隊長が、これまでに鑑賞した「映画 」を紹介するシリーズの第188作品目は、『傷だらけの男たち』をお送りします。
『傷だらけの男たち』(原題:傷城、英題:Confession of Pain)は、2006年12月公開の香港映画。(日本公開は、2007年7月)。
製作会社:香港・銀都機構有限公司(Sil-Metropole Organisation Ltd.)、ほか。オリジナル言語:広東語。上映時間:111分。
「隊長のブログ」では、香港映画を、これで12作品を紹介したことになります。詳細は、こちらの記事一覧をご参照下さい 。
監督は、香港のアンドリュー・ラウ(劉偉強)と、アラン・マック(麦兆輝)。
脚本は、アラン・マック(麦兆輝)と、フェリックス・チョン(莊文強)。
主演は、香港出身のトニー・レオン (梁朝偉) と、金城武。
トニー・レオンが出演する映画を、これで五作品を取り上げたことになります。詳細は、こちらをご参照下さい 。
一方、金城武の映画は、これで12本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご覧下さい 。
この二人の共演は、1995年公開の 『恋する惑星』 以来ですが、同じ警官役ではありましたが、同じシーンに二人が同時に登場したことは、ありませんでした。
『恋する惑星』で、撮影監督を務めていたアンドリュー・ラウが、『傷だらけの男たち』では監督になっているのは、何か縁を感じます。
中華圏で人気の二人が主演と言うことで、上映国・地域は、香港、日本、以外にも、中国、台湾、シンガポール、マレーシア、タイに及んでいます。
冒頭の写真は、日本公開時のポスターなので、金城武がトニー・レオンより前面に出ています。一方、上の香港のポスターでは、トニー・レオンが少し前に出ているように見えます。
共演者は、台湾出身のスー・チー(舒淇)、中国出身の シュー・ジンレイ(静蕾) 、香港のチャップマン・トウ(杜汶澤)、ほか、と国際的です。
国際版の主題歌は、浜崎あゆみ の『Secret』。下の予告編の動画では、劇中に流れているかのように聴こえますが、実際はエンドロールとともに、この曲が流れてきます。
中国語版の主題歌は、香港の歌手、 女優・デニス・ホー(何韻詩) が歌う『傷城秘密』(浜崎あゆみ 『Secret』のカバー曲)。
あらすじ:かつては、香港警察で上司と部下の関係だったベテラン刑事のヘイ(トニー・レオン)とボン(金城武)。しかし、ボンは恋人の自殺で、生活が一転。刑事を辞職し、飲めない酒に溺れ、酔っ払いの私立探偵に成り下がっていました。
死んだ恋人の記憶を忘れたいがためかの如く、毎晩のように訪れるバーで、ボンはビールのキャンペーン・ガールとして働くフォン(スー・チー)を、気にかけるようになっていました。
一方のヘイは億万長者チャウの一人娘スクツァン(シュウ・ジンレイ)と結婚し、何不自由のない、幸せな新婚生活を送っていました。ある日、チャウと執事が、彼の豪邸で何者かに惨殺され、ヘイが捜査を担当することに。すぐに犯人らしき二人組の男たちの死体が上がり、奪った現金の配分での仲間割れでの死亡と思われ、事件は解決するかに見えました。
しかし、事件を不審に感じたスクツァンは、ポンに真相を調べるように依頼します。ポンは事件を見直し、元同僚のチョイ(チャップマン・トウ)やファンの協力を得て、捜査を再開。すると、意外なことに捜査線上にはヘイが浮上してきます。
その発端となったのは、1978年にマカオで起きた惨殺事件。30年以上の時を超えてヘイとチャウを結びつけた因縁は一体何だったのか? そしてヘイとスクツァンとの愛は本物だったのか。。。
感想:一見、犯罪事件を扱った、スリリングな展開の「クライムサスペンス映画」のように見えますが、実は早い段階で、真犯人がわかってしまいます。
真犯人を推測する楽しみがなくなったので、あとは、ヘイとボンが対決する死闘シーンを期待しましたが、それもなく、物語は、悲劇で終わってしまいました。
ストーリー的には、物足りなさが残りますが、テンポのある展開と、主要キャストの魅力ある演技には目が離せませんでした。
斬新なカメラワークと綺麗な映像にも魅了されました。汚い(失礼)香港の街角も、洗練されたヨーロッパの街並みの様に映りました。
全編に流れるコンフォート・チャン(陳光栄)選曲の音楽 も、お洒落な雰囲気を醸し出していて良かったです。
ただ、エンディングに流れるのは、浜崎あゆみの歌。中華圏でも絶対的な人気ゆえなのか、本作の日本での配給会社が、彼女が所属するエイベックス・エンタテインメントだから起用したのか。それにしては、サントラの選曲とは異なる曲調で、場違いな感じがしました。
最後になりますが、これまでに、「映画」の記事の中で、外国映画の邦題(日本語タイトル)の付け方の良い作品と、悪い作品を挙げていて、それを一覧にしています が、本作は悪い例だと思います。
中国語の原題「傷城」から、配給会社『傷だらけの男たち』の邦題が浮かんだのだと思います。確かに、“愛のために傷つく元刑事” と “復讐に生きる刑事” が主役なのですが、あまりにも『傷だらけの〇〇〇』という、映画、小説、ドラマは、巷に溢れていて、手垢のついたタイトルになってしまっています。
英題の「Confession of Pain」を直訳すると「痛みの告白」です。映画の内容を鑑み、これを意訳して『消えない過去の痛み』或は、『消えない過去の傷』は、どうでしょうか。
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