隊長が、観賞した「テレビ番組」を紹介するシリーズの第629回は、『ドラマ 「坂の上の雲」』をお送りします。
平成21年(2009)11月29日から平成23年(2011)12月25日まで足掛け三年にわたって、NHK総合テレビの「スペシャルドラマ」枠で放送された『坂の上の雲』(全13回)が、2024年9月8日からNHK総合テレビで、44分版に編集され全26回として、再放送されています。
本作品は、平成8年(1996)に72歳で亡くなられた作家・司馬遼太郎が十年の歳月をかけ、日露戦争とその時代を生きた、明治の青春群像を渾身の力で書き上げた小説「坂の上の雲」を、原作として描く人間ドラマです。
このドラマの主人公は、明治元年(1868)、四国・伊予松山藩の貧しい下級武士の家に生まれながらも、努力の末、海軍軍人となり、日露戦争に際し、日本海海戦でバルチック艦隊を打ち破った、秋山真之(あきやま さねゆき)。
脚本:野沢尚(ひさし)、柴田岳志、佐藤幹夫、加藤拓。
音楽は、久石譲。
主人公の秋山真之を演じたのは、本木雅弘。
共演者()内は役名:阿部寛(秋山好古)、香川照之(正岡子規)、菅野美穂(正岡律)、松たか子(秋山多美)、石原さとみ(秋山季子)、伊東四朗(秋山久敬)、竹下景子(秋山貞)、原田美枝子(正岡八重)、西田敏行(高橋是清)、藤本隆宏(広瀬武夫)、石坂浩二(山本権兵衛)、高橋英樹(児玉源太郎)、加藤剛(伊藤博文)、渡哲也(東郷平八郎)、柄本明(乃木希典)、江守徹(山縣有朋)、米倉斉加年(山本巌)、大杉漣(陸奥宗光)、佐々木すみ江(佐久間家女中・よし)、ほか。
語りは、渡辺謙。
あらすじ:明治維新によって、はじめて「国家」というものをもち、「国民」となった日本人。近代国家をつくりあげようと少年のような希望を抱きながら突き進んだのが「明治」という時代であった。
松山に生まれた三人の男、バルチック艦隊を破る作戦を立てた秋山真之、ロシアのコサック騎兵と対等に戦った秋山好古、そして俳句・短歌の革新者となった正岡子規。
彼らは、時代の激流に飲み込まれながら、新たな価値観の創造に立ち向かい、自らの生き方を貫き、ただ前のみを見つめ、明治という時代の坂を上っていった。生まれたばかりの「少年の国」である明治の日本が、世界の中でいかに振る舞っていったかを描いていきます。
1月26日放送・第20回までの感想:とにかく壮大なドラマです。司馬遼太郎さんが書き上げた、高橋是清、伊藤博文、乃木希典、山縣有朋、正岡子規、など歴史の教科書に出てくる人物が登場するだけでなく、歴史的・地政学的にも大きな物語を、見事に映像として表現しています。
これまで映像化が許されなかった「坂の上の雲」をNHKスタッフの熱意と努力によりドラマ化し、今後も本ドラマを超える「坂の上の雲」の映像化作品は、現れないと思います。
現在と比べCG技術が進化していなかった当時、英知を結集して、見事な海戦シーンなどを、表現しています。
キャストで注目しているのは、旧旗本の佐久間正節の娘で、後に好古(よしふる)の妻となる多美を演じている、松たか子さん。
佐久間家のお姫さまとして、女中のよし(佐々木すみ江)にかしずかれる生活を送っていた多美が、好古の妻となるや良妻賢母としてふるまうと言う難しい役を、見事に演じています。
尚、「隊長のブログ」では、松たか子さんが出演する作品・番組を、これで14本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご覧下さい 。
次に、愛知県出身で宮内省御用掛・稲生真履の三女・季子を演じた石原さとみさん。
こちらも、多美に負けるとも劣らぬお嬢様育ちで、活発な青春時代を送っていましたが、真之と結婚するや、貞淑な妻として振る舞います。
石原さとみさん出演作品・番組の記事一覧は、こちらをご参照下さい 。
三人目は、仙台藩の足軽・高橋覚治の養子となり、アメリカへ留学。英語教師として、真之らに英語を教え、後に日本銀行の副総裁となった高橋是清役の 西田敏行さん 。
軽妙な演技のイメージの西田敏行さんですが、本ドラマでは重厚な演技で魅せてくれます。英語のセリフも流暢にこなしていたのが、印象的です。
毎回、ドラマのオープニングに流れる「まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている」で始まる渡辺謙さんのナレーション。いつも同じ文章ですが、初回に録音したナレーションを流すのではなく、謙さんの希望で、その回の話に合わせ、都度吹き込んいるそうです。
今では、日本を代表する俳優となった渡辺謙さんですが、当時から作品に拘って取り組んでいたことが分かるエピソードですね。
最後になりますが、『坂の上の雲』初回放送から16年。多くのスタッフ・出演者が、鬼籍に入られています;
野沢尚、西田敏行、加藤剛、渡哲也、米倉斉加年、大杉漣、佐々木すみ江、など。(敬称略)
亡くなられた皆さんのご冥福を、お祈りいたします。
尚、『坂の上の雲』 次回、第21話「二○三高地(前編)」は、2月2日(日)午後11時から、NHK総合テレビにて放送予定です。
==「テレビ番組」 バックナンバー 一覧 ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/17de26ad35859fd865f52645aba1b27d
Vol.1 ~ 615 省略
Vol.616 2024/10/13 『こころ旅「2024年秋の旅」ピンチランナー登場』
番外編 2024/10/18 『訃報:西田敏行さん』
Vol.617 2024/10/21 『ドラマ「母の待つ里」』
Vol.618 2024/10/25 『世界ふれあい街歩き 「チューヒ」、「ブルージュ」』
Vol.619 2024/11/4 『ドラマ「潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官」』
Vol.620 2024/11/10 『ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」』
番外編 2024/11/20 『訃報:火野正平さん』
Vol.621 2024/11/23 『ドラマ「若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-」』
Vol.622 2024/12/1 『ドラマ 「ザ・トラベルナース」』
Vol.623 2024/12/6 『ドラマ「海に眠るダイヤモンド」』
Vol.624 2024/12/14 『中国ドラマ「ありのままの君に恋して」』
Vol.625 2024/12/21 『2024年秋の連ドラ総括』
Vol.626 2025/1/10 『ドラマ「スロウトレイン」』
Vol.627 2025/1/18 『アナザースカイ「2024年2月~3月放送ピックアップ」』
Vol.628 2025/1/24 『カンブリア宮殿 「2024年8月~12月放送ピックアップ」』
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます