【しんぶん赤旗 2013年5月4日(土)】
安倍晋三首相が日銀を巻き込んで進めている「異次元の金融緩和」。銀行に資金をジャブジャブ供給しても、企業が積極的に融資を受けて設備投資をするでもなく、これで「デフレ不況」が打開できるわけではありません。しかし、「余った資金が株式投資に流れこみ、株価が上がるだろう」と当て込んで投機的な資金が動き、株価が上昇しています。これによって、大株主の保有資産額は大きく増えています。
(垣内亮 日本共産党政策委員会)
<さらに金持ちに>
「日経新聞電子版」(4月15日付)は、この5カ月あまりの間に保有株式の時価総額が100億円以上増えた株主が38人にのぼると報じました。4月25日には、日本共産党の大門実紀史議員が参議院予算委員会で独自の試算結果を示し、「マネーゲームによって大金持ちはさらに大金持ちになる」と告発しました。
「日経」と大門氏の試算は、いずれも株価の起点を昨年11月14日として、「日経」は今年4月11日まで、大門氏は4月22日までの株価上昇による時価総額の増加を計算したものです。大門氏の試算では、トップはユニクロを傘下にもつファーストリテイリングの柳井正氏の4047億円、2位はソフトバンクの孫正義氏の3863億円です。
柳井氏の場合でいうと、昨年11月には1万6690円だった株価が今年4月22日には3万4300円に倍増しています。柳井氏は2298万株を保有しているため、時価総額が4047億円も増えたことになります。
大門氏の試算では、このほかに、楽天の三木谷浩史氏(867億円)、セガサミーの里見治氏(484億円)、ブリヂストンの石橋寛氏(474億円)、セブン&アイの伊藤雅俊氏(255億円)、任天堂の山内溥氏(205億円)、京セラの稲盛和夫氏(120億円)などが名を連ねています。このリストにはありませんが、トヨタ自動車社長の豊田章男氏の保有株式時価総額も114億円増えています。
<庶民には無関係>
「日経」の試算は、本人名義の株式だけしか計算していませんが、自らが出資する資産管理会社の名義になっている株式を含めると、保有株式時価総額が100億円以上増えた人は、さらに多くなります。私の試算では、少なくとも60人は下らないと思われます。
株価は上がっても、多くの庶民には無関係です。賃上げの動きも、まだ一部の企業にとどまっています。かりに物価が上がったとしても、所得が増えなければ暮らしは厳しくなるばかりです。庶民の苦しみをよそに、大株主には巨額の恩恵がもたらされている、これが「アベノミクス」の実体です。
【感想】
2カ月半前の記事ですが、改めて読み返しても驚きを隠せません。
ファーストリテイリング・柳井正氏の4047億円、ソフトバンク・孫正義氏の3863億円を足しただけでも、8000億円近い増加です。
これに他の人達の増加分を加えたら、軽く1兆円を超えてしまう額です。
まさに、「マネーゲームによって大金持ちはさらに大金持ちになる」という指摘通りですね。
だんだんアメリカ型の社会になって来ているように感じます。
そういえば、TPP交渉で議論されている医療保険の自由化が通ってしまうと、日本の国民皆保険制度が崩壊する恐れがあります。
アメリカでは、約5000万人の人が病気になっても怪我をしても病院で診療を受けることができないそうです。
貧しい人達は健康保険が無ければ病院にも行けない、そんな社会には絶対にしちゃ行けません。
そのためには、金持ちや大企業を優遇するアベノミクスから、貧しい人達や中小零細企業を優遇する「庶民主義」経済政策に転換しなければなりません。
私は共産党支持者ではありませんが、真に庶民や中小零細企業のことを考えているのは共産党だということを、今回の参院選挙で感じました。
ブレーキの効かない資本主義に歯止めをかけられるのは「庶民主義」だと思います。
今、日本人に必要なのは「足るを知る」ことです。
我々は、そのことを精神的遺産として次世代に残して行かなければなりません。
安倍晋三首相が日銀を巻き込んで進めている「異次元の金融緩和」。銀行に資金をジャブジャブ供給しても、企業が積極的に融資を受けて設備投資をするでもなく、これで「デフレ不況」が打開できるわけではありません。しかし、「余った資金が株式投資に流れこみ、株価が上がるだろう」と当て込んで投機的な資金が動き、株価が上昇しています。これによって、大株主の保有資産額は大きく増えています。
(垣内亮 日本共産党政策委員会)
<さらに金持ちに>
「日経新聞電子版」(4月15日付)は、この5カ月あまりの間に保有株式の時価総額が100億円以上増えた株主が38人にのぼると報じました。4月25日には、日本共産党の大門実紀史議員が参議院予算委員会で独自の試算結果を示し、「マネーゲームによって大金持ちはさらに大金持ちになる」と告発しました。
「日経」と大門氏の試算は、いずれも株価の起点を昨年11月14日として、「日経」は今年4月11日まで、大門氏は4月22日までの株価上昇による時価総額の増加を計算したものです。大門氏の試算では、トップはユニクロを傘下にもつファーストリテイリングの柳井正氏の4047億円、2位はソフトバンクの孫正義氏の3863億円です。
柳井氏の場合でいうと、昨年11月には1万6690円だった株価が今年4月22日には3万4300円に倍増しています。柳井氏は2298万株を保有しているため、時価総額が4047億円も増えたことになります。
大門氏の試算では、このほかに、楽天の三木谷浩史氏(867億円)、セガサミーの里見治氏(484億円)、ブリヂストンの石橋寛氏(474億円)、セブン&アイの伊藤雅俊氏(255億円)、任天堂の山内溥氏(205億円)、京セラの稲盛和夫氏(120億円)などが名を連ねています。このリストにはありませんが、トヨタ自動車社長の豊田章男氏の保有株式時価総額も114億円増えています。
<庶民には無関係>
「日経」の試算は、本人名義の株式だけしか計算していませんが、自らが出資する資産管理会社の名義になっている株式を含めると、保有株式時価総額が100億円以上増えた人は、さらに多くなります。私の試算では、少なくとも60人は下らないと思われます。
株価は上がっても、多くの庶民には無関係です。賃上げの動きも、まだ一部の企業にとどまっています。かりに物価が上がったとしても、所得が増えなければ暮らしは厳しくなるばかりです。庶民の苦しみをよそに、大株主には巨額の恩恵がもたらされている、これが「アベノミクス」の実体です。
【感想】
2カ月半前の記事ですが、改めて読み返しても驚きを隠せません。
ファーストリテイリング・柳井正氏の4047億円、ソフトバンク・孫正義氏の3863億円を足しただけでも、8000億円近い増加です。
これに他の人達の増加分を加えたら、軽く1兆円を超えてしまう額です。
まさに、「マネーゲームによって大金持ちはさらに大金持ちになる」という指摘通りですね。
だんだんアメリカ型の社会になって来ているように感じます。
そういえば、TPP交渉で議論されている医療保険の自由化が通ってしまうと、日本の国民皆保険制度が崩壊する恐れがあります。
アメリカでは、約5000万人の人が病気になっても怪我をしても病院で診療を受けることができないそうです。
貧しい人達は健康保険が無ければ病院にも行けない、そんな社会には絶対にしちゃ行けません。
そのためには、金持ちや大企業を優遇するアベノミクスから、貧しい人達や中小零細企業を優遇する「庶民主義」経済政策に転換しなければなりません。
私は共産党支持者ではありませんが、真に庶民や中小零細企業のことを考えているのは共産党だということを、今回の参院選挙で感じました。
ブレーキの効かない資本主義に歯止めをかけられるのは「庶民主義」だと思います。
今、日本人に必要なのは「足るを知る」ことです。
我々は、そのことを精神的遺産として次世代に残して行かなければなりません。