こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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病院いかない!!

2012-05-01 22:41:24 | 訪問看護、緩和ケア
今朝、Cさんの奥さんから電話がありました。

Cさんは、先週始め初回訪問のつもりで伺ったのですが、翌々日に入院するように病院から電話があったとのことで、それなら退院が決まった時点で連絡を頂き、そこから調整することにした患者さんです。

実際は、伺ったのだからそこで初回訪問にするのですが、病状の進行具合を見ると、入院したら退院が難しくなる可能性もあり、初回だけで3割負担を請求して、それだけで終了になるのはとても申し訳ないと思い、退院後に仕切りなおすつもりでした。
しかし、その時に在宅療養の説明や、介護保険の説明もし、ご本人の「妻や娘には本当に申し訳ないが、家にいたい。家で過ごしたいんです。病院には行きたくない。」という意志も確認してました。
とはいえ、奥様は就労中だし、在宅への不安感が残るご家族は、まだそこまでに踏ん切りがつかないようでした。

それでも、その後入院にはならなかったことを受け、奥様より「ぎりぎりまで在宅にいて、最後は入院が出来れば、家で過ごさせてあげたい。そのように手配をしてほしい。」とのご要望があり、次回の受診時に主治医に在宅移行への意思を告げ、情報診療提供書を書いていただくようお願いする手はずでした。

でも・・
今朝の奥さんの電話。
「どうしても病院に行かないって、いくら言ってもダメで・・。でも、昨日から食事もとれていないし、吐いているんです。どうしたらいいか・・。
往診の先生はお願い出来るんですか?」とのことでした。

連休の中二日。
病院の先生も、情報診療提供書をすぐにはかけないし、往診の都合はどうかな??
等と考えつつ、病院連携室に連絡し、奥様が代理受診で気持ちを伝えに伺いました。

その間、状況説明をして診療情報提供は間に合わないけれど、今日中の往診が可能かどうかを、めぐみ在宅に打診すると、やっぱり気持ちよく受けてくれました。

昼過ぎ、病院の主治医の承諾があり、それをうけて訪問看護で持っているサマリなどを含め、めぐみ在宅に持っていき申し送りをしました。

そして、私もそれに合わせて少し早めに伺い、訪問看護とケアマネの契約を行いました。

電話で、「往診の先生が来てくれるので、病院行かなくてもいいですよ。」と伝えた時、ご本人の声が
ぱっと明るくなったのは、気のせいでしょうか・・。


そして、小澤先生の質問で、ご本人が最後まで家にいたいと思っていること、ご家族の一人一人がどう思っているかを聞きました。
娘さんが「とても心配だけれど、お父さんが最後まで家を望むなら、その意思に添ってあげたいとも思う・・。」という気持ちもみんなで確認できました。

「Cさんにとって、ご家族はどんな存在ですか?」

小澤先生がいつも聞く言葉。

「私には、もったいない妻と娘です。」
そういうと、拳で涙を何度もぬぐいました。

ご家族は、照れてはぐらかしていましたが、それはこのご家族の気持ちをもう一度結びつけるには、十分な言葉だったようです。

「なるべく、本人の気持ちに添ってあげたい。」奥さんのトーンが少しずつ変わってくるのがわかります。

どこにいるのが一番安心なのか、安全なのか、それは個々に違います。
病院が一番安心な方もいます。施設にいたい方もいるでしょう。

一般的に最善であることと、個人的に最良であることは違いますし、可能な限り最後に本人が居たい場所で過ごせるようにお手伝いを出来ることが、私たちにとっては最高の幸せでもあります。

これが、誘導的であったり、半ば強制であってはいけないと思いますし、私たちはあくまで「こういう事もできるし、こういうパターンもあります。」という情報提供をして、そこからご自身で選んでいただくという方法をとっています。

実際は、ここからが始まりですが、このご家族がみんな「お父さん、家で過ごさせてあげて、本当によかった。」と思えるような支援ができるようにしたいですね。



ところで、やっと春らしくなってきました。
モッコウバラ咲きました。
キンセンカもまだまだです。
        

週末、慣れないお外でびくびくしながら、お花と対面中のウララのウータン。
           

とんだ暴れん坊ではありますが、すっかり我が家の家族です。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すばらしい (Yamamoto)
2012-05-03 10:00:15
こういう連携、
こういう歩み方、
泣けてきます。
イイネ100回!

自分も頑張らなくっちゃだなー
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そうそう。 (こぶた部屋の住人)
2012-05-04 22:18:46
小澤先生の有り難いところは、四の五の言わずに受けてくれるところです。
困った時の小澤先生は、やっぱりすごいなと思います。

Yamamoto先生も、よろしくお願いしますね。(^^)/
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