MARUMUSHI

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『海すずめ』。

2016-07-09 23:32:04 | 映画日記
#海すずめ

『海すずめ』を観てきた。

なんだか、柔らかく、それでいてどこか切なくて涙が出た。

公務員と作家は、共通点があると思う。
それは歴史を創ること。歴史を記録すること。
市立図書館自転車課。それはその共通点の2つが合わさったところ。

本は数多の冊数、そして種類がどの時代でも遺されてきた。
それぞれの本は点でしかありえないが、その数で記録された点が、重なり合い広がることで面的にさらには空間的に広がりをみせる。
どのピースが欠けても歴史は不完全だ。
そのピースの欠けは、式典の衣装を台無しにする。そして事によっては人の魂にぽっかりと穴を開けてしまう。
僕は歴史の不完全さを否定はしない。その欠けたピースは後の世代が想像で埋めたり解釈をしたりしてもかまわないと思う。
でも、魂に穴が開き、誰かと繋がるべきだった心がそのままになってしまうのは哀しい。
それは埋めるべきピースなのだ。そして、そのピースは一歩踏み出せばあるかもしれない。


歴史を書き換えることは出来ないが、今を生きる僕たちは、未来を想像し創造できる。
才能があるかどうかは対した問題ではない。才能がないからといって創ることを止める必要はどこにもない。そこで止めてしまうことを中途半端、というのだろう。



市立図書館自転車課。
それは歴史を未来に繋げる仕事だ。