『真っ赤な星』を観てきた。
#真っ赤な星
青。
空の色。抜けるような色。爽やかだとか、清々しいとか言われる色だけれど、冷たく何もないを感じさせる色。だからきっと「空」に与えられた色だと思う。
赤。
血の色。危険を知らせる色。発情の色。生命の色。ギュウギュウに畏怖を詰め込まれた色。
この物語は失い続ける二人の物語。
失ったものがなにか。
大きなものを失くすと、全てを捨ててしまいたくなることがある。
でも、人はギリギリのところで自分の生は捨てない。
パラグライダーは地から足を離し、何もない空に飛び込んでいく。落ちれば死ぬ。ゆっくり落ちるから死なない。ギリギリまでシに近づく。そうやって生を感じる。
だから、弥生はそれを止めた。男のとの関係を絶つためじゃない。セックスでは足りない。パラグライダーでも足りないから止めた。もっと確実にシに近づかなければ、生の実感をもてなくなったから。
陽は、弥生を追いかけ続ける。でも、弥生に近づきたくて、汚れを知りたくて、身体を売ったんじゃない。初めての記憶を上書きして、くだらない、つまらない行為なんだと思い込むために売った。
陽がどの時点でそれに気づいたかはわからないけれど。
陽は弥生がいるから生を感じている。ずっとそばにいる、という言葉に偽りはない。他に好きな人は出来ない。大事な人は出来ても、弥生以上に好きな人はできない。
「せつないよ」
人は身体という邪魔な殻をこえて魂を結びつけることは出来ない。
陽が欲しているのは、弥生との魂の結びつき。心よりももっと強いつながり。
青と赤が一つに混ざることは出来ない。
弥生と陽がこれからどこに行くのか。わからない。
きっと二人がいた元の場所には戻らない。どこか遠くの望遠鏡がある町に行くのだろう。
たしかに言えることがある。
陽はもっと料理が上手くなる。
弥生は煙草を吸わなくなる。
そして、彼女たちはこれからも失い続ける。
#真っ赤な星
青。
空の色。抜けるような色。爽やかだとか、清々しいとか言われる色だけれど、冷たく何もないを感じさせる色。だからきっと「空」に与えられた色だと思う。
赤。
血の色。危険を知らせる色。発情の色。生命の色。ギュウギュウに畏怖を詰め込まれた色。
この物語は失い続ける二人の物語。
失ったものがなにか。
大きなものを失くすと、全てを捨ててしまいたくなることがある。
でも、人はギリギリのところで自分の生は捨てない。
パラグライダーは地から足を離し、何もない空に飛び込んでいく。落ちれば死ぬ。ゆっくり落ちるから死なない。ギリギリまでシに近づく。そうやって生を感じる。
だから、弥生はそれを止めた。男のとの関係を絶つためじゃない。セックスでは足りない。パラグライダーでも足りないから止めた。もっと確実にシに近づかなければ、生の実感をもてなくなったから。
陽は、弥生を追いかけ続ける。でも、弥生に近づきたくて、汚れを知りたくて、身体を売ったんじゃない。初めての記憶を上書きして、くだらない、つまらない行為なんだと思い込むために売った。
陽がどの時点でそれに気づいたかはわからないけれど。
陽は弥生がいるから生を感じている。ずっとそばにいる、という言葉に偽りはない。他に好きな人は出来ない。大事な人は出来ても、弥生以上に好きな人はできない。
「せつないよ」
人は身体という邪魔な殻をこえて魂を結びつけることは出来ない。
陽が欲しているのは、弥生との魂の結びつき。心よりももっと強いつながり。
青と赤が一つに混ざることは出来ない。
弥生と陽がこれからどこに行くのか。わからない。
きっと二人がいた元の場所には戻らない。どこか遠くの望遠鏡がある町に行くのだろう。
たしかに言えることがある。
陽はもっと料理が上手くなる。
弥生は煙草を吸わなくなる。
そして、彼女たちはこれからも失い続ける。