることを目標に、明日から後藤さんには頑張って作業して戴くことにしました。

後藤農園の作物は、コメにしても、イモにしても、マメにしても、ダイコンにしても、どれを食べても美味しく、しかも同じようなコクがあります。
後藤さんのご主人に言わせると、後藤農園オリジナルの作り方があるそうで、今のところそれは企業秘密です。

長都沼

2013年04月20日 | 日記


千歳アウトレットモール・レラからの帰り、郊外を遠回りして、千歳市と長沼町にまたがる「長都沼」に寄ってきました。
この沼は、大雨時に一時的に洪水を滞留させて千歳川にポンプ排水させるために作った人工沼です。

ふだんは水鳥が沢山群がる景勝地として、水鳥の好きな人達には人気のスポットとなっています。
今日も、沼に通じる排水路で白鳥が餌を探していました。
近寄ってカメラを向けると、歩いて沼へ移動して行きました。

今の時期に白鳥が居るのは珍しく、沼にはこの一羽しか見当たりませんでした。
きっと何かの事情でこの沼に残されてしまったんでしょうね。
いつも排水路で餌を探しているためなのか、顔から首にかけて泥で茶色くなってました。

私もこんなに間近で白鳥を見たのは初めてですが、ずっとカメラを向けていたので、向こうもいったい何をされるのか不安だったでしょうね。
食事中のところを邪魔してしまい、白鳥さん、ごめんなさい。

千歳アウトレットモール・レラ

2013年04月20日 | 日記




千歳市の南千歳駅に隣接した「千歳アウトレットモール・レラ」で家内とウィンドショッピングして来ました。
開業8周年にもなるそうで、いつも新千歳空港駅との往復時に眺めるだけでしたが、初めて中に入りました。

想像以上の広さとお客さんの数に、正直なところ驚きました。
テナントの数は130店舗を超え、衣料品店、飲食店、靴・時計・バッグ・ジュエリー・眼鏡などの専門店、スポーツ・アウトドア、ペット用品など、バラエティに富んでおり、なかなか一回では見て回ることはできなさそうです。

人によっては何時間居ても飽きない所かもしれませんし、また来たくなる所かもしれません。
私も家内もまた来てみたいなと思いました。

道内農産物、雪氷倉庫で出荷調整 推進協設立へ 産地・流通基地に保管

2013年04月19日 | 農業問題
 収穫後、すぐに首都圏に運ばれる道内の農産物を、雪や氷を活用した倉庫で保管することで、産地側で出荷調整する構想が動きだす。道内の雪氷冷房に取り組む専門家と自治体、民間企業らが25日、食料流通備蓄推進協議会を設立。雪国特有の自然エネルギーを利用した倉庫を産地に建設することで、農産物の付加価値向上と新たな雇用創出を目指す。

 協議会の設立メンバーは美唄市、空知管内沼田町のほか、道銀の堰八義博頭取、釧路食料基地構想協議会の栗林定正会長、岩田地崎建設の岩田圭剛社長、北海道国際経済交流会の森田哲明会長ら50人ほどを予定している。

<北海道新聞4月19日朝刊掲載>

雪や氷を活用した倉庫(シェルター)で農産物を保管する技術は、これからの北海道農業にとってますます重要な技術になると思います。
以前から、スノーシェルター、アイスシェルター、永久凍土シェルターなどで、秋に収穫したコメや野菜を翌年の春以降まで冷温貯蔵して出荷する取り組みが、一部の農業者、企業、研究機関で行われて来ましたが、このほど設立される食料流通備蓄推進協議会のような大きな組織で取り組みが始まるのは、これまでになかった事ではないかと思います。

北海道は食料自給率190%を誇り自他共に認める日本の食料基地ですが、冬場に雪や寒さで農産物を戸外で生産できない事が泣き所になっています。
少なくても、12月始めから3月いっぱいまでは、何処の野菜売り場に行っても北海道産の野菜といえばジャガイモ、タマネギ、ゴボウ、ナガイモなど、ある程度貯蔵ができる物しか置いてありません。
たまに、雪の下で寝かしたダイコンやキャベツ、ビニールハウスで栽培したホウレン草などの葉物が、わずかに出回っている程度です。

家庭料理でよく使われるニンジン、ピーマン、ホウレン草、ブロッコリー、コマツナ、キャベツ、ダイコン、ハクサイなどは、千葉県、茨城県、埼玉県、神奈川県などの関東地方から多く入荷されているのが北海道の冬場の実態です。
これでは、食料自給率190%を誇る日本の食料基地としては片手落ちです。
ただ、個人農家や単一企業だけの取り組みで解決できるような問題ではありません。
何とか、雪や氷を活用した倉庫で夏や秋に収穫した野菜を長期間冷温貯蔵し、冬場も道内外に出荷できる体制を、これを機会に確立して欲しいと思います。

食料自給率のカラクリ

2013年04月18日 | 農業問題
以前にも弊社のホームページのトピックスで取り上げたこともある食料自給率について、そのカラクリの一端を述べてみたいと思います。
食料自給率にはカロリーベースと生産額ベースの二種類がありますが、一般的に示されているカロリーベースのほうで説明します。

農林水産省から公表されている平成21年度の確定値と平成22年度の概算値を見てみると、
まず、平成21年度の確定値では日本全体の値は40%で、この値が一般的に示されている日本の食料自給率となります。
また、平成22年度の日本全体の概算値は39%でした。
しかし、ここにカラクリがあります。

全国値の他に都道府県別の食料自給率も同時に公表されていて、この値が実にばらついています。
例えば、東京都は1%、大阪府は2%、神奈川県は3%と、大都市圏の食料自給率は非常に小さな値になっているのに対し、農林畜水産業を基幹とする地域は、北海道190%、秋田県174%、山形県134%、青森県121%、岩手県108%、佐賀県101%、新潟県100%と、食料自給率が100%を超えています。(いづれも平成21年度の確定値)

即ち、一般に公表されている食料自給率40%は見かけの数字であって、日本の本当の姿を表してるとはいえません。
大都市圏に見られる1%~3%の自給率という実態は、ほとんどの食料を国の内外からの輸入に頼っているということであり、その周辺の府県も含めると、日本の総人口の半分程度の人達が食料自給率20%以下の地域に住んでいることになります。

ですから、もしTPP交渉で農産物の関税が撤廃され、雪崩のように安い輸入農産物が国内に押し寄せて来たら、国内農業の壊滅と同時に食料自給の壊滅という事態が想定される訳です。
その結果、東京都や大阪府並びにその周辺府県の食料自給率はさらに低下し、ほとんどの食料が外国産に置き換わることも想定されます。

このような状況でも、外国産の食料で何とか賄えると考えている人が大勢いると思いますし、そんな事すら全く理解してない人達もたくさんいると思います。
何故なら、このような話をメディアやマスコミは取り上げないし、ましてやTPPを推進している政府がこんな話を公表する訳もありません。

これは非常に恐ろしいことです。
安心・安全・安定供給が担保されるかどうか疑わしい輸入農畜産物に、自国の食卓を任しきることが本当に正しいのでしょうか?
安ければどんな物を食べてもかまわないのでしょうか?
何かの事情で農畜産物の輸入がストップしたらどうするのでしょうか?
そういうことまで想定してTPP交渉に参加しようとしているのでしょうか?
参加交渉してみたらやっぱり最悪の結果になってしまったで許されるのでしょうか?

以前にも述べたように、このような議論を尽くすことをしないままに見切り発車してしまった、というのが実態です。
今後どうするかは、国民一人一人の判断と覚悟にかかっていると言っても過言ではありません。

光を発するただの人であれ

2013年04月17日 | 日記
仏教法話からの引用です。


永平道元(1200~1253)が博多から中国の南宋に渡り、滞在していた船に、育王山の老てんざが、日本産の椎茸を買いにやってきました。

道元は、中国の話を詳しく聞こうと思い、お茶を出して尋ねました。

「いつ、育王山を出られたのですか」  

「昼過ぎだ」

「ここまでの道のりはどれくらいですか」  

「34~5里はあろうか」

「ここを、いつ立たねばならないのですか」  

「椎茸を買えばすぐに立つ」

「せっかくお会いできたのですから、もう少し話が聞きたいのです。ゆっくりされてはいかがですか」

「いや、明日は寺の僧たちへ食事の支度を私がしなければならないので、すぐに帰る」

「しかし、育王山のような大寺でしたら、食事を作る人は他に沢山おられるでしょうに」

「とんでもない。大衆に食事を出すことこそが、この老いぼれの大切な修行だ。どうして、他人に任せられよう」

「あなたは、ずいぶんお年を取っておられます。なのになぜ、座禅や法要をされないで、雑用に追われているのですか」

「お若いの、あなたはまだ、仏法の修業ということが良くわかっていないようだな。さて、寺に帰らなければ」


道元は、この老てんざの行動が、日常生活に投入している姿に心が揺さぶられたといいます。

仏法の悟りの生活とは、仏法を学んだり、修業したり、法要を営んだり座禅をしたりする中にあるのではないということになります。

これらは、悟りを得るための手段であって、雑用でも座禅でも日常生活の中に生きることにあるということです。

現在社会でも、何の見栄も飾ることもなく、どんな仕事でも自分のやるべきことに黙々と働く姿は、美しさを感じるものです。


<Fさんのブログ2012/6/30から転載>


私の理想像は「光を発するただの人であれ」です。
10年ほど前に何かの本でこの話を読んで感銘し、私も「光を発するただの人」になろうと決心しました。
「和顔愛語」「謙虚に生きる」「報恩感謝」「誠心誠意」「足るを知る」「初心忘るべからず」など、私のドラゴンボールにも通じる生き方です。

ただただ、黙々と愚直に日常の仕事を日々こなして行く、これが私の修行の道です。