隊長が行った展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第55回は、『中国語と日本語の国名漢字表記の違い』をお送りします。
『2006年W杯出場国中国語表記』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1266fc54f7dd1014728f5d2c10a4c84b の記事をアップした時に、中国語の国名表記と日本語の漢字当て字が同じ国もあるし、違う国があることが分かりました。
この違いが何でなのか、考察しなければと思ってから5年が過ぎてしまいました。 そろそろ、記事にしなければと重い腰を上げ、先ず2006年サッカーワールドカップに出場した32ヵ国を、日本語表記、英語表記、現地語表記、中国語表記、ピンイン、日本語漢字当て字の表を作成しました。現地語が-となっているのは、アラビア語、ペルシャ語のため、表記が難しいためです。
ピンインとは、中国語の発音をアルファベットを使った記号で表したものです。ピンインは、アルファベット表記だけでなく、四声という声調の組み合わせで構成されていますが、表では四声表記を省略しています。
すると、32ヵ国の内、表中黄色で網掛けした15ヵ国が中国語と日本語の当て字の漢字が一致していることが分かります。現在中国で使われている漢字は、簡体字という従来の漢字を簡略化した字体ですので、表では違う漢字に見える部分もあると思いますが、基本は同じ漢字です。
約半分の国が中国語と日本語の漢字表記が同じということになりますが、これはあくまで2006年W杯出場国出場32ヵ国のデータで、国連加盟193ヵ国全てを調べると違ってくるかも知れません。
日本語では外来語を表記するのに、カタカナがありますが、中国語は全ての外来語を漢字で表記しています。中国語と日本語の当て字の漢字が一致している国名は、最初に中国語で漢字表記され、それを日本も踏襲したのではないかと考えられます。
次に、国名の現地語表記とピンインを見比べてみました。現地語表記の発音にピンインが近い国は、ピンインの音が近い漢字を仮借をしたということでしょう。現地語表記の発音とピンインが著しく異なる国名は、それぞれの国名漢字表記に当たって歴史的要因があるのではないでしょうか。
国名を発音表記していると言いながら、イングランド、ドイツ、アメリカ、フランス、など「〇国」と中国語、日本語ともに表記されているのは、音訳の短縮形を用いているためでしょう。これらの国が新興国ではなく、歴史がある大国なのは、何故なのかそれぞれ検証が必要だと思います。
アメリカを「美国」と表記するのは、「美利堅(Mei Li Jian)」から来ているそうです。日本人には「メリケン」と聞こえ、「米国」になったとの説があります。
日本語の国名当て字に関して、検索していると『漢字愛するドイツ人「独」国名の当て字をやめて」と』言う新聞記事を見つけました。記事の趣旨は、ドイツ国籍の漢字研究者が、ドイツの当て字「独」は「獣偏」を使っていることに、差別視がうかがえると主張しているとのことです。
日本人の差別意識が、「独」の文字をドイツに使用しているとこの方は言っています。その説だと、中国では同じドイツを「徳国」、アメリカを「美国」と表記しているのは、中国人のドイツとアメリカへの憧れから来ているとの説も出て来そうですね。
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1~40課 省略
41課 2016/7/30 『真砂中央図書館リニューアルオープン』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fcbb21e9ffb2fd03b97f50c9145e57a9
42課 2016/11/11『講演 高田明 ジャパネットたかた前社長』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/829a292c335d0cd1fe0a4d49b8880c04
43課 2016/12/9 『ゴッホとゴーギャン展』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ea3be452584eca1319bbbbaa90b321fb
44課 2017/2/27 『講演 原田規梭子 東洋学園大学学長』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/68a8c27cb9fcbaa35d9531d1b43a4262
45課 2017/3/18 『これぞ暁斎!』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fe7edea506fb4dcc49f99e105d5a527e
46課 2017/4/24 『「旅するイタリア語」で勉強中』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c47be7713ebf72b0cdfe5501cc00e0f9
47課 2017/7/18 『展示会「歓迎!本郷旅館街」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9c9c403e4e835de6939ed62ac88360c7
48課 2017/11/16『シャガール 三次元の世界』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b2a2ad178ba2613b3f74caba14a855c5
49課 2018/1/16 『写真展 オードリー・ヘプバーン』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/11db822af7a11a268f53d73dd265e57f
50課 2018/3/6 『湯島天満宮 宝物殿』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/15da97c64a0047c895aa6a9869367247
51課 2018/12/16『江戸東京博物館』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ac3017259d14e0982a133ce2916e57b7
52課 2019/4/16 『音楽健康指導士準2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/43bb09cb58629d60d1e04462ffee0e1d
53課 2019/6/12 『「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2a5f0cd2310d4a2eb5aa9080a3561717
54課 2019/6/22 『音楽健康指導士2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dae58a1bc63b14b57e448cf04ec4354c