こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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訪問看護とインシュリン注射

2010-01-05 22:47:56 | 訪問看護、緩和ケア
時々あるのですが、「毎日インシュリン注射をしにきてもらえますか?」というご相談・・・。
「朝食と夕食の前に、毎日来てください。」といわれても、これはなかなか難しい話なんです。

まず、時間の問題・・早朝や夕食前となると、人員の問題があります。
営業時間外の同じ時間に毎日人を張り付けられない。

そして、お金の問題・・30分もしくは20分で、毎日時間外料金で、介護保険の単位をつぶしてしまいます。
ほかのサービスを使っていたら、まず実費負担は避けられませんよね。

そして思うのですが、在宅で家族も本人も注射ができない状況で、はたして注射だけ打って、いなくなってしまっていいものか??

認知などで食事もとらなかったら、低血糖を起こすリスクがあると思うのですが・・。

いろいろ考えても、ご家族もしくは、ご本人に注射ができない状況で在宅に戻る場合は、まず医師と相談して内服コントロールの余地はないものか、最悪注射が必要でも、せめて1回にできないものか、よく話し合ってほしいなと思います。

今日、突然夫が飛び込みに相談に来ましたが、「病院の先生から、『2か所とかの訪問看護ステーションを使って、毎日2回注射に来てもらいなさい。
ステーションが見つかったらいつでも退院できるよ。』といわれました。」
とのことでした。

これって、どういうことなんでしょうか。
聞けば奥さまは、かなりの認知があり、すぐに外に出て行ってしまうそうです。
夫は、夜勤があって、定時の注射は出来ないそうです。

いつ、どんなタイプのインシュリンを、どういう形で打つのか、誰もいない場所で低血糖発作を起こすリスクはないのか?訪問した時に、いない可能性もあるし・・
経済的にはどうなのか?

その病院は、この辺では比較的中規模の病院で、けっこう緊急時の受け入れもしている病院ですが、そういえば地域連携室の話を聞きません。

こんなケースでも、家族に訪問看護ステーションを探させるというのはどんなものでしょうか?
ちゃんと、ケースワーカーやら連携看護師やら、せめてケアマネも含めて病院側から相談をよこすべきではないでしょうか。

何も聞いても、「よくわからないんです。」というご主人の話だけでは、「わかりました」とは言えませんよね。

とりあえず、こちらからケアマネさんに連絡して、料金の概算を出して、相談に乗ってあげてくださいとお願いしました。
そして、娘さんからも電話をもらい、娘さんとケアマネでまず病院側に在宅での状況や経済状況を相談し、インシュリン以外の方法がないか聞いてもらうことにしました。

それにしても、いろいろ進歩した現在の医療で、糖尿病のインシュリン注射に、とって代わるものはないのでしょうか??
デュロテップみたいに3日に一度くらいでいいとか、パッチにするとか、遠隔操作ができるとか…
誰か、早く開発してください。

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3 コメント

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インスリン・・・ (gitanist)
2010-01-06 00:00:56
独居で認知症の方がインスリン必要になんかなっちゃったら、もうどうにもなりません。幸いそういうケースはありませんが。
一人、危ない方がいらっしゃいます。「注射になったらどうにもならないから、薬はちゃんと服んでくれ~」と言ってるんですが。(全部の服薬確認はどうやっても無理なんです・・・)

それにしても病院の医者ってやつは・・・、というDrも多いですし。
自宅での生活のことなんか、全然考えてないDrがホントに多くて困ります。(もちろん、いい先生もいますけどね、少ないですけど)
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はじめまして。 (こたろう)
2010-01-06 11:58:29
はじめまして、こたろうといいます。
私はまだまだ未熟な1年目Nsですが、勤務先にターミナルの患者さんが多いこと、ホスピスがあるにも関わらず私の病棟の外科と先生同士のいざこざで連携がとれていないこと、また、在宅調整をしてもなかなかタイミングが合わず病院で亡くなってしまう患者さんが多いことで、いつも興味深く記事を読ませていただいています。
このような記事を読ませて頂いていると、病院で在宅指導などをしている私には、どうしたら不安を最小限にして帰ることができるのか、どのような指導がなされれば訪看の方々がスムーズに看護に入れるのか、などと考えさせられることがたくさんあります。
最後の行、未熟な私には思い付くことさえできませんでしたが、インシュリン注射がデュロのようになったらどんなに素敵だろうと思いました。
看護にはアイデアも必要になってくると私は考えます。訪問看護師ならなおさら。学生のときは、病院に比べたら訪問看護なんて、地味な処置しかないし・・(失礼で本当にすみません)何が楽しいんだろう、と考えていた私ですが、いまでは何年か病棟看護師をやった後、いつか訪問看護をやりたいと思うようになりました。
今後も参考、楽しみにしています。
突然のコメント、乱文、乱調申し訳ありませんでした。
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これからの課題ですね。 (こぶた部屋の住人)
2010-01-06 22:01:35
gitanistさん。
いつもコメントありがとうございます。
病院の先生には、まだまだ在宅の現状を知らない先生が多くいます。
でも、一番の問題は、病院に地域連携をするセクションが無いということですよね。
今時、これは問題ですね・・
この場合は、先生にちゃんと時間を取ってもらって、ご家族やケアマネと、話を十分詰めないといけませんね。
訪問看護ステーションとしては、受けられるかどうかは別として、アドバイスくらいはできると思うので、ご相談にはいつでも乗れます。

こたろうさん。
初コメありがとうございます。
病棟の看護師さんに、在宅の現状をわかっていてもらえるのが、一番ありがたいです。
本来は、病院であろうと在宅であろうと、患者さんの状況をきちんとアセスメントすれば、必然的にどうすることがいいのかわかってくると思います。
ただ、そこに介護保険などのややこしい仕組みがからんでくるので、そこを分かってコーディネイトしてくれるセクションが必要なんですよね。

これからも在宅のあれこれをお伝えしていきたいとおもいますので、よろしくお願いします。
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