隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第240作品目は、『こんにちは、私のお母さん』をお送りします。
1月7日から全国公開されている『こんにちは、私のお母さん』を、観に行ってきました。
新型コロナウィルスの感染が怖いので、劇場で映画を観るのは、昨年8月の 『キネマの神様』 以来、5か月ぶりです。
劇場は、東池袋の池袋サンシャイン60通り沿いにあるシネコン「池袋HUMAXシネマズ」。
ここで映画を観るのは、確か、初めてではないと思いますが、それが、旧「池袋ジョイシネマ」の時だったのか、「池袋HUMAXシネマズ」になってからだったのか、何の作品だったのかは、忘れてしまいました。
『こんにちは、私のお母さん』を上映しているのは、地下2階にある、
座席数137の「シネマ5」。
『こんにちは、私のお母さん』(原題:你好,李煥英、英題:Hi, Mom)は、現地・2021年2月12日公開の中国映画。
原題の「你好,李煥英(Nǐ hǎo, Lǐ Huànyīng)」の “李煥英” は、本作で監督・脚本を務め、出演もしたジア・リン(賈玲)の亡くなられた母親の名前です。
製作会社:北京京西文化旅遊股份、ほか。オリジナル言語:普通話(北京語)、日本上映時は、日本語字幕。上映時間:128分。
尚、「隊長のブログ」では、中国映画を、これで26作品を紹介したことになります。詳細は、こちらの記事一覧を、ご参照下さい 。
他の出演者は、チャン・シャオフェイ(張小斐)、シェン・トン(沈騰)、チェン・フー(陳赫)、リウ・ジア(劉佳)、など。
あらすじ:明るく元気な高校生ジア・シャオリン(ジア・リン)と、優しい母親のリ・ホワンイン(リウ・ジア)は大の仲良しでした。ジアの大学合格祝賀会を終え、二人乗りした自転車で家に帰る途中、交通事故に巻き込まれてしまいます。
病院で意識のない母を見てジアは泣き続け、そして気がつくと。。。20年前の1981年にタイムスリップしていました。独身の若かりし母(チャン・シャオフェイ)と〝再会〟したジアは、最愛の母に苦労ばかりかけてきたことを心から悔やみ、今こそ親孝行するチャンスだと奮起します。
自分が生まれなくなっても構わない。母の夢を叶え、幸せな人生を築いてもらうことが、娘としてできる「贈り物」なのだと思っていました。しかし、やがてジアは、“ある真実” に気づいたのです。。。
感想:タイムスリップするという設定自体に目新しさはないのですが、既に公開済みの中国本土、オーストラリア、マレーシア、香港、マカオでの興行収入が900億円という大ヒット作になったのは、ジア・リンの才能と、それに答えたスタッフ、出演者によるものでしょう。
中国での公開時期が、2021年2月12日の春節(旧正月)だったのも、ヒットの要因に加えてもよいでしょう。日本で言えば、元旦に公開する「お正月映画」のようなものです。「お正月映画」と言えば、喜劇が定番。
『こんにちは、私のお母さん』を観て、渥美清さん主演の「男はつらいよ」シリーズを、観たあとのような感覚にとらわれました。どこか懐かしくもあり、笑って泣ける映画です。
2001年からタイムスリップした20年前、1981年には、古き良き中国の姿が広がっていました。
面白かったのは、若き日のリ・ホワンインが、勤務する工場での、初めてのテレビ購入者となることが出来き、住んでいる団地で、“街頭テレビ” 観賞会を催したシーンです。集まった皆さんの嬉しそうな顔、顔、顔。
日本で、テレビがまだ高嶺の花で、街頭テレビの前に群衆が集まったのは、1950年代後半。中国が1980年代前半ということは、中国では、テレビの普及が日本より20年以上遅かったことになります。現在の中国の経済成長を思えば、隔世の感がします。
懐古趣味といってしまえばそれまでですが、この映画がヒットしたのは、中国が経済成長して、物の豊さだけでなく、心の豊かさをもとめている証拠かも知れません。
本作品は、いろいろな要素を含んだ映画です。リ・ホワンインらが出場した工場での職場単位の女子バレーボール大会のシーンは、“スポ根(スポーツ根性)物語” だし、ボートに乗ってのデートシーンは、“ラブコメディー” ですね。
ネタバレになってしまうので、多くは語れないのですが、コメディ映画だったのが、ラスト近くになって、娘のジアが、母親に繕ってもらったジーンズを見て、若き日のリ・ホワンインは、裁縫が上手ではなかったことに気付いてからは、人情物語の展開になりました。
これまで、ユーモラスなシーンに、声を出して笑っていたのに、涙をこぼしそうになってしまいました。追い打ちをかけたのが、エンドロールに映し出されがジア・リンの実の母親・リ・ホワンインの若き頃の写真です。これまでこらえていた涙が落ちてきました。
最後になりますが、これまで「映画」の記事の中で、外国映画の邦題(日本語タイトル)の付け方の良い作品と、悪い作品を挙げていて、それを一覧にしています が、本作は良い例というか、当然の邦題だと思います。
冒頭にも書きましたが、原題の「你好,李煥英」は「こんにちは、リ・ホワンイン」の意味です。李煥英は、中国の観客にとって、実績のあるコメディアンヌ・賈玲の母親だとの予備知識を持って本作に臨むことができます。
一方、日本の観客には、「リ・ホワンインって誰?」となってしまいます。そこで、本作品のストーリーから、『こんにちは、私のお母さん』の邦題にするのは、当然の流れでしょう。
日本でのポスターも、母親と赤ちゃんの姿を全面に押し出しているのに対して、中国でのポスターは、知名度の高い、沈騰、張小斐、賈玲(左から)三人の写真ですものね。
==「映画」バックナンバー =
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Film1~225 省略
Film226 2021/4/18 『少林サッカー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3d7cadbe8320324f6f76c92f3055fdb9
Film227 2021/5/3 『ダーティーハリー2』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f9b1e1d7c73831ed6bd802308f3e633
Film228 2021/5/11 『記憶にございません!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dbe589226c7d8c59c68739e909441512
Film229 2021/5/19 『海洋天堂』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/417011bf38b8475d306a2c9e9165963a
Film230 2021/5/29 『最高の人生の見つけ方 (2019年)』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fc657982359bb0e626957648a10d485f
Film231 2021/6/12 『ザッツ★マジックアワー ダメ男ハワードのステキな人生』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b7dd45c3e2988a5e10f89396b56cab86
Film232 2021/7/16 『ターンレフト ターンライト』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f9107d043155b78160b2e3673bf00b18
Film233 2021/7/28 『蝉しぐれ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5b0180e3be682d458ac6d319e4c7b448
Film234 2021/8/12 『キネマの神様』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1430ea47c71a6a1da4a662ebe7aa8f26
Film235 2021/8/25 『慕情』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/99d5e5f27218122714e8564f2f55e28c
Film236 2021/9/3 『男たちの挽歌』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e1621c294a6f9a3bbba5821aa707f601
Film237 2021/9/19 『バニラ・スカイ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b66582e1e43a1910e83bd538c48a8660
Film238 2021/10/1 『ホタル』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a7754ab0228da08b787c23e653c71acc
Film239 2021/11/8 『男たちの挽歌Ⅱ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ba58b588e7e11fe630936234f20943f2
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