こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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「しょうがないこ」とだらけの在宅

2013-06-25 22:32:14 | 訪問看護、緩和ケア
「しょうがないよ。」
こんな言葉をよく聞くのが在宅です。

在宅だからって、ちゃんとしなくちゃ医療や看護とは言えない・・と、きばってぶつかって大破する人も、この世界には多いのじゃないかと思います。

いくらこちらが、ちゃんとした計画の上、確実な情報を得て、きちんと病状管理をしようとしても、それができないのが在宅です。
なかには、そりゃ細かくチェックして、痒いところに手の届く介護をされている方もいらっしゃいますが、生活の中で日々生きていくためのあれこれに追われていれば、病院みたいな介護はなかなか望めないのが現実です。

心臓も肝臓も腎臓もあまり良くなくて、バルンカテが入って帰宅した患者さん。
病院の退院指導書やサマリには、「毎日同じ時間に尿を破棄して、その量を記録してください。」と書いてあります。
当然、入院中にもその説明とともに、ご家族に破棄方法は伝えていたはず。

でも、実際在宅が始まってみれば、なんと本人がつかまりながら一日に何回かトイレに行き、その都度破棄しているということが判明しました。
当然尿量は不明です。
(ーー;)うーん、腹水も胸水も貯まる人なので、尿量は知りたかったなぁ・・
でもしょうがないから、体重だけでも測ろうと、お風呂場で体重計を発見して、乗っては見ても電池なし・・。

は〜〜〜

しかも、家の人に迷惑かけたくないからって、1包化した薬の袋から、緩下剤をポイポイ抜いては捨てるので、ここ数日排便もない・・。

お薬飲んでください。
ちょっとだけ、お腹とお尻確認させてください。
と懇願しても、「やだ!!」
「今日は、だいぶおかしなことを言ってるんです。」と家族。

そりゃそうです。
うんち出ていなければ、どんどんアンモニアも上がりますから、ますます変なことになってきます。

でも、だからといって強制的に何かすることもできません。
せいぜい、緩下剤を水液にする程度だと思います。

こんなことは日常茶飯事なわけで、いやはや「「しょうがないよね。」と言いながら、なんとか取り付く島を探すのも訪問看護というわけです。

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2 コメント

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Unknown (通りすがりの薬剤師)
2013-06-27 07:48:52
現場の気持ち、、よくわかります。
しょうがない、も、やさしさの内ですね。

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ありがとございます。 (こぶた部屋の住人)
2013-06-27 23:07:12
どこまで「しょうがない」で済ませられるのかが、難しいところです。
返信する

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