先日、うちのスタッフが担当のAさんのことで、「なんだかAさん、すごく可哀想というか、見てて切なかったんです。」と言っていました。
その理由を聞いて、私もなんだかすごく複雑な気持ちで、ちょっと考え込んでしまいました。
ご夫婦二人暮らしのAさん。
お二人揃って訪問看護に伺っています。
ある日、奥様のもとに選挙のお知らせが来ました。
当然、一緒に来るはずの夫宛のお知らせが来ないので、夫は何かの間違いかと思い横浜市に確認の電話をしたのだそうです。
すると「Aさんは、認知症のため後見人がついています。後見人が付いているということは、ご本人に判断能力がないということで、選挙権はありません。」というようなことを言われてしまったのだそうです。
これにはAさん怒りました。
「俺は、日本人じゃないのか。俺には、基本的な人権がないのか。俺は、人として認められてはないのか。」
Aさんのコタツの上には、ずいぶん前から各政党のマニフェストが載った新聞が置かれていて、きっとご自分では誰に投票するかきちんと決めていたのだと思います。
奥さんは、「私が余計なことを言って火をつけちゃって、悪いことしちゃった・・。」としょげていて、スタッフもかける言葉を失ったようです。
Aさんは、後見人にも詰め寄ったようですが、後見人は通り一遍の法的な話を繰り返すばかりで、彼は納得するはずもなく、失われた権利にひどくショックを受けてたそうです。
確かに、Aさんは5分前のことさえ忘れてしまう認知症ではあります。
それでも、今まで長い人生を社会人として過ごしてきたわけで、何もかもわからないというわけではないのです。
政治に対しても、きっと若い頃から興味を持って選挙も欠かさず行った方だと思います。
当たり前だと思っていた国民の権利が、「認知症で後見人がいる。」というだけで、剥奪されてしまったわけですから、一国民としての存在を否定されたように思ってしまいますよね・・。
認知と言っても、人それぞれですから、<これだけは忘れず日課になっている。>ことだってあるし、部分的にはとても専門的な知識を持っている方だっています。
後見人だって、比較的認知症状が軽いうちに付いちゃう場合もあって、私たちも今回の話を聞くまで、選挙権がなくなっちゃうなんて知りませんでした。
選挙権があっても「行けない。行きたくない。興味がない。」ひとがたくさんいる中で、この混沌とした社会情勢にきちんと向き合って候補者を選んでいた、一人の老人の失われた一票をどう考えればいいのでしょうね。
なんだかすごく腹立たしいような、切ないような複雑な気持ちになりました。
その理由を聞いて、私もなんだかすごく複雑な気持ちで、ちょっと考え込んでしまいました。
ご夫婦二人暮らしのAさん。
お二人揃って訪問看護に伺っています。
ある日、奥様のもとに選挙のお知らせが来ました。
当然、一緒に来るはずの夫宛のお知らせが来ないので、夫は何かの間違いかと思い横浜市に確認の電話をしたのだそうです。
すると「Aさんは、認知症のため後見人がついています。後見人が付いているということは、ご本人に判断能力がないということで、選挙権はありません。」というようなことを言われてしまったのだそうです。
これにはAさん怒りました。
「俺は、日本人じゃないのか。俺には、基本的な人権がないのか。俺は、人として認められてはないのか。」
Aさんのコタツの上には、ずいぶん前から各政党のマニフェストが載った新聞が置かれていて、きっとご自分では誰に投票するかきちんと決めていたのだと思います。
奥さんは、「私が余計なことを言って火をつけちゃって、悪いことしちゃった・・。」としょげていて、スタッフもかける言葉を失ったようです。
Aさんは、後見人にも詰め寄ったようですが、後見人は通り一遍の法的な話を繰り返すばかりで、彼は納得するはずもなく、失われた権利にひどくショックを受けてたそうです。
確かに、Aさんは5分前のことさえ忘れてしまう認知症ではあります。
それでも、今まで長い人生を社会人として過ごしてきたわけで、何もかもわからないというわけではないのです。
政治に対しても、きっと若い頃から興味を持って選挙も欠かさず行った方だと思います。
当たり前だと思っていた国民の権利が、「認知症で後見人がいる。」というだけで、剥奪されてしまったわけですから、一国民としての存在を否定されたように思ってしまいますよね・・。
認知と言っても、人それぞれですから、<これだけは忘れず日課になっている。>ことだってあるし、部分的にはとても専門的な知識を持っている方だっています。
後見人だって、比較的認知症状が軽いうちに付いちゃう場合もあって、私たちも今回の話を聞くまで、選挙権がなくなっちゃうなんて知りませんでした。
選挙権があっても「行けない。行きたくない。興味がない。」ひとがたくさんいる中で、この混沌とした社会情勢にきちんと向き合って候補者を選んでいた、一人の老人の失われた一票をどう考えればいいのでしょうね。
なんだかすごく腹立たしいような、切ないような複雑な気持ちになりました。