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~球児たちの あしあと~

横浜高校 野球部監督 渡辺 元智氏 著書 『もっと自分を好きになれ!』

2010-04-28 | 読書

   
   
             『 ウチは エベレスト という甲子園を目指している 』


この詩は、横浜高校創立者 故 黒土 四郎氏の『 第一歩 』という詩。

横浜高校 社会科教師、野球部監督の渡辺 元智氏の座右の銘でもある。

『高校野球は、あくまで教育の一環』を貫く渡辺監督さんが執筆された著書です。


教師として、「監督」という立場を確立されている渡辺監督さん。
この著書の中で 「選手」 という言葉は使われず 「生徒」と使われているところが
高校野球は教育と考えられているところなんだろうなと感じながら読ませて戴きました。

野球の技術の話しや、横浜高校が現在に至るまでの経緯よりも、教育者としての子供への接し方、
言葉と信頼関係を築くコミュニケーションの大事さが綴られた内容でした。

この本に出会って良かったというのが第一の感想です。


我が家の合言葉 「反抗は自分で稼いでご飯を食べれるようになってからしろ!!」
現在、我が家では何がそうさせているのか?
話し掛けても返事もろくにしない、あり得ない『反抗期』??の思春期息子を抱え、
子育ては、まだまだ大変だと思い知らされている私・・・

渡辺監督さんの、この本は、そんな思春期真っ只中の子供を持つ私にとって、考えさせられる言葉がたくさん込められていました。

渡辺監督さんが接してきた生徒への想いや対応、言葉と心のコミュニケーションの大事さを
子育てに置き換えながら読むと、こうすれば良かった・・・こんな言葉が必要だったのか・・・と考えさせられた一冊でした。


横浜高校と言えば、あの松阪大輔選手が頭に思い浮かぶことだろうと思います。
その松阪選手をプロへと導かれた渡辺監督。

渡辺監督は、幼いころ戦後間もない混乱期、家族と離れ離れの孤独な生活を強いられ
進みたかった高校へも金銭的な事情で諦めざるおえず、途方にくれた少年時代があったそうです。

そんな時、恩師が横浜高校野球部の監督となり、縁あって横浜高校へ入学することになり・・・

横浜屈指と呼ばれる現在の横浜高校野球部 誕生の一歩である。

当時の野球部では、鉄拳制裁は当たり前。
上下関係が厳しく、殴る蹴るは日常茶飯事。
そんな環境の中 「プロになって家族と大きな家に一緒に住みたい・・・」の一心で野球に取り組んだ渡辺少年。

そんな矢先の右肩の故障。
チーム内の競争離脱と鉄拳制裁を恐れ無理をした結果、選手生命を断たれてしまう。

「もうどうでもいい・・・」と逃げるように横浜高校から離れ、荒れた生活に。

そんな時、当時の横浜高校校長だった黒田四郎氏から横浜高校臨時教師の誘いを受け横浜高校へ指導者として戻ることになる。

そこから現在の横浜高校野球部を築きあげるまでの経緯や、教師として・・・監督として・・・人として・・・
渡辺監督さんの生徒への関わり方、言葉の大事さ、生徒と交わした言葉が書かれた内容でした。

時代の流れで子供の資質も変わりつつある、いわゆる今の子供に対して、自分の指導が正しいと押しつけるのではなく
その時代、その時の子供たちの気質に合わせ考え対応されているところは、絶対的な権力の監督さんというより
人と人との繋がりを一番に考えられている監督さんだと感じました。

    One for all   「一人はみんなのために、みんなは一人のために」
 
            自分が大事なら、まず他人を大事にしろ・・・


常々、渡辺監督さんが生徒に掛けられる言葉だそうです。

反抗する?反抗期息子へ、その態度に腹を立てる前に掛けてやる、心を開く言葉があるような・・・
ヒントをもらった本でした。
親業につまづく度、もう一回読み返してみようと思う本です。

思春期の子供を、どう扱ってよいのか・・・
日々、子供と心の格闘をされ悩まれている親御さんには、野球に全く興味がなくても、何かヒントになる、
気づかされる言葉を見つけられる本だと思うので、ぜひ読んでもらいたい一冊です 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
後藤静香氏の詩ですね・・・ (yama)
2012-12-29 09:36:23
横浜中学高等学校在籍者さんへ

読み間違い、書き間違いですね・・・
只今この本は貸出中ですねで戻りましたら再度読み直し訂正したいと思います。
お知らせ戴いてありがとうございます。
返信する
後藤静香さんですよ (横浜中学高等学校在籍者)
2012-12-27 15:26:57
『 第一歩 』という詩は後藤静香さんの詩です。
故 黒土四郎先生の作品ではありません。
返信する
言葉大事ですね。 (yama)
2010-04-29 23:46:34
謎のコーチN様
こんばんは。

今年に入って時間の余裕もでき、毎日本を読むようになりました。
野球の本が大半になっていますが、とても勉強になったり、感動したり・・・
活字から得るものは多いです。

この本は、監督さんの言われていることと、今までの自分の子育てが重なっていて
納得させられる部分や、自分の人への想いのようなものが重なって・・・
とても良い本でした。

最近・・・
何気ない「言葉」に深く落ち込んだり、悲しい想いをしたりすることがありました。
人との付き合いは本当に難しいと思いますが、
人にも助けられることも多いです。
だからこそ、人への想いは無くさないようにしたいと思います。

子育ても言葉ひとつで変わることを、今回息子の受験を通して改めて感じました。
反抗息子の方にも、思いやりの言葉を掛ける努力が必要だなと、この本を読んで改めて思いました。

「言葉」はホント大事ですね。

ネット・・・このブログを始めるようになってから、色々な物に目を向けれるようになりました。

息子の野球に明け暮れていた日々が過ぎ去り、掴みどころのない日々を送っていましたが、
好きな写真を加工してみたり、ビデオを作ってみたり・・・

特に野球では、楽しい時間をもらっていて日々充実しているなと感じます。

また、ひとつ間違えば怖いネット社会ですが、出逢いや交流もあり、
また戴く言葉で勉強させて戴いたり、感動したり、発見もあったり・・・と。
悪い事ばかりではないですよ

こんな掴みどころのないブログですが
また良ければご意見戴ければ嬉しいです。
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Unknown (謎のコーチN)
2010-04-29 23:01:47
yamaさん、こんばんは。 ネット社会は、あまり得意では無かったのですが、yamaさんのブログを見せて頂き、すっかりハマッてしまいました。(笑) 言葉って本当に大事ですよね!本音どうしをぶつけあえる親子関係であっても、その言葉に、相手を思いやる優しさであったり、厳しさであったり深さであったり、いろんな意味があると思います。 その意味を理解しようとするアンテナの重要性もあると思います。思春期においては心は ぶれてないのだけれども、そのアンテナ力が下降し自我力というのが強くなってきてるだけのような気がします。だから、バランスが大切で、時に親が納得できない時は、とことん言葉を交わせばいいと思います。なぜなら、その言葉の中には、愛情であったり、優しさであったり、厳しさがいっぱいなはずだと思うからです。私にはまだ思春期の子供はいませんが、絶対、そうしようと思ってます。時に、逆効果かもしれませんが、そこは自分を信じ子供を信じたいからです。 私には3人、子供がいます。上は長女で今、中学生です。私は自慢ではないですが3人とも、1度も手をあげた事がありません。そのかわり、とことん言葉攻めです。母親には、甘いと言われますが・・・(笑) でも子供やからとかではなく、一人の人間として、目線を下げるのではなく、そこは対等に接してやれば、必ず伝わると 勝手に信じてます。これから、経験し壁にぶつかるかもしれませんけどね。(笑) 一度、渡辺さんの本も読んでみたいと思います。 子供達に、いろんな事を伝えてやりたいし、たとえ時代が変わっても、熱さだけは伝えたいと思っています。 嫌がられるかもしれませんけどね。(笑) これからも、頑張って うっとうしい親父になりたいと思います。
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