こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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家族と、どう向き合うのかな。

2011-11-29 22:23:54 | 訪問看護、緩和ケア
このところかなり荒れ模様で、バタバタとしています。

在宅療養をしている中で、「これからの事、ご家族と話し合っておいてくださいね。」
そういう声掛けは、時々させて頂いています。

これから先、どういう形で過ごすのか。
ずっと在宅なのか、施設なのか、病院なのか。
延命は希望するのか。
抗がん剤などの積極的治療は続けるのか。
栄養は?点滴は?胃瘻は?

在宅を希望した場合、それが可能な状況なのか。
主治医の了解はあるのか。
家族はどこまで関われるのか。
経済的な問題はないのか。
家族関係はどうなのか。
何より、本人との合意はあるのか・・。

などを含めた「これからの事」です。


今日も若いAナースが悩んでいました。

ご高齢で循環器の悪い患者さん。
何度も死の淵から甦ってきた方です。
でも、このところ病状はかなり悪く、少し動いても呼吸が苦しくなります。
今日はずっと、血中酸素飽和度が90%を切っています。

でも、「まだ大丈夫ですよ。きっとまた元気になるから。」とご家族。

いやいや、今度はかなり厳しそうです。

主治医は、病院から時々往診に来てくれていますが、いつでもお願いできるわけではありませんし、救急病院ではないので、急変時に入院できる可能性は少ないです。
それに、万が一の死亡確認も難しいとのこと。

今、ちゃんと向き合ってこれからのことを家族間で意思統一しないと、場合によっては検死ににもなりかねません。

Aちゃんは、この秋ごろから保険もつけて非常勤として、重症の患者さんも持ってもらっています。
そのなかには、困難事例とも呼べる患者さんや終末期の方もいて、いままであまり機会がなかったご家族との土壇場のやり取りや、医師やケアマネとの細かい調整が必要な患者さんが増えてきています。

一生懸命関わりながら、時としてウルウルしている彼女を、周りも一生懸命サポートしてくれます。
今日は、この患者さんを含めて3人の患者さんの状態が悪く、その対応を横で見ながら自分で采配できるように見守っていました。
途中からは、私も電話に変わりご家族との調整を早急に行う事となりました。

今、そういうサポートが必要な新人ナースが3人。
みんな頑張っていますが、いろんご家族を前にかなり手こずっているのもよくわかります。

物事の手順、声をかける機会、声のかけ方、話の進め方。
どれをとっても、なれない若いスタッフには重いようです。
いままでは、すぐにこちらで対応してしまっていましたが、そろそろ自分たちでできるよう後ろで応援しています。
3人とも、いい線行っています。
が、押しが弱かったり、伝え方が曖昧だったり、時々助け舟が必要なので、周囲のお姉さんスタッフも、みんなでアドバイスをしたり、慰めたりとなかなかいい雰囲気です。

明日までには話し合うと息子さん。
いい方向に話がまとまるといいのですが・・。


そういえば、帰りがけに他事業所のヘルパーさんから、ある患者さんの報告の電話がありました。
昨日も少量ですが黒色の嘔吐と、タール便があった方です。
「夕方の訪問時、やはり黒いものを吐きました。オムツにも黒い軟べんが中くらい出ていました。顔色青かったです。」
って、今はそれから1時間以上たっているし・・
やっぱり消化管出血しているのでしょうけれど、その時呼んでほしかった。

独居なんですよ。
しかも、歩けない。

あわててケアマネさんに連絡し、緊急訪問しました。
思ったほど悪くはなく、ご本人はキョトンとしていましたが、これから食べるつもりだった「海苔巻き」はやめてもらい、いつも飲んでるサイドテーブルの焼酎も今日は封印。
明日の往診まで待てそうだったので一安心です。
主治医の先生は、夜には連絡が取れなくなるので、今夜何かあったら救急搬送ということで合意できました。

なんだか、朝からずっとこんな調子です。
明日は退院前訪問ですが、こちらもかなりの困難事例。
うーん。本当に帰ってきて、介護が出来るのか疑問ですが、とにかく出来る限りのことはする!

まだ週の半ばです。
気合を入れて頑張りましょう。

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