北欧スウェーデンの生き方、仕事の楽しみ方、引っ越し業者、生活・・・面白くつたえられたらいいな
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子供たちのシュタイナースクール転校に伴って、住居も変えた。
借家探しというのが、スウェーデンでは案外難しい。
というのも、日本のように紹介してくれる不動産屋がほとんどいないのである。
スウェーデンの不動産屋は売買専門で、利益の薄い貸家は取り扱っていない。
また、スウェーデン人であれば、家を買う方が容易なのだ。
もちろん、海外駐在などで、2、3年家を貸したいという人もいる。
そうした情報は、会社の中で処理されるか、または、新聞広告から得ることになる。
新聞を撮っていない我が家は、住宅情報の多い日曜日の新聞を何回か買った。
ついでに、売店の店員さんになきついて、どこが貸家情報かまで、チェックしてもらう。
何しろ、売り屋の情報の方が圧倒的に多いのだ。
友達にも頼んで、情報を集めた。
(持つべきものは、スウェーデン語のわかる日本人の友達!)
そして、ついに85%希望通りの家を見つけたのだ。
そして、引っ越し。
自慢じゃないが、今度の引っ越しは、私の人生の中で20回目に近い。
何を隠そう(隠す必要もないが)引っ越し人生のプロなのだ。
で、引っ越し評論家としては、以下の幾つかの点で、目が点になった。
まず、8時半に登場した3人連れの引っ越し屋さん。
私と挨拶をかわし、ざっと家の中を見回った後、9時まで、卓球をしていたのだ。
(前の家では卓球台が出してあった)
依頼人の私が、せっせと片付けているというのにだよ!!
そして、9時半になったら、「おーい」と呼び合って、休憩15分。
そして、10時15分には、
「ちょっと外に行ってコーヒーブレークしてくるから」
私が、
「家でコーヒーを淹れましょうか」
と申し出たのにも関わらず、
「いや、サンドイッチなんかも食べたいし」
たっぷり1時間経って、11時30分ごろ戻ってきたときには、私は、ほとんど怒りで燃える女!!
ところが、その間にやってきた夫が、
「これがスウェーデン式かもしれないから。ま、あんまり怒るな。
1日かけられる仕事を半日でやってしまう意味がないんだろう」
そうかもしれないけど、主婦としては、早く運んでもらって、向こうでの片付けに時間をかけたい。
だいたい家具付きの家なので、運ぶ量はたいしたことないはずなのだ。
引っ越しのプロとしては断言するね。
日本の業者だったら、2時間で終わって出発しているはず。
そして、何回かの休憩の後、ようやっと3時過ぎに出発することになった。
「食事をとっていくから5時半に向こうで会いましょう」
という。
片道40分のところ。
もちろんたっぷり1時間の余裕は見ている。
新居に着いた時は、既に真っ暗。
私の当初の心づもりでは、この時間には、あらかた片付いているはずだったのに。
悲しい。
さて、それからがまた大変。
何しろ、使った段ボール箱は持って帰るというので、中身をとりあえず、全て床にぶちまけなくてはいけない。
この頃になると、さすがに作業員たちも、早く帰りたくなってきたと見えて、せっせとさっさと働いてくれる。
あらゆる部屋の床に広がる、荷物、荷物、荷物の山・・・・。
その頃には、私は、絶望で固まる女になっていた。
だって、そのあと処理、どう考えたって、私の仕事でしょう。
「ビールもらっていいですかあ」
荷物の中からビールを見つけて、許可すると、さっさと冷凍庫へ。
「冷えたら休憩にします」
でも、この仕事ぶり、案外悪くないかも。
何しろ悲壮感や、無理というものと程遠い仕事の仕方なのだ。
そして、最後のダンボール箱が空いた。
既に、8時をまわっている。
すぐ、帰るかと思いきや、リーダーがこう言った。
「さあ、終わった。
じゃあ、これからお嬢さんのピアノコンサートを聴くか」
新しい家には、大家がピアノを残して行ってくれたのだ。
引っ越しの最中に、娘が習っているのだと夫が説明したらしい。
そして、全員が、リビングに座ってビールを飲みながら、娘の「ねこふんじゃった」の演奏を聞いたのだった。
引っ越しがこんなに思い出深いのは、初めてかもしれない
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