こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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認知症独居老人と訪問看護

2013-06-22 14:17:16 | 訪問看護、緩和ケア
核家族時代ですから、どうしても独居の高齢者は増えてきます。
最初の頃はなんでもご自分ででき、判断も出来ていて、大きなトラブルもなく過ごしていても、あるときから「あれれ??」と思うような言動がでてきて、ちょっとしたきっかけで、あとはもう急速に認知症状が進んでしまったりします。

でも、基本みなさんご自分が認知症だとは思っていないので、周りの干渉が鬱陶しくなり、下手をするといろんなサービスの拒否に繋がったりします。

とはいえ、そこは古き良き日本。

向こう三軒両隣、とはよく言ったもので、近隣の方々がいろいろ気にかけてくださって、声をかけたり様子を見てくださったりで、とても助かったりします。

ただ、場合によっては、それがトラブルのもとになることもあって、そういう近所付き合いをうまく活用できるかどうかで、安全・安心度が大きく変わってきたりします。

昔から良い関係で、買い物に声をかけてくださったり、何気なく様子を見てくださる方がそばにいると、本当にありがたいなと思います。
でも・・
時々出会うのは「ちょっと、ちょっと、おばあちゃんどう?何かあった?どんなことになってるの?うちもね、困るのよ。火でも出されたらさぁ・・。」なんてことを言いながら、家の中を興味本位で覗いてくる方。
さらに、根掘り葉掘り情報を聞き出そうとしたり、噂話を教えてくれたり・・。

私たちは、そういう話には一切乗りませんから、「ありがとうございます。ご心配いりませんので、大丈夫ですよ。」とかわしたり、なかなか対応が難しかったりします。
時に「火事でも起こさらたら困る!家族はなんで一人にしているの?施設とかないの?」なんてこともあります。


でも、近所の人の援助はやっぱりありがたいもの。
そういうインフォーマルなサービスをうまく使って生活できている人もたくさんいるので、関わる私たちもそこにうまく同調していければ、地域としての支援が確立できるのだとも思います。

たとえば、信仰している宗教団体が、通院や転倒時の介助なんかをしてくれるところもありますよね。
青年部みたいなのを作って、信者同士の助け合いしている人たちもいました。
うちも近所の教会も、牧師様が民生委員を長いことやっていて、ずいぶん独居の老人の面倒を見ていました。

同じような感じで、信仰している教会の人が、よく面倒を見てくれている患者さんがいます。
高齢で足も悪く、このところの認知症状の進行はかなり激しくて、周囲もかなり振り回されています。
サービスも勝手に断ったり、好き勝手にあちこち病院に行ったりと、ケアマネも行政も担当看護師もかなり困っている状況です。
そんな中、約束の訪問日に訪問すると、今まさにお出かけ直前の状況で「あんた、何しに来たの?あたしこれから出かけるから、お風呂なんて入らないから帰ってよ!」と言われてしまいます。
「え?今日はお約束の日ですよ。」「いや、これから病院に教会の先生が連れて行ってくれるからいいわよ。」
「お医者さんは、往診の先生になったから、行かなくてもいいんですよ。」「だって約束してあるのよ。今日は○×日でしょ?」
「いいえ、今日は××日ですよ。」「え?○×日じゃないの」「いいえ、××日」
「・・・。今日は何日?」「××日ですよ。ほらカレンダー」

そんな会話で時間が経っていくなんてことは、日常茶飯事です。

電話で確認しようにも、かなりの難聴で電話での会話はさらに成り立たず、訪問してはたびたびこんな会話になってしまうのです。

こうなれば、こちらから教会に連絡して、支援体制をこちらと協調していただけるようにお願いするしかなさそうです。

支援はありがたいけれど、やはりそこは連携していただきたいものだと思います。

さて、どういうルートで連絡したらいいかな、それが明日の課題です。

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