こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅CVポート管理のおさらいをしてみた。

2014-09-14 23:40:22 | 訪問看護、緩和ケア
先日あまり関わりの少ない病院から、在宅IVHの患者さんをお引き受けしたときのこと。
初回訪問に伺って、ルートと針の差し替えをしようとして物品を確認していたら、フラッシュ用の生食が見当たりませんでした。

ご家族に聞いても、これが全部ですとのこと。
しょうがないので、その日はルートの液を針に満たして刺し替えをして帰りました。

すぐに病院連携室に連絡し、フラッシュ用の生理食塩水がなかった旨を伝えると、連携室のナースは「それは必要ですか?今までどこのステーションにお願いしても言われたことがなかったですが・・」とのお返事が・・。
うーむ・・

これって私がおかしいの?

いやいや、そんははずはない。
近隣の病院からは、必ず生食は頂いていますし、第一フラッシュしないのはおかしいですよね。
いろいろ調べてみても、やはり針は生食でプライミングしてからポートに刺し、逆血確認してフラッシュしてからルートに接続でいいはず。

よくよく聞くと、まだ配属されて短いとかで、特に大きな病院ではポートの差し替えはドクターがするそうなので、よくわからなかったようです。
お願いをして次の受診時にはちゃんと持たせてくれました。

それにしても、ほかのステーションさんはどうしていたのかなぁ・・。

これでやれって言われればそれでやるのか、黙ってどこからか調達していたのか、なんで黙ってやっていたのかが一番の不思議でした。

うちの新人さんも臨床にいたのがだいぶ昔で、日進月歩の医療処置は不安です・・。と言っていたので、急遽株式会社メディコンさんにお願いして、ポート管理の勉強会をしてみました。

ポートは一般的にほとんどの場合鎖骨下に設置します。

                       
皮下にこんな感じで埋め込まれているわけですね。

このまあるいポートの中心部にセプタムと呼ばれるシリコンゴムの部分があって、このシリコンゴムの下が薬液を注入するための空洞になっていて、そこに針を刺すわけです。

ポートからは鎖骨下静脈にカテーテルがつながっていて、このカテーテルの先端部がオープンエンドカテーテルかグローションカテーテルかによって、管理方法が違ってきます。

先端をスパンと垂直に切っただけの筒状のカテーテルをオープンエンドカテーテルと呼び、このタイプはカテーテル内で血液が固まりやすいのでヘパリン生食を充填することで血が固まって詰まることを防ぎます。
一方、先端は閉鎖していて側面に切込が入っており、注入するときと吸引するときに弁のようにスリットがひらくものをグローションカテーテルといいます。
これは注入、吸引時以外は弁が閉鎖しているため血液が固まって詰まることがないので、生理食塩水の充填だけで大丈夫です。一般的にはこのカテーテルが多いように思います。

ポート自体も逆流防止弁があるものとないものとがあり、逆流防止弁のあるタイプのポートで逆血をしようとすると弁が壊れることがあるので、どのタイプのポートが入っているか、カテーテルは何を使っているかは、事前の確認が必要ですね。
ただ、一般的には逆流防止弁のないタイプのポートとグローションカテーテルを使っていることがほとんどなので、手技としては穿刺時には軽く逆血を確認後フラッシュを必ず行うことが必要です。
ネット検索すると、逆血を確認したピストンは、血栓を押し込まないよう新しく交換するというものがありましたが、在宅では抗がん剤を注入するわけでもないので、うっすら逆流が見られたら、そのまま押していいとのことでした。
また、この時のフラッシュはパルシングフラッシュといって、生理食塩水を数回に分けて注入をします。これは、カテーテル内で乱流を起こし洗浄力を高めるもので、この方法でフラッシュを確実に行うことで閉塞を予防することができます。

そういうわけで、必ず針を交換するときには生食ピストンを針に接続してプライミングをし、穿刺後は逆血確認、パルシングフラッシュ後にルートを接続します。

                 

ちなみに、ポート用の針もたくさんありますが、最近多いのがメディコンのヒューバープラスノンコアリングニードルです。
これは、針刺し事故防止のため、抜針時に両翼をつまみながら抜くことで、自動的に針が折り畳まった翼の中に収納されるものです。

でも、これ今まで大嫌いだったんですよね。
なんというか、穿刺時も抜針時もうまく力が入らなくて、すごくやりづらく感じていました。
でも、どうやら正しい持ち方がわからなかっただけみたいです。
持ち方の説明書もいただき、みんなで実際デモを行い納得しました。


まあ、現実的には人それぞれ体の状態も皮下脂肪の量も違い、固定方法も個別に考える必要がありますが、とにかく一度初心に戻って振り返るのも必要ですね。

病院と違って、新しい機器が入るたびに説明してもらえるわけではありませんから、追っかけ勉強しないとついていけなくなりますね〜(^_^;)

そうそう、在宅皮膚科勉強の今年のお題で「褥瘡の栄養管理」がとても面白くて目からウロコでしたので、また近いうちにご紹介しますね。
それではこのへんで。

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