隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第281作品目は、『あの頃、君を追いかけた』をお送りします。
『あの頃、君を追いかけた』は、2011年8月に現地公開された台湾映画『あの頃、君を追いかけた』(原題:那些年,我們一起追的女孩)のリメーク版で、2018年10月5日より全国公開された日本映画です。
配給は、キノフィルムズ。上映時間:114分。
原作:九把刀(ギデンズ・コー)「那些年,我們一起追的女孩」。
監督は、長谷川康夫。
長谷川康夫さん脚本の映画は、2008年公開 『山桜』 、2011年公開 『小川の辺』 、2015年公開『起終点駅 ターミナル』 を、紹介しています。
脚本:飯田健三郎、谷間月栞。
主演は、山田裕貴と、齋藤飛鳥(元・乃木坂46)。
共演者:松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介、ほか。
主題歌は、Thinking Dogs の「言えなかったこと」。
あらすじ:舞台は、2000年代の日本の地方都市にある高校。仲間たちと一緒にバカなことばかりをしている水島浩介(山田裕貴)は教師の怒りを買い、クラス一の優等生・早瀬真愛(齋藤飛鳥)がお目付け役になることに。浩介は、マジメでお堅い真愛を疎ましく思う反面、胸がざわつき始めます。
というのも、浩介と悪友たち(佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介)にとって彼女は中学時代からの憧れの存在だったからです。ある日、浩介が教科書を忘れた真愛のピンチを救ったことから、二人の距離は縮まっていくのでした。
浩介、真愛、真愛の親友・詩子(松本穂香)、悪友たちと一緒に過ごした時間は、かけがえのないものでした。
しかし、あることから二人の間にすれ違いが生じ、そこから疎遠になってしまいます。そうして社会人になった浩介のもとに、一本の電話がかかってきました。それは、真愛が結婚するという知らせでした。。。
感想:海外映像作品の日本でのリメーク版は、殆どがオリジナル作品の域に達することが、出来ていません。「隊長のブログ」で取り上げた中でも、韓国オリジナル版の『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』とリメイクの『スカイキャッスル』 などは、典型例ですね。
唯一、韓国オリジナル、リメイク版ともに、隊長が高い評価をしたのが『怪しい彼女』 と、『あやしい彼女』 でした。
リメイク版として本作品が一番欠けていたのが、ストーリーの一貫性です。例えば、浩介と真愛が、初めて二人だけでデートしたのが、街並みや看板の文字から、明らかに台湾で撮影したのが分かります。
極めつけは、今や台湾観光の目玉とも言える、ランタンを購入し、願い事を筆で書いて空に飛ばす「天燈上げ」のシーンです。それまでのシーンで、信州(長野県)の高校に通っていると観客に思わせといて、「初デートが、二人きりの台湾旅行ですか」と、突っ込みを入れたくなりました。
それと、スーパーバイザーとして参加した、秋元康氏の影がチラついて見えたこと。主役の齋藤飛鳥さんは、公開当時、現役の「乃木坂46」のメンバーだったし、主題歌「言えなかったこと」の作詞も秋元康さんでした。
ただ、「言えなかったこと」自体は、映画の雰囲気にピッタリな主題歌だったし、劇中流れる音楽の選曲も素敵でした。
キャスティングは、悪くはありませんでした。主演の二人を始め、若手俳優陣の演技も良かったです。ただ、台湾オリジナル版のキャストは、全員初見なので、感情移入が出来たのですが、山田裕貴さん、齋藤飛鳥さん、松本穂香さんの三人は、お馴染みの顔なので、オリジナル作品の様に、感情移入が出来ませんでした。
原作のストーリー展開自体は、王道の青春映画として確立しているので、もう少し日本での独自の脚本として描けば、評価の高い作品になっていたのでは、ないでしょうか。
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